雨の日でも愛犬のお散歩に行く?
アイペット損害保険株式会社が、2017年梅雨の季節に合わせて犬の飼い主1,077名を対象とした『雨の日のお散歩に関する調査』を実施した結果、「雨の日でもお散歩に行く人」は61%との回答が出ました。
なお「雨の日が続いた場合」や「雨の程度によってはお散歩に行く」という条件付きでは、中型犬・大型犬の飼い主は77%、小型犬の飼い主は54.1%という回答が出ています。
雨の日にお散歩に行く理由としては「犬のストレス解消のため」が第1位となっています。
梅雨の季節は大好きなお散歩に行けないことで愛犬がストレスを溜め込むことになります。
飼い主としてできるだけお散歩に連れて行きたいところですが、中には雨の日にお散歩を嫌がるワンちゃんもいるようですね。
みなさんのワンちゃんはいかがでしょうか?
「レインコート」を愛犬に着せる?
筆者の周りでは、雨の日に犬を連れてお散歩する飼い主さんの姿をよく見かけます。その理由を聞くと、一番はトイレの問題。
トイレを外でしつけた場合は、天気に関係なく雨の日も散歩に行かなければなりませんね。
犬は規則正しい生活リズムを好むため、例え雨が降っていようが飼い主の様子を伺いながら大好きなお散歩の時間を待ち侘びます。小型の室内犬の飼い主さんであれば、家の中でもトイレができるようにトレーニング済みの方も多いことでしょう。
しかし雨の日になると、ベランダ越しに外を眺めている姿はとても悲しげで、飼い主として切ない気分になりますよね。
雨の日対策グッズとしてレインコートを着てお散歩している犬を見かけるようになりました。スタイリッシュなデザインやカラフルなカラーなど犬種やサイズによって品揃えも豊富ですね。
快適にお散歩ができるように飼い主はいつでも必死です。しかし中には雨の日にレインコートを着せると嫌がるワンちゃんもいるようです。
犬が大好きなお散歩を拒みレインコートを嫌がるのはなぜでしょうか?
一つの理由がありました。認知科学者アレクサンドラ・ホロウィッツ氏の著書『犬から見た世界』には「お願い!レインコートを着せないで」と書かれています。自身も愛犬家で科学者であるホロウィッツ博士が解き明かしたその理由とはいったい何でしょうか?
犬がレインコートを嫌がる理由
犬がレインコートをどう思うかについて最も有効な情報は、野生の犬が示す自然の行動であると述べています。以下ホロウィッツ博士の言葉を引用しました。
犬もオオカミも、ともに恒久的な自分のコートをもっているため、コートはひとつで十分だ。雨が降るとオオカミは隠れ場を探すかもしれないが、自然の材料で体を覆うことはない。
この事実は、彼らがレインコートを必要としているとか、関心があるという主張にはマイナスである。
レインコートには上着として意外に、別の特異な性質がある。彼らの背中、胸、ときには頭をぴったりときついくらいに覆うのである。オオカミが背中や頭をきつく締め付けられる状況は確かにある。他のオオカミに支配されている時か、年長のオオカミや血縁者に叱られている時だ。
支配的なオオカミは時々劣位のメンバーの鼻を押さえて身動きできなくさせる。これはマズル・バイティングと呼ばれる行動である。口輪をかけた犬がおとなしく見えるのはおそらくそのためだろう
※アレクサンドラ・ホロウィッツ著『犬から見た世界』より引用
ホロウィッツ博士によれば、レインコートを着せられた犬は、上位の犬が下位の犬に対してのしかかる支配行動を再現させ、犬の体がプレッシャーを感じていると述べています。
したがって、コートを着せられた犬が感じているのは、濡れないですむということではなく、自分より優位の誰かがそばにいる居心地の悪さです。
レインコートを着せられた犬が、その場でフリーズするのは、おそらく「支配された」と感じるからだといいます。
例えばお風呂を嫌がる犬が、完全に濡れた状態や、濡れタオルをかけられると突然おとなしくなることがあります。
これと同様に、レインコートを着た犬は雨の日のお散歩を喜んでいるように見えるかもしれませんが、レインコートが好きだからではなく、抑制されたためだということです。
結果、犬は雨の日でも濡れずにお散歩することができます。ですが犬を濡れさせたくないのは私たち人間であり、犬ではないのです。
