犬の手作りご飯でタンパク質(お肉)は必須食材
犬にとってタンパク質(お肉)は、生きていくために必要な栄養素です。みなさんが手作り食を作る際、タンパク質(お肉)の量はどのように計算して与えているでしょうか?
ドッグフードは、体重に合わせて適切な目安の量が書かれているので、その通りに与えれば問題ありません。犬は本来肉食の生き物ですから、タンパク質の量が重要な要素となってきます。
タンパク質が不足した場合には、免疫機能が低下し、皮膚のトラブルや、慢性の下痢、寄生虫に感染しやすくなります。逆にタンパク質の与えすぎは、腎臓に負担がかかり、肝臓の機能が低下しますので注意が必要です。
タンパク質の役割
タンパク質は体の生成や維持にとても大切な栄養素で、犬は人間の4倍以上を必要とします。愛犬の血や骨や筋肉、そして皮膚や被毛などもタンパク質で構成されています。
また、酵素もタンパク質から作られているので、丈夫な体に欠かせない免疫機能やホルモンの生成にも重要な役割を担っています。
犬の臓器の重さ
タンパク質は体重の大半以上を占めている重要な栄養素です。
- 筋肉…40~60%
- 骨…5~15%
- 皮膚被毛…10~15%
- 血液…6~8%
- 心臓…0.5~2%
- 脳…0.5%
- 肝臓…2~4%
犬が必要な1日のタンパク質量は?
1日に必要なたんぱく質の量は、子犬と成犬の場合では異なります。また、タンパク源を何にするかでも異なりますし、活動量などでも異なります。
今回は、鶏むね肉(皮なし)を使った場合の目安をご紹介します。
子犬(4か月~成犬)
1kgあたりタンパク質量として約9gが最低限の必要量です。鶏むね肉(皮なし)で換算すると最低量で約37g必要です。
この量より3倍程度の約108gまでは増量できますが、体重や体調を確認しながら調整してください。
成犬
避妊去勢を行っていない成犬の場合、1kgあたり約6.5gが最低限の必要量です。鶏むね肉(皮なし)で換算すると最低量で約27g必要です。
この量より5倍程度の約133gまでは増量できますが、体重や体調を確認しながら調整してください。
タンパク質を与える際の注意点
タンパク源を鶏むね肉(皮なし)で摂取した場合なので、他の材料が加わった場合は変わります。
また、肝疾患や腎疾患などを患っている場合はかかりつけの動物病院に相談してから与えるようにしましょう。
取り入れたい肉の量の目安
最低基準の1.5倍が目安
初めて手作り食を作る場合は、必要最低限のお肉の量の1.5倍くらいを目安に始めてみるのがお勧めです。
お肉の量に対して、調理した穀類(ごはん、オートミールなど)、野菜類は同量を上限として加えます。体重が減ってくるようならお肉を増加、体重が増えすぎるような穀類を減らします。
お肉と穀類と野菜の割合については専門家によっても色々な説があり、犬種や犬のライフスタイルによっても変わってきますので、獣医さんと相談した上で愛犬の様子をよく観察しながら調整してくださいね。
犬の体重から計算する
給餌方式のバランスを参考にする方法があります。例えば生食の代表とも言えるBARFダイエットでは、成犬の場合の給与量の目安を「犬の体重の2〜3%」としています。
その内訳は「肉70%、レバー5%、その他内臓肉5%、骨10%、野菜や果物10%」とされていますので、体重10kgの犬を例にすると、1日のトータルの給与量は200〜300g。肉は140〜210g、レバー10〜15g、その他内臓(鶏肉なら砂肝や心臓)10〜15gとなります。
どのような計算方法でも、必要最低限の量を下回ってしまうと体の様々な機能が低下してしまうので、このラインはしっかりと守らなくてはなりません。
与えすぎないように注意
タンパク質の摂りすぎは、腎臓や肝臓に疾患がある場合や大型犬の子犬には注意が必要です。
体重が急激に増えた場合、骨格や関節に負担がかかって正常な成長を妨げたり、将来の関節障害のリスクが高くなることもあります。
トッピングの種類と量について
せっかく健康を気にして手作り食にしても、バランスを考えずに与えていると逆に体調を崩すことになりかねません。主食にするなど与えすぎには注意し、主食のトッピングとして与えるようにしましょう。
カルシウム
