犬に砂糖を与えて大丈夫!でも注意が必要
犬は甘いものが大好きな子が多い
犬は、甘い・酸っぱい・苦い・しょっぱい、といった味覚がわかりますが、こと“甘味”には敏感な犬が多く、甘いサツマイモやカボチャ、リンゴは犬に大人気。
どうやら犬は甘党のようです。
そして、おもしろいことに猫は甘い食べ物を好みません。
犬にとって糖質は重要なエネルギー源
糖質(炭水化物)は、たんぱく質、脂質とともに生きていくのに必要な3大栄養素です。
砂糖だけではなく、ごはんやパンなどの穀類や、イモ類、果物に多く含まれます。
体内で消化された糖質は、小腸で吸収され、血液に乗って全身を巡り脳や筋肉のエネルギー源となります。
たんぱく質や脂質と比べて、糖質は速やかにエネルギー源として使用されます。
また、脳のエネルギー源となる唯一の栄養素であるということが特徴です。
犬が砂糖を摂りすぎるとどうなる?
糖が重要なエネルギー源だというのは説明しましたが、過剰に摂取した糖は厄介事を引き起こします。
エネルギー源として使いきれなかった糖は、筋肉内にグリコーゲンとして備蓄され、不足時に使用できるように待機します。
しかしその備蓄分を上回ってまだ糖が余ってしまったとなると、中性脂肪となって肝臓などに脂肪細胞として体内に蓄えられてしまいます。
これが“肥満”の原因です。
そして“肥満は万病の元”というのも人間と同じ。
つまり、過剰摂取は健康被害に繋がります。
愛犬の健康のためには、与える食材に、どの程度の糖が含まれていて、どのくらいの量を与えているかを知っておくことが大切です。
犬に砂糖を与える際の注意点
どのくらいの量なら与えても大丈夫?
ペットフードの栄養基準を公表している米国の団体、全米飼料検査官協会AAFCOでは、犬の糖質の摂取量の基準を公開していません。
人間について見解を示している世界保健機関(WHO)のガイドラインでは、肥満や虫歯を予防するためには、砂糖などの糖類を一日に摂取するカロリーの5%未満に抑えるべきだとあり、これは成人が1日あたり25g程度、小さじ6杯程度の量。
缶コーヒー(加糖)1本で超えてしまう厳しい数値となっています。
しかし厚生労働省では、「日本人において数値を算定できるほど十分な科学的根拠は得られていない」とし、科学的データがないため基準値が設定できないとしています。
犬だけではなく、人間についても明確な目標基準数値は示されていないようです。
人間と犬とでは必要な栄養素やそのバランスは異なりますが、つまり積極的に糖質を摂取する必要はなく、過剰摂取に気を付けないといけないということが言えそうです。
犬に必要な糖質の量とは?
犬にとって理想的な食事の栄養バランスは、大体50%がたんぱく質と脂質(肉類や魚、卵、豆など)、25%が糖質(イモ類・穀類・果物など)、残り25%が繊維質・ミネラル類(キャベツ・にんじん、ひじきなど)。
いつもの食事の全体量の4分の1を目安にしましょう。
それを超える糖質を多く含んだ食材の摂取は過剰だといえます。
砂糖(糖分)は犬に与えても中毒症状などを引き起こすような害はありませんが、長期に渡って与え過ぎた場合は肥満や糖尿病などの健康被害を引き起こしますので、きちんと食事で調整しましょう。
糖分が多く含まれる食材
糖質は1gあたり4kcalのエネルギーとなります。
砂糖、米や小麦などのでんぷん、イモ類や果物に多く含まれます。
(糖質量の参考)
- ごはん:茶碗1杯150gあたり55g
- 食パン:6枚切1切れあたり27g
- うどん:100gあたり21g
- サツマイモ:100gあたり29g
- ジャガイモ:100gあたり16g
- カボチャ:100gあたり18g
- りんご:1/2個100gあたり13.1g
- バナナ:1本100gあたり21.4g
肉類や魚、葉物野菜は糖質の含有量が少ないので、あまり気にしなくてもよいでしょう。
人工甘味料「キシリトール」は与えてはいけない!
