犬の年齢は人間に換算すると何歳?
犬の年齢の調べ方がわからないという方も多いのではないでしょうか。犬の年齢を人間に換算する計算式や数え方は小型犬、中型犬、大型犬とサイズによって異なり、また犬種によってもさまざまです。計算式の一つの例として、以下のようなものがあります。
24+(犬の年齢-1年)✕4=人間に換算した年齢
大型犬の年齢計算式
12+(犬の年齢-1年)✕7=人間に換算した年齢
小型犬や中型犬は、最初の2年で24歳まで成長し、3年目以降は1年に4歳ずつ歳を取るという計算になります。大型犬は最初の1年で12歳まで成長し、2年目からは7歳ずつ歳を取るという計算です。
犬の年齢の人間換算表
※生後~1年間は、人間でいう17歳~20歳程度に成長します
犬の年齢 | 人の年齢※小型犬 | 人の年齢※大型犬 | 犬の成長 |
1ヶ月 | 1歳 | - | 母犬から離れてあちこち冒険する |
2ヶ月 | 3歳 | 1歳 | 2ヶ月半~3ヶ月は飼い始めるのに最適な時期 |
3ヶ月 | 5歳 | 2歳 | 初めてお散歩をする年齢 |
6ヶ月 | 9歳 | 6歳 | 外の世界に警戒心を抱く |
9ヶ月 | 13歳 | 8歳 | 性成熟を迎え発情する |
1歳 | 17歳 | 12歳 | 立派な成犬の身体になる |
1歳半 | 20歳 | 16歳 | 人間で言う成人に当たる年齢 |
2歳 | 24歳 | 19歳 | 心はまだまだ子供な年齢 |
3歳 | 28歳 | 26歳 | 犬の生涯で最もコンディションの良い年齢 |
4歳 | 32歳 | 33歳 | まだまだ元気な年齢 |
5歳 | 36歳 | 40歳 | - |
6歳 | 40歳 | 47歳 | 身体機能が衰え始める |
7歳 | 44歳 | 54歳 | 高齢期に差し掛かる |
8歳 | 48歳 | 61歳 | 徐々に老化が始まる |
9歳 | 52歳 | 68歳 | - |
10歳 | 56歳 | 75歳 | 老化のサインが著しく出始め病気になりやすくなる |
11歳 | 60歳 | 82歳 | この年齢の大型犬はかなり老犬 |
12歳 | 64歳 | 89歳 | - |
13歳 | 68歳 | 96歳 | 当たり前に出来たことができないことも増える |
14歳 | 72歳 | 103歳 | 大型犬でこの年齢は長生き |
15歳 | 76歳 | 110歳 | 小型犬は人間で言う老人レベルの高齢期 |
16歳 | 80歳 | 117歳 | - |
17歳 | 84歳 | 124歳 | すべての身体機能に衰えを生じる |
18歳 | 88歳 | 131歳 | いつ倒れてもおかしくない年齢 |
19歳 | 92歳 | 138歳 | 長生きなわんこ |
20歳 | 96歳 | 145歳 | 小型犬は人の年齢で言う100歳が目前 |
29歳5ヶ月 | 138歳 | 212歳 | 歴代最長寿の犬の年齢 |
上の表はあくまでも年齢の目安ですが、犬は生まれてから1歳までの年齢のスピードが早く、1年で人間の17歳と同じ年齢になります。その後は緩やかなスピードで、しかし人間よりずっと早く歳をとり、老犬となってしまいます。
大型犬、小型犬といった違いはありますが、雑種の犬は遺伝子病などにも強いので一般的に長生きすると言われています。他にも避妊手術や去勢手術をすることでがんの発生率が抑えられ、長生きするという報告もあるそうです。反対に、妊娠または出産した犬は寿命が短いと言う説もありますが、これには科学的根拠はありません。
犬の寿命年齢は犬種ごとに異なる
犬種ごとの平均寿命
犬種名 | 平均寿命年齢 |
トイプードル | 12~15歳 |
チワワ | 14~15歳 |
ダックス | 12~15歳 |
