犬に漢方薬を与えるメリット
冒頭にも触れましたが、犬に漢方薬を使う事は、飼い主さんの間ではあまり浸透していないのが現状です。
しかし、一方では、ペットの漢方薬の専門動物病院が次々、開業されるなど、これからの「犬の漢方薬治療」に関心を持っている獣医師がたくさんいることも分かります。
『漢方薬は人間だけのもの。』と思っている方がいらっしゃれば、それはもう時代遅れかもしれません。
今後はさらに、漢方薬を処方する機会が増えて行く事が予想されます。
しかし漢方薬は市場に出回っている、犬用のお薬とどう違うのでしょうか?
漢方薬を使う事のメリットをご紹介していきます。
副作用が一般のお薬よりもはるかに少ない!
犬の身体の調子を治すために一般のお薬を使うと、どうしても副作用のリスクというものが発生してしまいます。
ご存知の様に、これは人間でも同じで、薬を飲むと『ダルくなる』、『眠くなる』といった症状がでてきますよね。
これは一般のお薬だとあらゆるところに効くように作られているので、色んなところを麻痺させてしまうのです・・。
一方で漢方薬を使用すると本来の身体のバランスを崩さず、悪いところを集中的に治すことができるので、副作用はほぼ皆無ということになります。効き目も穏やかなことから、急な体調の変化もほとんどみられません。個体差もあるため、効果が出るまで時間がかかることもあります。ですが、病気を治して終わる内服薬と違い、体質を改善していくことで健康な状態を長く維持できるのが漢方です。本来持ち合わせている自然治癒力を高めることも長く元気でいられる秘訣です。ゆっくりと確実に改善していくことはとても大事ですね。
長い歴史において、漢方の有効性が証明されているため、安心!
漢方はなんと、5~6世紀ごろには、すでに日本にあったとされています。
ということは、1500年ほどの歴史があるのですね。
その頃から日本では、漢方が親しまれており、副作用が少なく、優しく聞くところが魅力的だったようです。
それほどまでに、長い間、人々に愛されてきた漢方ですから、もちろん動物に聞かないわけがないですよね。そんな、安心して使用できるところも漢方の魅力のひとつではないでしょうか。
犬用漢方薬の種類と効果について
気になるところに効能がある、特定の生薬のみブレンドすれば、オーダーメイドで漢方を作成することができます。症状にもよりますが、大体一か月で1万円前後が多いようです。場所によっては問診した結果をデータに取り、症状別に細かく調合してもらえます。漢方は長く付き合うものだけに、その子だけのカルテを作って置いてもらえるのはとても助かりますね。
ただし、注意したいのは、もちろん専門の医師に作ってもらう事。
効能をピンポイントで決めることができるので、他の部分に負担がすくなく、効果が感じられるところが魅力です。
では、一般的に犬にはどんな漢方がいいのでしょうか?
葛根湯(かっこんとう)
この漢方は有名ですよね。
よく、CMなんかでもお見かけするのではないでしょうか。人間に親しまれている同漢方。実は犬にも効き目があるってご存知でしたか?
効能は人間と全く同じです。
風邪のひき始めや、耳の炎症等によくききます。
犬も風邪を引くんですよ~!
もし、風邪の症状が見られ始めたら、専門医に漢方を処方してもらってみてください。すぐ治りますよ。
小柴胡湯(しょうさいことう)
難しい名前ですよね。この漢方は慢性耳炎、肺炎、食欲不振にとてもよく効きます。
ちなみに私が飼っていた先代の愛犬も慢性耳炎に長い間悩まされていましたが、この漢方を使用して、すぐに効果があらわれましたよ。
また、副作用もなく、老犬だったのですが、食欲も回復して驚いたのを覚えています。
木防已湯(もくぼういとう)
こちらは気管支炎など気管支系の病気に良く効くようです。喘息を患っていたり、咳による、呼吸困難などの症状が見られ出したら一度検討してはいかがでしょうか。
私は使用したことがありませんが、友人の愛犬がこちらを使用して、3日ほどで咳がなくなったという話を聞きましたので、効く事は間違いないようです。
犬用漢方薬の効果を期待できるのはどんなワンコ?
では、漢方は一体どんな犬に向いているのでしょうか?下記に、まとめました。
慢性的な病気体質に悩まされている
慢性的な病気を患っていた場合、長い間一般のお薬を投与すると、効き目がだんだんなくなったり、副作用がきつかったりと犬にとって、あまりいい事ではありません。
漢方を治療の一環として取り上げている症状で多いものは、ガンなどの免疫系疾患、心臓を中心とした心機能、呼吸器疾患、アトピーなどの皮膚疾患です。
いずれも投薬治療が長かったり終わりのない治療です。内服薬を長く飲み続けることで起こる副作用、そして他の内臓への負担などが懸念されます。
老犬になると少しの負担が大きく命に係わる事態になりかねません。そんな時、漢方に置き換えられる内服薬を無くし、必要な内服薬と併用して漢方を活用することで、その負担も軽減させることができます。
繰り返しになりますが、体質を改善させるのが漢方です。別の病気で漢方を与えていたのに、消化器系が改善され食欲も戻り元気になった!なんて嬉しい誤算もあります。
もし、長い間一般のお薬に頼っている場合は、一度漢方も検討してみてはいかがでしょうか。
太り気味の犬
ダイエット中の愛犬にも漢方は有効のようです。
運動が一番ですが、
- 運動しても全く痩せない
- 太り過ぎの愛犬の健康が気になる
など肥満に悩まされているようでしたら、一度漢方の力を借りてみるのも悪くないと思います。
一般のお薬を使用すると副作用がひどい!