虫歯予防やシュガーレスの食品に使用されることのある、人工甘味料のキシリトールは砂糖の一種です。
犬がキシリトールを摂取すると、インスリンの過剰分泌による低血糖状態となり重篤な事態となってしまいます。
体重1kgあたり0.1gのキシリトール摂取で症状が起きるという説もあります。
量や反応には個体差がありますが、キシリトールを使用したガムやタブレット、菓子類には注意を払ってください。
犬が砂糖を大量に食べたときの対処法
小さい犬が、大きなケーキを食べてしまったり、シュガーポットの砂糖を全て舐められてしまったりしたら。
砂糖は毒ではありませんので、落ち着いてまずは犬の様子をしっかりと観察してください。
- ワンちゃんの様子
- 食べてしまった量(ともの)
- 食べてしまった時刻
を把握しておきましょう。
急激に血糖値があがる危険がありますので、少しでも異変を感じたら早急に連絡獣医師に連絡し指示を仰いでください。
まとめ:工夫して与えれば健康維持に役立つ!
我が家では、苦い咳の薬をどうしても吐き出す愛犬に、練乳に粉薬を忍ばせて大成功。
咳が続いて食欲がなく、体力が心配だったのですが、きっと練乳に含まれる糖が功を奏したのでは、と考えています。
また、飲む点滴といわれる甘酒は、米由来のブドウ糖やオリゴ糖を含みます。
他にたくさんのビタミン類や必須アミノ酸など、発酵の過程で作られた栄養素が吸収されやすい形になっており、人間だけでなく闘病中や夏バテ中のワンちゃんや老犬におすすめの食材です。
摂りすぎはNGですが、身体に速やかに吸収され、いち早くエネルギー源となる糖は、上手に摂取して、ワンちゃんの健康生活に役立てていきたいですね。
余談ですが、ワンちゃんは砂糖が原因で虫歯になることはありません。
唾液中にアミラーゼ(消化酵素)がないため、でんぷんを糖に分解できず、口内に糖があることが少ないからだそう。
ユーザーのコメント
20代 女性 ましゅまろ
特に焼き芋は蒸されて甘くてほくほくで美味しいんですよね〜蜜入りならとくに。わんこたちも分かってるんですよねー。
我が家の食事は基本はカリカリのフードで日によりますが、手作りごはんをトッピングしてあげています。完全な手作りごはんは栄養面の偏りの心配や毎日は難しい点などを考えると、トッピングにしてあげる方が続くしそれで十分だと思ったからです。
なのでオヤツなどをあげなくても良いのですが、わんこにも楽しみや癒しやご褒美は必要と思ってますのでオヤツをあげています。
砂糖そのものや、砂糖が入ったものをあげることはほぼないですが、サツマイモにしろわんちゃん用のクッキーなどにしろ糖分は入っていますよね。なので一応与え過ぎないように量は決めています。
わんちゃん用のおやつを選ぶ際も使われている原材料などチェックし、自分が納得し安心してあげる事ができるものしかあげていません。
書かれているように甘いものをうまく使えば便利です。お薬を飲ませるときにマッシュしたサツマイモやカボチャでお薬を包んで食べさせたり、液体のお薬なら、すりおろしたりんごを混ぜたり。
我が家では誕生日とクリスマスの年2回はわんちゃん用のケーキを頼みます。この日だけはお腹を壊さない程度に様子を見ながらですが、ケーキを食べさせています。ケーキがあるのでその日のご飯の量など調節して減らしていますが、何事も適度にしてあげると良いと思います。
書かれていませんが、わんちゃんに甘酒を与える場合は酒粕を使ったものではなく、米麹を使ったのものをあげてくださいね。
酒粕を使っているものはアルコールが含まれているため、わんちゃんが飲んでしまうと危険です。
あま酒を選ぶ際は余計な物が入っていないシンプルなもので
原材料が、米 米麹 水 100% 無添加のノンアルコールを選ぶと良いです。
女性 燕