柴犬 | 12~15歳 |
コーギー | 12~15歳 |
ヨークシャーテリア | 13~16歳 |
ポメラニアン | 12~16歳 |
フレンチブルドッグ | 10~14歳 |
ラブラドールレトリバー | 10~14歳 |
ゴールデンレトリバー | 10~12歳 |
ボーダーコリー | 10~14歳 |
バーニーズマウンテンドッグ | 6~8歳 |
上の表から犬種によって寿命の年齢もさまざまであることがわかりますね。大型犬の中でもラブラドールなどは寿命が長いと言えます。現代はペットフードの品質も良くなり、動物への医療技術も進歩しているので、この犬種だから寿命が短い、長い、と言う判断はあまりできないようです。
サイズ別の平均寿命年齢
サイズ | 平均寿命年齢 |
小型犬 | 約10~13歳 |
中型犬 | 約11~15歳 |
大型犬 | 約10~12歳 |
また、大型犬の方が小型犬より寿命が短い傾向にありますが、それぞれの犬の飼育環境によっても寿命は違います。大型犬は体の割に臓器の大きさが小さく、酸素や栄養素を効率よく循環させることができないため、それがさまざまな病気の原因になると考えられています。年齢が高くなった犬には細心の配慮をしてくださいね。
年齢のギネス記録を持つ長寿犬
ブルーイー(オーストラリアンキャトルドッグ)
オーストラリアにいたオーストラリアン・キャトル・ドッグのブルーイーは29歳5カ月生きた歴代最長寿の犬です。牧畜犬として家族と共に暮らし、この年齢記録は今も破られていません。
マギー(オーストラリアンケルピー)
こちらもオーストラリアで長生きした牧羊犬のマギー。出生証明書が無いため正式認定はされていませんが、2016年に亡くなったマギーは30歳だったそうです。30歳は人間の年齢に換算すると133歳です。マギーは晩年も毎日牧場で見回りの仕事をしていたそうです。
プースケ(雑種)
日本の栃木で暮らしていたプースケも26歳8カ月の長寿犬でした。2011年に亡くなりましたが、2010年には存命する最高年齢の犬としてギネスブックに登録されました。ブースケの長寿記録は世界歴代9位となるそうです。
犬が長生きする秘訣と長寿の方法
前述のように犬種によって寿命はさまざまです。犬を長生きさせるためには、年齢に合った運動量や餌の工夫をすることが大切です。運動面では、運動不足による肥満防止とストレス解消のためにも1日2回、20~30分など、愛犬の身体の具合と相談しつつ、目安を決めて散歩に行きましょう。
犬に与える餌で気をつけることは栄養が十分であること、消化、吸収が良いバランスの取れた良い原料から作られているフードを吟味して与えましょう。そして、6歳までは年に1回の健康診断とそれ以降は年に2回の健康診断を受けることを習慣にしましょう。犬の様子を普段からよく知っているかかりつけ医がいると、犬も飼い主も、もしものときに安心ですよね。
犬の年齢に合わせた適切な飼い方
愛犬との充実した毎日を過ごすためにも、一般に各成長段階や各年齢で見られる犬の変化や、そうした変化に伴う適切なお世話方法や付き合い方を、飼い主である私たちが把握することは非常に大切になります。愛犬の充実した一生をサポートするためにも、わんちゃんの生涯における重要ポイントをきちんと押さえて、よく知っておきましょう。
ここからは、「各成長段階や年齢における変化」、そして「それぞれの段階に応じた適切な飼い主の行動や取るべき対応」などについてご紹介していきます。
生後2週間
犬は生後2~4週間で五感が発達し、少しずつ活動し始め、離乳も始まります。
生後1ヶ月
生後1ヶ月頃には、母犬から離れて、あちこち冒険を始めるようになります。
2ヶ月半~3ヶ月