子犬(4か月~成犬サイズになるまで)の場合、体重1㎏あたりカルシウムの最小量が420㎎、上限値が994㎎です。 成犬(避妊去勢行っていない)の場合、体重1㎏あたり最小量が126㎎、上限値が894㎎です。
与える量については、適切な栄養指導を受けることをお勧めします。食物から摂取しにくいカルシウムは、サプリメントで補うのが良いでしょう。
卵の殻1個分(ティースプーン1杯)で1800mgのカルシウムが摂取できるので、内側の薄皮を剥がして乾燥させてから、なめらかな粉状にすることで炭酸カルシウムとしてトッピングに利用することも可能です。
カルシウムというと乳製品というイメージがありますが、ヨーグルトなどはリンも含まれるため、肉を使ったカルシウム補給には適しません。その点、卵の殻のパウダーはカルシウムだけを含むので使いやすく重宝です。
カルシウムについてのこちらの記事などもご参照ください↓
脂質(オイル)
体内では合成することができないため、食事から摂取する必要があるものを必須脂肪酸と言います。
犬の必須脂肪酸は、オメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸で、この2つの脂肪酸のバランスが重要と言われています。
- オメガ6系とオメガ3系の理想的なバランスは5:1~10:1
オメガ6系とオメガ3系のバランスの取れたお勧めのオイル
- サーモンオイル
- 亜麻仁油(フラックスシードオイル)
特に最近注目されているのは、オメガ3脂肪酸の効果です。
- 免疫機能の向上
- アレルギーやアトピーの症状の緩和
- がん予防
- 血栓の解消(血液をサラサラにする)
- 皮膚や被毛の健康維持
- 脳や神経系の働きを助ける
オメガ3系のオイルは火を通すと酸化しやすいため、加熱せずに1日ティースプーン1杯程度をフードににかけてあげれば十分です。
いくら体に良いからといって、大量に摂取するのは禁物です。カロリーが高くなって肥満の原因になりますので注意してくださいね。
酵素の入っている食品やサプリ
- 生の食べ物:野菜、果物、生の肉など
- 発酵食品:納豆、ヨーグルトなど
- エンザイムなどのサプリメント
お肉や野菜を加熱すると「消化酵素」が無くなってしまい、体から消化酵素を持ってこなくてはなりません。
そのため「食物酵素」が入っている食べ物を一緒に摂取させるか、エンザイムという「消化酵素」のサプリメントをトッピングすることで免疫力がアップし、健康を維持することが可能です。
発酵食品や加熱されてない生の食べ物やの中には、それ自体を分解する酵素「食物酵素」が含まれていますので、酵素の働きにより消化を助けてくれます。
「食物酵素」を取り入れることで、体の「消化酵素」の使い過ぎを抑えるとともに、「代謝酵素」を増やしてくれることで免疫力がアップし、愛犬の健康を維持できるということです。
まとめ
見た目だけでなく、バランスの良いご飯が作れたら一番良いですよね。良質で最適なタンパク質(お肉)の量と、必要な栄養素(カルシウム・オメガ3脂肪酸)が入った健康的な食事メニューを考えてあげましょう。
さらに健康でいてもらうために、酵素も考慮してあげたら完璧です!愛情いっぱいで健康に考慮した食事なら愛犬も喜んで食べてくれると思います。
ユーザーのコメント
40代 女性 oomiya
愛犬はドッグフードの食いつきが悪く、一時手作り食に切り替えましたが、半年ほどすると被毛にツヤがなくなり、トリマーさんからも指摘されてしまいました。書籍を見ながらやっていたのですが、手作り食だとミネラル成分が不足しがちになってしまうようです。それ以来、手作り食とドッグフードを交互に朝晩与えるようにしています。ドッグフードだけだと食いつきが悪いので、朝はドッグフードを置きっぱなしにし、少しずつ食べているようです。夜に手作り食でお留守番のごほうびもかねて与えています。
女性 AME
30代 女性 まろんママ
女性 プール
30代 女性 匿名
飽くまでこうだろうと計算されているのがドライフードなだけで、
人間にこれだけ食べていれば絶対栄養完璧な食事ありますか?
ないのに、ドライフードでも手作りでも完璧は無理。
栄養学を学んでないお医者様も多いので、皆様惑わされないように。
ドライフードを与えるのであれば、必ず水分を沢山与えてください。