最後に
ホロウィッツ博士は、雨の日にレインコートを着せることが悪いことだと否定しているわけではありません。
重要なことは、雨が降っている日に犬が散歩を嫌がることに気づくことは大切で、そこから「犬は雨が嫌いだ」と結論づけるのは飛躍した解釈だということです。
「うちのコは雨が嫌い!」それはどういう意味なのか考えてみましょう。人間のように雨に濡れることが嫌いなのか?これは飛躍した考え方かもしれません。
「レインコートを出すと愛犬は尻尾を振る」・・・これはお散歩の前触れだと気づいた条件づけかもしれませんよね。
私たちは言葉を話さない愛犬に対し、どうしても擬人化させてしまう傾向があり、犬の行動から心理を飛躍して解釈してしまいます。ホロウィッツ博士は、犬の行動をまず観察して読むこと、あとはいかに解釈するかを学んでほしいと訴えています。
犬はいつも動作や表情で気持ちを訴えています。一番身近にいる飼い主に理解して欲しい・・・そう願っているはずです。
ユーザーのコメント
男性 匿名
外でトイレをしたいのに、室内でしなさい、ということと同じように思います。
全ては人間の都合であり、レインコートに限らないと思います。
30代 男性 匿名
嬉しそうにスイスイ歩くよ。
犬をひとくくりに考えちゃいけないね。
50代以上 男性 匿名
うちはトイレは家ですることに小さい時からしています。
マンションですが雨の日は、散歩の格好をして一回外に出ますが、
「雨だよねぇ、びしょびしょになるよ。」
と言うと、ちょっと外に出て濡れてみて、
「今日は無理ですねぇ。」
という顔をして、くるっと戻ってエレベーターに乗り込みます。
小さい時から「雨が降ると散歩はナシ」を理解しているようです。
ただ、そんな日は家で猫と追いかけっこをして大騒ぎになります。
30代 女性 匿名
最新のドックトレーニング理論では否定されてる。この人みたいに知識のアップデートが出来てない、昭和脳の高齢者達が犬への「 躾」 と称した虐待を肯定するんだろうな。
30代 女性 匿名
https://pally.ana.co.jp/80420
●人間の考える上下関係は存在しない
食べもの、寝床、おもちゃ、すべてを最上位に立つものが優先して得られる。
そのような上下関係を構築する特性が犬にはあると、長い間考えられてきました。
上下関係をつくり、頂点に立とうとする性質を犬が持っているために、人間との暮らしにおいては「犬を頂点に立たせない、人間の上に立たせないためのしつけが必要」という考えが広く信じられてきたのです。
犬のトレーニングにおいても、その考えに即した理由付けが多くされてきました。
しかし、実際は違うことがその後の研究によって明らかになっています。
今では、人間が思う「上下関係」の概念そのものが犬にはないと考えられています。
●アルファシンドロームの解釈は誤り
アルファとは順位社会のなかの頂点のことをいいます。
リーダーと言いかえることもできるでしょう。
アルファシンドロームとは、日本語では権勢症候群と訳されます。
犬が飼い主の家族を群れと認識し、自分の思い通りにするため、群れの頂点に立とうとして起こるさまざまな問題行動を指します。
「アルファ気質が強い犬」といえば、すべてを支配下におこうとする気質、そのための行動を起こす特性が強い犬、と捉える人が今でも多いかもしれません。
しかし、こうしたアルファシンドロームに関わる解釈も、現在では専門家の間で否定的に考えられています。
アルファシンドロームとは人間が定義付けた行動にすぎません。
その意味する支配的欲求は、あくまでも人間的などん欲さをイメージしたものであり「そもそも犬には当てはまらない」と考えられるようになりました。
30代 女性 匿名
嬉しそうにスイスイ歩くよ。
犬をひとくくりに考えちゃいけないね。
専門家による科学的なリサーチに基づく「犬にレインコートは不要」という記事に対して、一犬飼いにすぎない素人が「うちの犬は服着せても嫌がらない、ひとくくりにするな」と反論する事がどれほど頓珍漢で意味のない事か分からない?
レインコートの話をしてるのに服の話にすり替えてるし、何のエビデンスにもならないサンプル数1の「うちの犬」を引き合いに出す愚かしさ。