犬が家族として人間と暮らすようになる年齢です。一般的に、子犬の生後2ヶ月半~3ヶ月は、迎えるのに最適な時期であると言われています。なぜこの時期が適しているかというと、まだこの時期は新しい人や環境にスムーズに柔軟に慣れることが出来るためです。
ですが、決して早ければ早い方が良いというわけではなく、もし2ヶ月半~3ヶ月よりも早く母犬や兄弟犬から離れてしまったら、「性格形成」や「対犬関係」に影響を及ぼしてしまう恐れもあるそうです。そのため、この生後2ヶ月半~3ヶ月の時期が最適と言いわれているのです。
また、この時期には注意すべきポイントがいくつかあります。
便の状態を見たり嘔吐がないか注意
犬を家に迎え入れてすぐは、迎え入れる前から食べていたフードを与えるようにします。その後、便の状態を見ながら、他のフードに変えていってもOKです。フードの硬さや量などについても、便をよく観察しながら、成長に合わせて調整していくようにしましょう。
遊び過ぎは体力を消耗する危険あり
この年齢は、体がまだ未成熟なため、子犬のペースで遊ばせていると、低血糖を起こしたり、急にぐったりしてしまうことがあります。ですから、1日のうちに遊ぶ時間を取りすぎず、睡眠の時間も十分に確保してあげましょう。
かわいいからと構い過ぎに注意
家に来たばかりの時期は、子犬は初めての環境と母犬や兄弟犬から離れたことで、不安でいっぱいです。そのような時に飼い主が構い過ぎてしまうと、ストレスになってしまいます。ですから、子犬が新たな環境に慣れるまでは、優しく見守ってあげましょう。
生後3ヶ月
2回目のワクチン後、お散歩に出かけよう!
2回(もしくは3回)目のワクチン接種が済んだ後、2週間ぐらいが経ったら、お散歩を開始できます。犬も最初は上手くお散歩をしてくれないかもしれませんが、少しずつ慣らしながら、外の楽しさやお散歩の喜びを教えてあげましょう。
社会化トレーニングの時期
犬の生後8~12週は、社会化期です。家族以外の人や他の犬、物音や初めての場所など、外界の様々な物事に触れる体験をさせ、少しずつ慣らしてあげましょう。少しのことに動じず、豊かに生涯を送ることが出来るようにするためです。この年齢で社会に慣れるよう訓練しましょう。
生後5~6ヶ月
自我が芽生え情緒が不安定に
犬が生後5~6ヶ月になると、外の世界に対して警戒心が芽生えるようになります。人間で言う思春期にあたるものです。縄張り行為や攻撃性、情緒不安定、飼い主さんへの反抗などが見られるようになります。
7~10ヶ月
性成熟を迎え初潮・発情が始まる
生後7~10ヶ月で、初めてのヒート(発情期)が、そしてその後、6~8ヶ月おきに、ほぼ定期的に訪れます。心身が未熟なので、最初のヒートでの交配は避けましょう。オスの場合には、生後10ヶ月を過ぎれば生殖活動が可能になります。この年齢になると、体型が形成され見た目は成犬になります。
1歳
犬の年齢が1歳になると、どこから見ても子犬ではなく成犬になります。体のサイズはもちろん、骨格や筋力、内臓機能も成犬のものです。
とはいえ、内面はまだまだ子供で、やんちゃやいたずらは続きます。人間で言えば、ティーンエイジャーといったところですね。1歳の犬に気をつけるべきポイントは以下になります。
子犬用フードから成犬用フードへチェンジ
生後8~12ヶ月のタイミングで、それまでのパピー用フードから成犬用にシフトします。育ち盛りの子犬に合わせて作られたパピー用フードでは、成犬にはカロリーオーバーとなり、肥満になってしまう可能性があります。
健康とベスト体型を手に入れよう
丈夫な体を作るためには、しっかりと犬を運動をさせることも不可欠です。また、適度な運動によって、肥満を防ぐことにも繋がります。
知的な遊びで発散しよう
