腎臓病の犬におやつを与えてもいい?
結果から言えば、腎臓病を患った犬におやつは絶対に与えてはダメ!という訳ではありません。
腎臓病は1回患ってしまうと、完全に治るのは難しい病気です。なので、犬がこの病気になってしまったら、病気が悪化しないように気をつけながら、少しでも楽しく飼い主さんと過ごせる日々を長くするのが目標になります。
ただでさえ、腎臓病の尿毒素の蓄積のせいで、食欲が落ちてしまっている愛犬に飼い主さんも、犬の食べる楽しみをできるだけ与えてあげたいと思っておられることでしょう。
大好きなおやつを少しでも、美味しく味わえれば、病気を持っていても、ワンちゃん達の心が満たされるかもしれないですね。
犬が腎臓病と診断されると、獣医師さんから「腎臓病用療養食」を処方されることが多いそうです。簡単に言うと、リン、タンパク質、ナトリウム(塩分)を減らした食事のことです。
この食事療法は、慢性腎不全の犬の数値の改善に、効果を上げています。ですから、犬が腎臓病のときにおやつを与える場合、このリン、タンパク質、ナトリウム(塩分)の3つに気をつけてあげれば、おやつを与えても良いと言えます。
腎臓病の犬におやつを与える際の注意点
腎臓病の犬には与えるおやつ、食べ物をよく選んであげてください。注意すべき栄養素は「リン、カリウム、タンパク質、ナトリウム」です。中でも「リン」の含有量には気を付けなければなりません。腎臓病になると、体外に出るはずの老廃物が、うまく排出されず体内に溜まっていきます。
この老廃物の1つ「リン」が体内の様々な臓器にダメージを与えてしまいます。「リン」は骨や歯、細胞を作り出す大切な栄養素ですが腎臓病になった犬にとっては、病気を悪化させる原因となります。実際、腎臓病になった犬に「リン」を制限した食事を与えたところ、制限なしの食事を与えた場合より、約3倍も長生きできたデータもあります。
「リン」が多く含まれている食材は、チーズ、魚、かつおぶし、のり、干しえびなどがあり、市販ジャーキーでも、鶏のササミに「リン」が多く含まれています。「リン」の含有量は、肉の部位によってかなり異なるため、ジャーキーを選ぶのであれば胸肉製がオススメです。その他にもチーズや魚にはリンだけでなく、タンパク質も豊富に含まれているので要注意です。
続いて「カリウム」にも気を配らなければなりません。「リン」同様、腎臓病を患うことで体外への排出が滞り、犬の体内に蓄積することで高カリウム血症を引き起こす恐れがあります。
カリウム制限で注意すべき食材の代表例として「さつまいも」が挙げられます。甘味があり食物繊維も豊富なことから、犬用おやつとして与えている飼い主さんも多いですが、さつまいもをはじめイモ類にはカリウムが多く含まれています。少量であれば食べさせても問題ないケースはありますが、基本的には与えない方が賢明といえます。
タンパク質は、体内で分解するときに、尿毒素(犬の場合尿素を肝臓で合成します)を発生させます。健康であれば尿毒素を排出しますが腎臓病の場合それができません。そのためタンパク質を多く含むおやつは避けることが大切です。
ナトリウム(塩分)を含むおやつを避けるべきなのは、言うまでもありません。人間が食べる煎餅や、パンなどは高塩分ですので、腎臓病でなくても犬には食べさせてはいけません。
腎臓病の犬も食べられる簡単手作りおやつレシピ
手作りで簡単にできる、鶏の胸肉を使ったジャーキーの作り方をご紹介します。チキンのジャーキーは、ササミですと、リンの含有量が多いので、鶏の胸肉を使います。もちろん味付けはしません。
鶏の胸肉のジャーキーの作り方
鶏の胸肉を3〜4ミリの厚さで、薄切りにします。(ちょっと叩いて平たくすると、焼きやすいです)
クッキングシートに並べ、170℃のオーブンで、じっくりこんがり焼きます。
水分が無くなるまで、焼けたらできあがりです。
腎臓病の犬も食べられる市販のおやつ
犬が腎臓病になってしまったら、市販のおやつを一切与えてはいけないのか?と疑問に思われるかもしれませんが、実はそうとも限りません。市販の犬用おやつの中にも、腎臓病に配慮された商品が多数販売されています。ここでは腎臓病の犬でも食べられるオススメおやつを3つ紹介します。
かぼちゃのビスケソフト
自然な甘みと栄養素を兼ね備えたかぼちゃを使用したビスケソフトです。タンパクが多い鶏肉・牛肉などの肉類を使用しておらず、腎臓への悪影響が懸念されるリン・カリウム・食塩も少ない仕様となっています。サクサクとした食感で割れやすいため、噛む力が衰えた高齢犬にもおすすめできる犬用腎ケアおやつとなります。
https://item.rakuten.co.jp/ashudog/tge-091031/腎ケアプラス
犬用おやつの定番であるクッキーを腎臓病に配慮して製造した商品です。腎臓ケア効果が期待されている「国産無農薬なた豆」と「クルクミン成分」が配合されており、砂糖・防腐剤・保存料を使用していない安心設計となっています。 オールステージ対応おやつでもあるため、腎臓病になる前から犬用おやつとして与える場合にもオススメできます。
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スッキリボーロは獣医師監修の下、犬の腎ケアに必要とされる成分を配合した機能性ボーロです。クランベリーエキスやL-アルギニン、L-オルニチンなど犬の健康維持へのサポートが期待されている成分が多数配合されています。小粒のボーロであるため、犬への給与量を調整しやすく低カロリーです。噛む力が弱い老犬でも食べやすい仕様であるため安心して与えられる犬用腎ケアおやつといえます。
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犬が腎臓病を患うと、リン、カリウム、タンパク質、ナトリウムなどの栄養素制限が必要になります。気にせず、おやつを与え続けると腎臓病を悪化させてしまうかもしれません。とはいえ、腎臓病だからと極端な食事制限をするのは、犬の楽しみを減らしてしまうだけでなく栄養失調を招く恐れもあります。
今回紹介した犬用おやつは、腎臓病の犬でも比較的少ない制限で与えられます。完全に与えないのではなく、適量を把握する、腎臓病に配慮された嗜好品を取り入れるなどの工夫が大切です。この記事を参考に少しでも飼い主さんと楽しい時間が過ごせるようになればと願います!ぜひ参考にしてみてくださいね。