犬の顎がガクガクなる原因
犬が顎をガクガクさせることに痛みを伴っているかのか、痛みは感じていないのかによって、犬が顎をガクガクする原因が違ってきます。
犬がごはんを食べたあとや犬の下顎を触った時、犬があくびをしたあとなどに顎をガクガクさせているのを見かける飼い主さんは多いようです。犬をよく観察することが大切です。
犬が顎をガクガクさせている時はこのような病気や原因などが考えられます。
- 顎関節症
- 顎の痙攣
- 歯周病
- あくびをした時
- 痛みを和らげようとしている時
- 食べ物が歯につまっている時
- 老化
犬の顎がガクガクなる時の対処法
それでは犬の顎がガクガクなる時の対処法について、病気やその他の原因別にご説明します。
犬の顎関節症の場合
犬の顎関節症の場合は、下顎の関節がうまく開かなくなりガクガクするようです。
犬のガムなど硬いものを食べたあとや噛み合わせが悪い場合に、軟骨が硬くなり顎の開閉がしにくくなってしまうようです。顎をガクガクさせることのほかに、舌や口をクチャクチャとさせる症状をすることがあります。顎に痛みもありひどくなると犬の口が完全に開かなくなってしまったりすることもあるので、早めに気づいてあげることが大切です。
犬の顎の状態が軽度なら消炎剤の服用や手術で治すことができますので、そのままにせず、すぐに動物病院で受診することをおすすめします。
犬の顎の痙攣の場合
犬が顎をガクガクと痙攣させている時はこのような原因が考えられます。
- 子犬の成長期の、歯の生え変わりのストレス
- 食べたものが歯に挟まって気持ちが悪い場合
- 発情期間中に匂いに敏感になっている時
子犬の成長期の、歯の生え変わりストレスの場合は、歯がグラグラしていることから違和感を感じているのかもしれません。顎をガクガクさせて、自分を落ち着かせようとしているカーミングシグナルとも考えられます。何か噛んでもよいおもちゃを与えてあげたり、歯ブラシでブラッシングしてあげるとストレスの軽減になるかもしれません。
犬の歯に食べたものが挟まって顎をガクガクさせている時は、丁寧な歯みがきで対処することができます。人間でもそうですが、食べ残しが歯の間に残っていることはストレスになるので歯ブラシでしっかり汚れをとってあげてください。
発情期間中、これはオス犬に限りますが、メス犬のヒートの時に出されるフェロモンの匂いを嗅いで興奮し、顎がガクガクなることがあります。これは、フレーメンに近い行動ではないかと考えられています。フレーメンとはフェロモンをより嗅ごうとするときにおこる反応です。臭いをかぐために鼻を使うのではなくヤコブソン器官という特殊な臭覚器官を使います。犬にはフレーメンはおこらないとされていますが、中にはあたかもフレーメンかのような反応をする個体もいるようです。
犬の歯周病の場合
犬が歯周病で、痛みがひどくなるほど悪化すると、顎をガクガクさせて痛みを少しでも和らげようとしている場合があります。犬がご飯を食べたあとや、あくびで口を大きく開けたあとに顎をガクガクさせている場合が多いようです。これをチャターサインといいます。
犬の歯周病は、動物病院で歯周病菌や炎症をおさえる抗生剤などの薬をつかって治療します。ひどくなると顎の骨まで炎症が進んでしまうこともあります。あまりにも炎症がひどい末期の歯周病は、抜歯しか方法がないようですが、すべての歯が末期ではない場合は、歯の歯石をとることで改善することができるようです。
犬の歯周病を引き起こす原因の大半は歯石や歯垢です。そうなる前にスケーラーという器具をつかって歯石を除去する根本的な治療をする必要があります。無麻酔下で処置する方法と、全身麻酔下で処置する方法があります。全身麻酔下での処置は、犬の健康状態や年齢も関係してきますので、1度動物病院で相談してみてください。
老化の場合
犬の老化の場合は顎の力も弱ってきますし、歯周病が原因でガクガクさせている場合もあります。他にも寒さや甲状腺の機能の低下などの病気のことも考えられます。歯周病の治療も含め心配なことがあれば、やはり早めに動物病院の受診をおすすめします。
まとめ
犬の顎がガクガクなる原因と対処法についてお話してみました。
突然、犬の顎がガクガクなっているのを見かけたらびっくりしますね。子犬の歯の生え変わりや、犬の歯に食べたものがはさまったストレスは、顎をガクガクしても歯みがきによって改善することができます。
ですが、痛みが出るほどの歯周病や顎関節症は、犬にとって相当のストレスです。顎をガクガクさせて痛みを和らげようとしていたり、自分を落ち着かせようとしているカーミングシグナルに敏感に気がついてあげたいですね。
日頃から犬の様子、特に口の中の様子に気を遣い、犬の顎のガクガクなる症状がひどくなる前に動物病院で受診しましょう。