運動不足はストレスのもとにもなってしまうので、頭を使った遊びや芸を取り入れていきましょう。また、わんちゃんに苦手なことがあれば、時間をかけてでも克服し、なるべくストレスを取り除いてあげましょう。
2歳
犬の年齢の2歳は、人間の20歳に相当します。でも、中身はまだ子供です。見た目は立派な大人ですが、内面はまだ成熟しきれていません。欲求が抑えられず、飼い主さんを手こずらせるかもしれませんが、何でも要求を飲んでしまうと、ワガママな犬になってしまうかもしれないので、諦めるまで毅然とした対応で接しましょう。
3歳
犬の体力・気力ともに充実するのが成熟期と言われる3歳です。心身ともに安定し、新しいことになんでも挑戦出来ますので、犬との暮らしを積極的にエンジョイ出来ます。飼い主さんとのコミュニケーション能力も高まり、お互いにベストな関係を築くことができます。犬の生涯における最もコンディションの良い時期とも言えます。
6歳
犬の6歳は、ターニングポイントとなる年齢です。身体機能の成長が終わり、新陳代謝も落ち始めます。注意したいのが中年太りです。犬の肥満は様々な病気の引き金にもなりますので、食事管理をきちんとし、運動も怠らずに体型維持をしましょう。
7歳
犬の7歳は、人間に換算すると40~50歳を超えます。見た目には大きな変化はなくても、老いは確実に始まっており、高齢期と言えるでしょう。暑さ寒さに気を配る、運動量を調整するなど、知らず知らずわんちゃんの体に負担を強いていないかを見直しましょう。
10歳
犬が10歳になると、目がうっすらと濁り、被毛の量が落ちてきます。動きや反応が鈍り、寝る時間が長くなるといった老化のサインが表れます。この年齢になると病気にもかかりやすくなるので、早期発見に努めるようにしましょう。
関連記事:犬の11歳は人間年齢に換算すると何歳?老化サインの見分け方や平均寿命を延ばす秘訣まで
13歳
犬の年齢が13歳にもなると、人間で言う老人レベルになるでしょう。見た目も体の機能も高齢期に突入します。五感、内臓機能、運動能力などが総合的に落ちてきて、昔は当たり前に出来たことができない、といった場面にも遭遇します。運動、食事、住環境などをもう一度見直しましょう。
以下では、13歳前後の犬に気を付けるべきポイントを挙げています。
体温調節のための対策を抜かりなく
体力維持と気分転換のため、犬が高齢になってもお散歩は続けましょう。ただし、体力や疲れ具合を見ながらお散歩量を加減するようにしましょう。夏や冬は時間帯を変えたり、ウェアを着させたりと体温調節をしっかりとしてください。
歯や内臓にやさしい内容に
この年齢の犬には食事にも気を配りましょう。低カロリーで消化しやすいシニアフードに切り替えましょう。歯が悪い場合には、ふやかしたり細かく刻んだりしましょう。高齢になると食欲旺盛になるわんちゃんもいますが、低カロリーの野菜でかさ増しするなどの工夫をしましょう。
ささいな変化も苦痛と感じがち
高齢犬になると、小さな変化をストレスと感じやすくなります。五感が衰え、物事の気配を察するのが下手になり、後ろから突然声をかけられただけでもストレスになりまねません。ですから、気持ちを乱さないような接し方を心掛けましょう。
15歳
犬の年齢が15歳にもなると、超高齢期と言えます。長生きな犬です。寝たきりになり、介護が必要になるかもしれません。無理のない生活を送らせましょう。ただし、自力で出来ることがあれば、やる機会は奪ってしまわないように。残された機能は最大限生かすことが大切になります。
犬の年齢別でチェックしたい健康管理のポイント
幼少期:~1歳
ワクチン接種とお散歩開始時期、社会化トレーニングの関係について
