犬はくるみを少量であれば食べても大丈夫!
お菓子などに入っているととても風味豊かなナッツの一種くるみ。味わい深く大好きな方も多いでしょう。
実際、くるみは少量であれば犬に与えても大丈夫な食べ物です。食べた場合に健康への効果はあるか、またもし与えるときには注意点があるかをまとめていきたいと思います。
人間用に味つけしたくるみや加工品は与えない
くるみはミックスナッツとして、または製菓材料として販売されています。よく見かけるものに薄く塩味がついているものがあります。おつまみとして食べる場合に美味しく食べられるように加工してあります。
犬の必要な塩分はドッグフードにしっかり含まれていますので、くるみに塩分が加えてあるものを犬に与えると塩分過多になってしまいます。
犬に与える場合は、必ず素焼きのくるみを選んでください。
くるみの栄養素が犬に与える効果
くるみを食べることによる効果について説明しますが、小さな体の犬にとって摂取量はほんの少量です。効果も参考程度にとらえておくと良いでしょう。
また、くるみの他にナッツ類(アーモンドなど)にも共通する内容ですので参考にしてみてください。
ポリフェノールで抗酸化作用
くるみには豊富なポリフェノールが含まれています。ポリフェノールには抗酸化作用があり、血管の老化を食い止めたり、生活習慣病の予防やさまざまな体のトラブルの予防に効果があります。
必須脂肪酸が含まれている
脂肪は摂りすぎると体に良くないことが多いのですが、この必須脂肪酸という成分は、アレルギーの抑制効果や血管の老化を阻止するという効果があるので、老化防止に役立ちます。
必須脂肪酸は体内で生成されることがなく、食品からとる必要があるのでくるみは効率よく摂取できる食品です。
食物繊維が豊富
食物繊維が豊富なので、少量であれば便通や腸の働きを良くして胃腸の調子を整えたりすることができます。
ただし、食べ過ぎると逆に悪影響を及ぼす恐れがありますので気をつけましょう。多量に摂取すると消化にも良くないので気を付けてください。
生くるみとローストの違い
生くるみは甘味があり食感も柔らかく、熱で効果が無くなってしまうビタミンも損なずに摂取することができます。一方でローストしたくるみは香ばしく食感もカリカリして美味しいでよね。
しかし、犬は食べ物を飲み込んでしまうことが多いので食感はあまり関係ないかもしれません。香りの違いはあるので、嗅覚の強い犬にはローストの方が好みかもしれません。
小さく刻んで食べさせる時でも生とローストの違いを考慮してみると良いでしょう。
生くるみはしっかりと下処理を
生のくるみには独特の灰汁のような渋みがあります。それを取り除いてあげることで犬も美味しく食べることができます。
殻付きの生くるみを与える際には、殻をむいたあとにしっかりと下処理をしましょう。殻を向いた後実の部分を取り出してから2時間ほど水につけておくと、生くるみ特有の渋みを抜くことができます。
犬が1日に食べてもいいくるみの目安量
犬はくるみを食べても問題はないのですが、たくさん食べても大丈夫ということではありません。
先述した通り、食べたことによる効果はある程度見込めますが、たくさん与えたからといって効果を十分に得られるわけではないので、与える量については注意が必要です。
では、与える量としてはどのぐらいが適正かをわかりやすく説明します。
〈おやつとして与える〉
主食から十分な栄養素を摂取し、あくまでも補助的に与えるのが基本ですので、目安としては1日の必要なエネルギー量の10%程度に抑えるというのが基本の考え方になります。
犬が食べても大丈夫な目安の量はどのくらいかを算出しました。くるみ一粒4gとして算出しました。5歳(避妊/去勢済み)の犬の1日に必要なカロリーを元に計算しています。
- 超小型犬(2~5kg未満)…半分~約1個
- 小型犬 (6kg~10kg)…1.5~2.5個
- 中型犬 (11kg~20kg)…2.5~4個
- 大型犬 (21kg~40kg)…4~6.5個
※くるみのカロリーは100gで約674kcal、一粒4gとしての参考値です
ほんのわずかしか食べてはいけないことがわかりますね。これ以上食べさせると体調を悪くする恐れがあるので、十分に注意が必要です。
食べ過ぎたときには、下痢や嘔吐の症状、肥満につながる恐れもあります。1日の摂取量の目安を気を付けることにくわえ、毎日与えずに数日に1回などにとどめてください。
与え方ですが本当に少しずつになるため、おやつであたえるというよりも、食事に少量混ぜたり振りかけたりするなどの方法が最適だと思います。
犬にくるみを与える時の注意点
くるみを与える際には与える量には十分注意が必要であることは先述しましたが、その他にも気を付ける点があります。
くるみの丸飲みを防ぐため細かく砕いてから犬に与える
くるみは硬くいびつな形をしています。丸のみしてしまった場合には喉を詰まらせる可能性がありますので気を付けてください。
与えるときだけではなく間違って床に落としたくるみを犬が食べることもあります。与えるときは、細かく砕いて喉を詰まらせないように工夫しましょう。
食後に消化不良やアレルギー症状が出ないかよく観察する
くるみを与えたときには、アレルギー症状がでないかの観察が数日必要です。もし、下痢、嘔吐、目のかゆみ、元気がないなどの症状がある場合には必ず動物病院を受診してください。
くるみは繊維質が多いので適量であれば便通を良くする効果も見込めますが、消化器官が弱っているときなどに与えると、逆に消化不良を起こす可能性もあります。
急な症状が出なくてもしっかりと観察をしておいてください。
肥満に注意する
脂質が多くカロリーが高いので与える量には十分気をつけてください。
美味しいのでもっともっと、とおねだりする犬も多いようですが、肥満防止のためにも与える目安の量は守りましょう。少しだけならと毎日与えることも控えた方が良いでしょう。
くるみの殻は与えてはいけない
くるみの殻は非常に硬く食べられるものではありません。意図的に殻を与える飼い主さんはいないとは思いますが、くるみを割った後の殻を間違えて飲み込むと危険です。殻の管理には注意してください。
くるみが含まれる食べ物にも注意が必要
飼い主さんが食べているくるみパンを欲しがるので与えた、などの場合も注意が必要です。
人間の食べ物は基本与えてはいけないですし、その中にくるみなどのナッツ類が含まれる場合にはカロリーも高く肥満の心配もあります。
子犬には与えない
子犬は消化器官が未発達です。くるみは消化にも悪いので子犬に与えるのは控えてください。与えいい年齢は、1歳を超えてからです。
もし与える場合は、必ず体調の良い日を選び、しっかり観察できるようなスケジュールのときに与えて、便などの様子を見られるようにしてくださいね。
まとめ
いかがでしたか?くるみを与えても大丈夫なんだ!と安心した飼い主さんも多かったとは思いますが、与える際には量に関してしっかり管理しないといけない食品であることはわかっていただけたでしょうか。
適量が少量でも、くるみを食べることによる効果もありますので、たまに食事に振りかけるなどして犬の食生活に取り入れることができればよいですよね。上手に犬の食生活に取り入れてみてください。