犬に必要なケアって?
ペットショップには多くのペットケア用品が売られています。ペットサロンや動物病院にも、ケアメニューは沢山。中には犬用パックやエステ、デザインカットなど至れり尽くせりのメニューまで!さて、その中で本当に必要となるケアにはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、日常的に必須となるご家庭でも行うべきケアを並べて説明していきます。
犬に必要なケア
①ブラッシング
ブラッシングの効果
- 毛並みを整える
- 汚れや毛を取る
- 皮膚の血行促進
- 健康状態のチェック
犬にとってブラッシングは不可欠。犬の体は人間と違い体毛に覆われている為、皮膚への通気が悪くなりがちです。そこで、皮膚に空気を入れてあげたり血行を促進してあげたりする為にブラッシングを行います。
また、抜け毛や死毛の除去も同時に行い、皮膚の健康が保たれるよう気をつけなければなりません。犬種にもよりますが、できれば毎日、週に数回は行ってあげたいところ。
このブラッシングを怠ると、毛玉が出来て皮膚炎を起こしたり、病気の発見が遅れたりと、愛犬の健康に支障をきたす事があります。特に長毛犬種は毛で皮膚面が見えにくく、毛も絡みやすいので、こまめな手入れが必要。うまくブラシやスリッカーを使ってあげると、犬にとっても気持ちの良いマッサージになり、満足した表情を見せてくれますよ。
②歯磨き
歯磨きの効果
- 歯肉炎、歯周病の予防
- 口臭の予防
- 歯垢を落とす
人間と同じく犬にとっても、歯は長生きに繋がる大切な部位。歯のケアを怠ると、段々歯垢がたまり、歯が弱くなったり歯周病になったりと、口内の健康状態が悪化する事があります。
犬の口臭はそういった口内環境から来ることが多いので、口臭チェックも抜かりなく。健康的に噛める事、食べる事は、長寿につながります。愛犬の長生きの為にも、歯のケアを行いましょう。
口の周りを触られる事に慣らすことから始め、愛犬に合ったアイテムでケアしてあげると良いですね。歯磨きに慣れていない犬には、シートタイプの歯磨きアイテムが使いやすくおすすめ。犬の歯磨きを完璧に行うのはなかなか難しいですが、少しずつコツを掴んでできるだけ毎日行いましょう。
③耳掃除
耳掃除の効果
- 病気予防
- 臭いや痒みの予防
意外と盲点なのが、耳の手入れ。犬の耳は人間と同じく、知らないうちに汚れが溜まっていきます。
特に垂れ耳の犬は、通気性が悪い為内部が蒸れてしまい、汚れが溜まりがち。菌が繁殖することも多い為、こまめなケアが必要となります。これを放っておくと、臭いがひどくなったり痒みが出たり、外耳炎などの病気になったりと、犬の健康に支障をきたすことも。
また、耳の内部は非常にデリケートなので、ケアの仕方にも注意が必要。見える部分は専用のシートなどで、優しく拭き取ってあげましょう。軽く拭くだけで、赤黒い汚れは綺麗に取れます。
耳洗浄という方法もありますが、直接専用液を犬の耳に入れて使用するので、少し難しく感じる飼い主さんもいらっしゃるかと思います。間違えた処置で怪我をさせては大変、不安な時はプロにお願いするのもひとつの手です。
ペットショップやホームセンターにはペットの耳掃除アイテムが沢山売られています。よく使用方法を確認し、使用しましょう。週に1,2回、耳の内部に負担をかけないようなケアを行いましょう。
④爪切り
爪切りの効果
- 犬の怪我防止
- 人間の怪我防止
犬の爪切りは、犬自身にとっても人間側にとっても必要なもの。長く伸びた爪はお互いの怪我に繋がるのです。
爪は伸びすぎると、折れてしまったり皮膚や肉球に食い込んでしまったりと愛犬を傷つける可能性があります。また、あまりに爪が伸びすぎると、内部の神経や血管も同じように伸びる為、その後爪を切る際に大きな痛みを伴うこととなります。そんな痛い思いを愛犬にさせたくはないですね。
盲点なのが「狼爪」。他の爪は散歩などで自然と削れたり、飼い主がチェックしやすいのでこまめにケアできたりしますが、地面につかない狼爪は日常的に削れることはなく、飼い主も見落としていることがあります。忘れずにケアしましょう。
先述の通り、爪には血管や神経が通っているので、慣れていない方は動物病院やサロンで爪切りをお願いするのが良いと思います。数百円で処置をしてくれるところが多いので、無理せずプロにお願いしましょう。
⑤肛門線絞り
肛門線絞りの効果
- 炎症予防
- 病気予防
肛門線は、犬が人間と暮らす前、テリトリーを示す為に分泌液を撒くのに発達した部分です。現代ではあまり使われることがなく、分泌液を出す為の筋肉が衰えてきていると言われています。その為、内部に分泌液が溜まってしまうのです。特に小さな犬や老犬などは、分泌液を排出する力が弱いそうです。
これを溜まったままにしておくと、不衛生ですし、炎症を起こしたり、肛門線が破裂してしまうことも・・かといって、ケアのしすぎも良くありません。頻繁に人間がケアしすぎると、自己排出力が更に弱まってしまいます。
犬の行動から見る目安としては、
- 「お尻から臭いがし出したら」
- 「お尻歩きをし出したら」
- 「お尻を頻繁に舐めたり気にしたりする素振りを見せたら」
肛門線に分泌液が溜まり、ムズムズしている兆候です。
月1回ほどで十分と言われますが、溜まり具合はその子によって異なるので、様子をよく確認してあげましょう。肛門線絞りは少しコツがいるので、オンライン動画で手順を確認するのも良いでしょう。
溜まりすぎると肛門腺が炎症を起こし、肛門のそばの皮膚が破れてしまうこともあります。
また、これも動物病院やサロンでの処置が可能なケアです。先生やトリマーさんに、手順や頻度を聞いてみるといいですね。
よく観察して細やなケアを
日常生活で主となるケアを挙げて参りましたが、上記以外にも定期的なシャンプーや肉球のケア、トリミング(犬種、部分による)などが必要となります。
なかなか手間がかかると思われるかもしれませんが、ケアの時間は愛犬と触れ合うコミュニケーションになります。コツをつかめば、人間にとっても犬にとっても大切な時間になるはずです。
そして、犬の健康を保つにあたって最も重要となるのは、飼い主が
- ①よく愛犬の様子を見てあげること
- ②気づいてあげること
です。犬は人と違って喋ることができません。その分、飼い主がその時々で必要なケアに気付き、細やかなケアをしてあげたいですね。