犬の混合ワクチンは恐ろしい伝染病から身を守るため、必須の予防です。
その混合ワクチン、子犬の時期は生後2ヶ月から1ヶ月おきに1回ずつ、合計2回もしくは3回(回数は病院によりますが、生後4ヶ月をすぎての最終接種を進める病院が多いです)接種する必要があり、それまでは感染リスクを下げるため、なるべく他の犬との接触を避ける、つまりお散歩やトレーニングは控えた方が良いと考えられています。
さらに狂犬病予防接種は法律で定められた必須のワクチンのため、こちらも生後90日を過ぎたら原則的に全頭接種しなければなりません。つまり、すべての予防接種を終えて、自由に他の犬との接触できるようになるのが、生後4~5ヶ月からになります。
一方、子犬が社会性を身につける時期として最適だと言われているのが、生後4ヶ月半までと言われており、それまでに外の環境や他の人、犬と触れ合うことでより健全な社会性が身につきやすくなります。
そこで一つの問題が生じます。伝染病予防の観点からは、生後4~5ヶ月まで他の犬との接触を避けるよう勧められますが、一方、犬が健全な社会性を身につけるためには、4ヶ月半までになるべく他の犬とのコミュニケーションをもつよう勧められるのです。
つまり、生後4ヶ月前後の犬が他の犬と接触することについて、正反対の意見が存在しているのです。ですので、この時期をどうするか、答えはそれぞのれ地域性、あるいはかかりつけの獣医師やドッグトレーナーの考え方によって異なりますので、しっかりと相談することが重要です。
デンタルトレーニングについて
犬の生後3か月は物事に慣れるために非常に重要な時期です。そこで飼い主様にぜひ取り組んでいただきたいことがあります。それは「歯ブラシを使ったデンタルトレーニング」です。
3歳以上の成犬の実に80%以上が、歯石や歯肉炎などの歯周病を持っていると言われています。また、一度歯周病になってしまうと、歯ブラシやあるいは無麻酔スケーリングでは治療できず、全身麻酔での処置が必要になってしまいます。
そのため、歯周病になってしまう前、つまり歯周病予防が非常に重要であり、その予防方法は、歯ブラシを使ったデンタルケアが唯一の方法となります(その他のデンタルガムやシートはあくまで補助的なグッズであり、歯ブラシに代わる歯周病予防にはなりません)。
しかし、多くの家庭では歯ブラシを使ったデンタルケアが実施できていません。そしてその理由のほとんどは「歯ブラシを犬が嫌がる」ためなのです。ですので、なんでも物事を上手に覚えられるこの時期に、正しいデンタルケアの方法を身につけていただければと思います。
生後6~7か月には不妊手術を考える
不妊手術を考えている場合は、この時期の実施を検討してください。不妊手術の目的はいくつかあり、不要な繁殖を避けることはもちろん、生殖器関係の病気を予防したり、性ホルモンが関係する問題行動を改善させるといった効果を望んで実施します。
特にメスの避妊手術については、初めての発情が来る前に実施すると、将来の乳腺腫瘍の発生率を下げることができると言われています。ほとんどのメス犬では最初の発情は生後7~9ヶ月くらいですから、病気予防という点では、その前の6~7ヶ月ごろに避妊手術を考えてあげることをおすすめします。
また、オスで多いマーキング行動や攻撃性といったものは、去勢手術で改善することが多いと言われています。しかし、マーキングは一度覚えてしまうと、たとえ去勢手術を行ってもマーキング行動が残ってしまうことが多いため、マーキングをしだす前の生後6~7ヶ月ごろに去勢手術を行うことが望ましいと考えられています。ちなみに欧米では早期不妊手術といって、生後2~3ヶ月ごろに不妊手術を実施するところもあるようです。