ひどく副作用が出てしまう愛犬にも、漢方はおすすめです。ほぼ皆無といっていいほど、副作用がないので、わんちゃんも安心して、飲むことができます。
漢方を試してみる前に
やはり病気によっては漢方へすすめる段階ではないこともあります。漢方を検討したい時は、まずはかかりつけの獣医さんに相談をすること。そして、漢方を処方してもらうところに専門の医師がいるかどうか調べておくことも大事です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。漢方は、人間だけでなく、犬にも優しく効くようです。
ただし、注意したいのは、勝手に市販で売ってるものを与えず、必ず専門のお医者さんのアドバイスのもと、処方してもらうことです。
最近では、漢方を専門とする動物病院も増えています。
少しでも気になるようでしたら、一度診察をうけてみてはいかがでしょうか?
これからの時代、わんちゃんの健康は漢方が握っているのかもしれません!
ユーザーのコメント
30代 女性 KEI
特に、一般薬の長い治療は副作用があるだけでなく、効き目も鈍くなるそうですので、ワンコにとって負担が大きく悪循環だと思います。
信頼できる獣医さんで適切な処方をしていただき、漢方をうまく活用出来たら良いと思いました。
40代 女性 まみ
抗生剤は副作用が心配なので、私も漢方を使っています。今のところ、愛犬に持病はありませんが、もし機会があれば試してみたいです。
ちなみに漢方と言えば、苦いイメージがありますが、飲みやすさはどうなのでしょうか?
30代 女性 チョコママ
私も妊娠中は薬が飲めないので漢方薬に助けられました。薬ほど強くなくても、体に優しい漢方薬なら副作用を心配しなくてもいいので、本当に良いなぁと思いました!
女性 雀3号
薬と違い、愛犬の体調や体重に合ったものを配合できるのは他にない優れた点だと思います。症状により色んな効能を合わせて一つにできるのも、飲ませやすくて管理もしやすいですね。
ペット業界における漢方薬による治療はまだ成長途中の段階です。
漢方薬に知識がある獣医さんがいないと、的確なものを処方してもらえない点だけ残念です。
これからどんどん長寿犬が増えてくると予想されるので、シニア、高齢犬にも負担がかからない治療として普及する日が近くなるといいですね。
40代 男性 ゾロ
実際、風邪のひきはじめのタイミングで葛根湯を飲んで助けられたこともある。
が、漢方薬に副作用はない(副作用はほとんどない)というイメージは否定したいと思う。
実際、古い情報で恐縮だが、1996年には漢方薬の副作用での死亡事件が起こっているのである。
「薬」とする以上、人によって合う合わないがあって当然であってしかるべきなのに
漢方薬の使用は自己判断に近い状態が多いのが実情であること。
(専門家に相談していたとしても、疾患を科学的に捉えているケースはごく稀)
また、瞑眩と言われる反応についても、この症状が治まれば大丈夫だと
副作用なのか治癒の過程に起こるものなのかを科学的に分析してもいないのに
漢方薬だから大丈夫と信じて飲み続ける悲劇があること。
人間の世界でもこれが実情であるのに、犬に与えることについては
信頼出来る医師や専門医の存在をはじめ
飼い主自身も様々な勉強、情報収集をした上で納得できるなら...が基本だと思う。
女性 ポムポム
女性 ドーナツ
素人判断では何事も危ないと思いますので(特に医療分野は)、重大な疾患を持っているわんちゃんだったら、獣医さんの中でも動物漢方に詳しい方がいらっしゃるはずですので専門の方の指示を仰いだ方がいいと思います。
女性 雲
また、副作用がほぼない、と書かれるくらい漢方薬の効果というのは穏やかです。1週間ほど服用して全く効果がない、とやめてしまうのは時期尚早かも。長期的に服用することを想定しておいた方が良いと思います。
また、未病と呼ばれるものに漢方薬での効果が期待されますが、病気を発症している場合は動物病院の医師に従って西洋医学の薬を服薬させた方が即効性があるはず。併用は思わぬ悪影響がある場合がありますので、必ず医師に相談した方がいいです。
ペットアロマも流行していますが、あれもじつは専門知識がないと危険だと聞きます。
愛犬の健康のためには、あれこれ手を出したくなってしまうのは私もそうなので分かりますが、何事も素人判断で飛びつくのは危ないと思いますので専門家のアドバイスをもらいましょう。