犬の頬が片方腫れていたら要注意
ミニチュアダックスフンドのワンちゃんが「左頬が腫れている。またドライフードを食べなくなり柔らかいウェットフードをよく食べるようになった」との事で来院しました。
診察時、腫れている左頬を触られるのをとても嫌がっていました。
一瞬だけ口の中を見る事ができましたが、歯の表面に黄色や茶色をした歯石が付いており歯周病の炎症が原因で左頬が腫れていました。
また歯茎が赤く炎症を起こしており、多くの歯がぐらついていた為、抜歯処置やスケーラーで歯石除去処置をおこないました。
数日後、受診の際には左頬の腫れが治り、食事もドライフードを食べるようになっていました。
実は、歯周病はワンちゃんにはよくおこる病気の一つなのです。
犬も歯磨きが必要なの?
ワンちゃんの口の中も細菌でいっぱい!
ワンちゃんも私たちと同じく毎日ご飯を食べています。
食事をとると歯にご飯のカスが付着し、口腔内に存在している細菌にとってエサとなり、どんどん細菌の数が増殖します。そして、やがて増えた細菌の塊が出来てしまうのです。それが歯垢です。
歯垢1gあたり1000億個の細菌がいるといわれており歯周病の原因になる菌もたくさん増えてしまいます。
歯垢からすぐに歯石に変わってしまいます
歯についた歯垢を放置するとやがて石灰化します。それが歯石です。
犬では3日〜5日で歯垢から歯石に変わります。その早さは人よりも早いです。
歯石の表面はザラザラしており、その間に歯垢が付きやすく、どんどん歯石化になってしまう悪循環に陥ります。
歯石になってしまうと歯磨きでは取る事が出来ず、専用の歯科器具(スケーラー等)の処置をおこなわないといけません。
その場合は全身麻酔をかけなければいけない為、ワンちゃんの体に負担がかかります。
最終的に体全身に悪影響をもたらします
歯石の状態のままにしてしまうと、どんどん歯周病の症状が進行し歯と歯肉の間に溝(歯周ポケット)が作られ、そこに歯垢や歯石が溜まり、どんどん溝が深くなります。
深くなると歯がグラグラするようになり歯が抜けて落ちてしまいます。
歯が抜けるだけではなく骨を溶かしてしまいます。
そして顎の骨が折れてしまいます。
折れてしまうと手術で切除しなければいけなくなり、顔が変形してしまいます。
また上手くご飯を食べる事が出来ず口からこぼしやすくなります。
その他にも細菌が血管に入り臓器に障害を与えて心臓病や腎臓病になりやすくなります。
歯周病になる前に予防として毎日歯磨きを行う事が大事です。
歯のチェックリスト
このような症状がみられたら動物病院に受診を勧めます。
- 口臭が臭い、臭いが強くなった
- ヨダレが多い
- 口をよくクチャクチャしている
- 食事の時間が長くなった
- 口や頬を触られるのを嫌う
- ドライフードのような固形を食べようとせず柔らかいフードを好む
- 口唇や頬が腫れている
- 食べ物を口からこぼずようになった
犬に歯磨きを出来るようになるコツ
いきなりワンちゃんの口の中に歯ブラシを入れてしまうと当然嫌がります。
嫌がらないように徐々に慣れさせる事が大切です。
ちょっとでも上手く出来たらご褒美をあげてあげましょう。
しかし長時間トライしてみたり嫌がる様子があればお休みする事も大切です。
口を触られるのに慣れる
口を触られるのが嫌な子がいたり慣れていないケースが多いので、まずは少し触ることから始めましょう。
触る事が出来たらご褒美をあげ、少しずつ触る時間を長くしてみましょう。
歯に触れてみる
口を触られるのに慣れてきたら切歯(前歯)を触ってみます。
その後犬歯→臼歯の順番に触ってみましょう。
デンタルシートからスタート
臼歯まで触ることに慣れてきたら
まずはデンタルシートから始め、指に巻き切歯→犬歯→臼歯の順番で触れてみたり摩ってみましょう。
お気に入りの歯磨き粉を探してみましょう
最近はビーフ風味やミント風味等、味や香りがある歯磨き粉がありますので、ワンちゃんが大好きな歯磨き粉を見つけてみましょう。
いよいよ歯ブラシの登場
歯ブラシにお気に入りの歯磨き粉をつけ口元にもってきて最初は舐める程度で歯ブラシに慣れさせましょう。
その後デンタルシートと同様に切歯→犬歯→臼歯の順番でおこないましょう。
まとめ
歯周病は口腔内だけの病気ではなく全身にも影響をあたえてしまいます。
予防の為にも毎日歯磨きをおこなうことが大切です。
しかし歯や歯肉の状態で抜歯などの処置をしなければいけない場合がありますので、自分の判断でしないでください。
まずは動物病院で受診しましょう。
普段からワンちゃんと触れ合う時間を増やしたり、躾をきちんとする事で歯磨きが早く出来るかもしれません。