しかし、子犬の場合、やはり若ければ若いほど麻酔のリスクは高くなりますので、日本では早期不妊手術を行っている動物病院はほとんどありません。一方、不妊手術にあたっては、オスもメスも全身麻酔を行いますので、多少なりとも手術のリスクが生じます。ですので、不妊手術の実施にあたっては、かかりつけの獣医師とよく話し合って進めるようにしましょう。
適切な麻酔前の処置や検査、手術中のコントロールについてもリスクができるだけ小さくなるように日進月歩で改善されています。リスクはゼロにはなりませんが、不妊手術を行うメリットとリスクについて十分に検討して手術を実施するかどうかを決めましょう。ですので、不妊手術を実施するにあたっては、手術前の検査を実施しているかなど、医療的に信頼できる病院を選びましょう。
成年期:1歳~5歳
成犬を迎えるが、犬種によって時期の差はある
一般的に犬は年齢1歳を越えると大人になると考えられています。大人になると必要な栄養が変わりますので、普段の生活でもフードの見直しなどが必要になります。しかし、実はどの犬種でも1歳を越えると一斉に大人になるわけではなく、やはり犬種によって多少のばらつきがあります。
中には不適切な時期に成犬用のフードに切り替えてしまい、栄養学的な問題が生じてしまったケースもありますので注意が必要です。犬種の中でも大雑把に考えると、小型犬は早熟、大型犬は大人になるまで時間がかかると考えられています。
例えば、トイプードルやチワワといった小型犬の場合、8~9ヶ月前後で大人になると言われていますので、1歳になるまで子犬用のドックフードを使い続けると問題が生じることがあります。一般的に子犬用のドックフードは成犬用のものに比べて、カロリーが高く、またビタミンやミネラルなどが強化されているものがほとんどです。
フードの切り替えミスで犬は肥満になる
犬が大人の年齢になっても子犬用のフードを食べ続けることで、一番の問題となるのが「肥満」です。今では肥満は関節や心臓、皮膚といった部位に悪影響を及ぼすことがわかっており、また糖尿病やガンなどのリスクにもなりますので、決して「太っているからかわいい」というレベルでとらえてはいけません。これから10年以上、生活を共にしていく上で健康維持は非常に大切ですので、この時期のフードの切り替え期には注意が必要です。
さらに大型犬の場合は、1歳を過ぎてもまだ成長段階になることが多い為、この時期に急に成犬用フードに切り替えて栄養状態が変化すると、筋骨格に影響が出やすくなります。大型犬は小型犬に比べると、関節炎のリスクが高いため、この時期の筋骨格の成長は非常に重要です。一般的には大型犬は1歳半までは成長期だと考えられていますので、それまでは栄養管理や運動管理には注意が必要です。
いずれにしても、成犬用のフードへの切り替えは動物病院で相談しながら行うことをおすすめします。
健康診断を考えはじめましょう
健康診断は、多くの犬の飼い主さんが「もっと年齢を重ねてからでいいんじゃないの?」と考えていると思います。もちろん、若い時の方が病気になるリスクが少ないのですが、実は純血種には先天的な病気が隠れていることもあります。
また、若い時からの検査結果を残しておくことで、より精度の高い健康診断を行えるようになります。若いうちでも年に1回は健康診断を行いましょう。動物病院の中では、春のフィラリア検査時期に実施しているところも多いので、そういったものを利用するのもおすすめです。
老齢期:6歳以上
定期健康診断プログラムを見直そう
犬は年齢6歳を過ぎると老齢期に入ります。老齢期では一気に病気のリスクが高くなります。しかし、犬は病気の症状を本能的に隠してしまうので、見た目だけで病気を早期発見するのは難しく、実際に病院に来院されるケースのほとんどは、病気がかなり進んだ状態になってしまっています。
病気が進むと、当然治療も難しくなりますし、犬自身の負担も大きくなってしまいます。ですので、老齢期に入った犬は、積極的に健康診断を受けましょう。健康診断となると、中には「血液検査」だけ受けていれば大丈夫と考える飼い主様もいらっしゃいます。しかし、血液検査だけですべての状態を把握することは難しく、最低でもレントゲン検査や超音波検査、尿検査や糞便検査も必ず実施するようにしましょう。
また、犬種によっては老齢期にかかりやすい病気もありますし、甲状腺機能低下症といったホルモンの病気が隠れていることも多いので、健診時にはこれらの検査も合わせて受けることをおすすめします。
6歳以降は一気に病気の罹患率が高くなる
老齢期の動物は様々な病気に対するリスクが上昇します。しかもそのほとんどが慢性疾患であり、完治を目指すというよりは、悪化させずにかつ生活の質を保ちながら治療していくような病気がほとんどですので、うまく病気と付き合っていかなければなりません。
また、小型犬よりも寿命が短い大型犬では、不治の病の代表として知られる「がん」にかかるリスクもずっと高くなります。もちろん、病気にかかってしまったらとにかくしっかりと治療を進めていくことが大切なのですが、そうなる前に、日常生活に気をつけることで、健康状態を維持することは可能です。
特に食事管理、体重管理、運動管理に気をつけ、また日頃から体に問題がないかチェックするようにしましょう。
食事管理
まず食事管理ですが、老齢期にあたる年齢になると各臓器、特に腎臓の機能が低下することが多いため、それを考慮されたドックフードへの切り替えを検討しましょう。切り替え時期は、健診時の尿検査結果などをふまえ、かかりつけの先生と相談しながら決めてください。
体重管理
次に体重管理ですが、人間と同じく犬も年齢を重ねるほどダイエットが難しくなります。また肥満は心臓、関節、皮膚などに悪影響を与えますが、心臓や関節は老齢期に負担がかかる器官としても有名ですので、これからの時期は決して太らせないようにしましょう。
運動管理
運動管理では、体重管理のためにも適切な運動量は必要です。しかし関節に負担がかかりやすい老齢期の動物の場合、無理な運動は禁物です。階段の上り下りや、ソファの飛び乗り飛び降り、全力疾走などは過度に負担がかかることがありますので注意しましょう。また、「昔より散歩の量が減ったなあ」というような時は、無理をせず、犬が動ける量で止めるようにして、無理な運動はさせないようにしてください。
まとめ
いかがでしたか?飼い犬が人間年齢に換算すると今何歳なのか、普段からどんなことに気をつければより長生きするかなど書かせていただきました。犬は人間よりずっと早く歳を取ってしまいますが、飼い主が犬を大切に思い、犬に長生きしてほしいと思っている気持ちはきっと伝わっています。
犬の平均寿命は大体の目安として捉え、餌の工夫や年齢に合った運動量で健康に1日でも長く一緒に過ごせるよう、飼い主も勉強していきましょう。
ユーザーのコメント
20代 女性 まろん
30代 女性 ちっさー
10代 女性 ミント
30代 女性 咲々
うちは中型犬で今7歳です。という事は、48歳。いつのまにか、私たちの年を越えてしまいました…思い返せば、あんなに手を焼いていた甘噛みもいつのまにかなくなり、グイグイ引っぱってた散歩も同じ歩幅で歩く様になってたり、変わってきたなぁと思う事もたくさん。でも、たまに子供みたいにはしゃいだり、子犬の時の遊びをしたりするので精神年齢はそんなに変わってないのかもしれません(笑)
それでも、体の方は少しずつ老いていっているので、定期的な健康診断&食事に気をつけて過ごして行きたいと思います!
30代 女性 ななみ
30代 女性 joe
しかしながら、うちの犬はうなぎのぼりだった体力は4才頃から落ち着き、6歳にはめっきり大人しくなりました。
私は8歳からが老年期だと考えていたので、8歳を迎える前後から健康や食事のことに意識的に気を付けるようになってきました。
赤ちゃんで迎えた犬があっという間に老犬になっていきます。老犬といってもかわいいわが子であることに変わりありませんが、さまざまなシーンで衰えを感じると少し寂しい気持ちになります。
大きな病気や怪我をすることなく、穏やかに最期を迎えられるように、家族みんなで温かく見守っていってあげたいと思っています。
20代 女性 てとまる
40代 女性 SUSU
いつになったら落ち着くんだろう、と途方に暮れたこともありますが、5歳頃には落ち着いてきたかなと感じたように記憶しています。
個体差もあると思いますが、お友達ワンコを見ていても女の子の方が早く落ち着いているのかな?といった印象を持っています。この辺りは人間と同じなのかもしれません。
また、愛犬は7歳を過ぎた頃から少し頑固になってきた気がしています。
若い頃はお散歩中に吠えられたり喧嘩を売られても気にもしていない様子で通りすぎていましたが、だんだんと吠え返したり、怒りを表すようになりました。自分より身体が小さな犬種やパピーはスルーしていますが、同サイズ以降の犬種に対しては吠え返すようになりました。自分より若いのに生意気な!!といった感じでしょうか。
吠えることに対して注意をしても、以前のように反省したような表情というよりは、ふん!!と少し不貞腐れたような感情の方が近いのかなと思っています。
人間でも歳を取るにつれて頑固になると言われていますが、犬も同じなんですね。
以前であればしつけを見直さなければ!と躍起になっていたところですが、人間と同じように犬も歳を取る、歳を取れば出来ていたことが出来なくなったり、性格が少し変わったりするのも生きている証拠なのかなと思い、その変化をも楽しんで受け入れて行こうと思っています。
なお、シニア期に入ってからの身体の変化についてですが、去勢手術をしているということもあり、少し太りぎみなってきました。運動量が減って代謝が落ちてきたことが原因なのかなと思いますが、それまでと同じ量の内容のご飯とおやつでここまで増えるの?と驚いてしまいました。今はシニア用のフードに変更して落ち着いています。
我が家は朝はドライフード、夜は手作りご飯を与えていますが、夜の手作りご飯においてもシニア用に切り替えています。以前は鶏の手羽元やバラ肉を使用したご飯をパクパク食べて平気な顔をしていましたが、シニア期に入ってから量によって翌朝、嘔吐するようになってしまいました。焼いた物よりも煮込んでスープにした方が油分が溶け出しているのか吐く率が高いように思います。現在では、タンパク質を鶏モモ肉やムネ肉、豚モモ肉、ラム肉、青魚や白身魚といったあまり油分の高くない物を選ぶようにしています。
先日、動物病院で白内障のチェックをして頂きました。少し濁りが気になって検査をお願いしたのですが、年齢的な硬化は見られるが白内障に関しては問題なし、ちゃんと見えているとのことでした。先生いわく、トリミングサロンなどで濁ってきたから白内障では?と言われたとワンコを連れてくる飼い主さんが多いけど、検査をしない限りは正確な診断は分からない、実際は白内障ではない場合も多いんですとこぼされていました。
白内障にかかると人間と同じようにブルーベリーなどのルティン配合のサプリメントなどで進行を遅らせること以外は治療法はないとのことでした。
我が家にとって愛犬は宝物です。いない生活は考えられません。老化や年齢相応の症状と診断されると、パピーの頃から知っている飼い主としては何とも言えない切ない気持ちになってしまいますが、歳を取っても愛犬は愛犬、どんな老化も受け入れて向き合っていく強さを持っていないとと心に誓っています。
20代 女性 あめたま
更に10歳を境に瞳が濁り始め、以前のような綺麗な目ではなくなりつつあります。
愛犬が6ヶ月の頃にペットショップから連れて来ましたが、既に予防接種や初潮が始まっており、最も手が掛かる時期にコミュニケーションを取る事が出来ませんでした。
ですが、ワンちゃんが小さい時期は何かと気を遣わなければならない事が当時子供であった私には我慢出来ませんでした。
したがって、6ヶ月を過ぎてからワンちゃんを家族の一員に迎えた事は間違っていなかったと感じられました。
このように、ワンちゃんの月齢によってお迎えする事が難しい場合もあります。
自信を持って飼育出来ると言える月齢まではワンちゃんを飼わずに待つ事もノンストレスな生活を送るためには重要です。
女性 うっちー
女性 チーズケーキ
20代 女性 たろう