犬に玄米を与えても大丈夫
玄米は、十分に吸水させてからやわらかく炊いたものを、主食ではなくトッピングとして少量取り入れる範囲であれば、犬に与えることは可能です。
犬の栄養バランスは総合栄養食で整えるのが基本です。玄米は主食を置き換える目的ではなく、いつものフードに変化をつける補助的な食材として考えましょう。
与えるときは味付けをせず、油分や調味料、具材を加えないことが前提です。炊き上がりは指で簡単につぶせる程度までやわらかくし、必要に応じておかゆ状にして混ぜると食べやすくなります。
体調や持病、療法食の有無によって適否は変わるため、初めて試す場合や食事管理が必要な犬は、事前にかかりつけの獣医師に相談してください。
玄米に含まれる栄養素と犬への影響
玄米は白米に比べて、ぬか層や胚芽が残るぶん栄養素の種類が多いのが特徴です。ただし、栄養が多いことと「たくさん与えること」は別の話です。
ここでは、玄米に含まれる代表的な栄養素と、犬の体で期待できる働きを整理します。
食物繊維
玄米には食物繊維が含まれており、便のかさを増やして排便をサポートすることがあります。便通が安定しやすい犬もいますが、食物繊維は体質によって合う・合わないが出やすい成分です。
日頃の便の状態を見ながら、食事全体のバランスの中で捉えることが大切です。
ビタミンB1
ビタミンB1は、糖質をエネルギーとして利用する過程に関わる栄養素です。日々の活動でエネルギーを使う犬にとって、代謝を支える一要素になります。
玄米は複数の食材のひとつとして、栄養の選択肢を広げたいときに役立ちます。
ビタミンB6
ビタミンB6は、たんぱく質の代謝に関わり、体づくりやコンディション維持を支える栄養素です。
肉や魚など主なたんぱく源と組み合わせる食事設計の中で、補助的に摂れる成分として位置づけるとよいでしょう。
マグネシウム
マグネシウムは、骨や歯の形成、筋肉や神経の働きに関わるミネラルのひとつです。玄米はミネラルを含む食材ですが、犬の必要量は体格や食事内容で変わります。
栄養を補う意図で取り入れる場合でも、主食の代替として大量に使うのではなく、全体のバランスの中で考えるのが基本です。
カリウム
カリウムは体内の水分バランスや筋肉の働きに関わるミネラルで、日常の生理機能を支えています。
玄米に含まれる栄養素のひとつですが、特定の成分だけを狙って摂らせるより、普段の食事全体の設計の中で無理なく摂れる形が望ましいでしょう。
フィチン酸
玄米に含まれるフィチン酸は、ミネラルと結びつきやすい性質を持つ成分として知られています。
食材としての特徴を理解したうえで、玄米は「補助的に取り入れる食材」として扱うと、食事全体の設計がしやすくなります。
犬に与えてもいい玄米の量
玄米を与える場合は、主食としてではなく、あくまでトッピングとして少量にとどめることが基本です。
目安としては、1日の食事量や総カロリーの中でごく一部を占める程度に抑え、毎回同じ量を継続して与えないようにします。
下記は、十分にやわらかく炊いた玄米を与える場合の「1回あたり」の目安量です。実際には体格や活動量、普段の食事内容によって適量は前後するため、愛犬の様子を見ながら調整してください。
| 犬の体重 | 1回の目安量 |
|---|---|
| 〜4kg(小型犬) | 5〜10g(小さじ1〜2杯程度) |
| 5〜10kg(小型〜中型犬) | 10〜20g(大さじ1杯程度) |
| 11〜20kg(中型犬) | 20〜30g(大さじ1〜2杯程度) |
| 21kg以上(大型犬) | 30〜50g(大さじ2〜3杯程度) |
初めて与える場合は、表の目安よりもさらに少ない量から始め、便の状態や体調に変化がないかを確認しながら進めることが大切です。
量を増やす場合も、一度に増やさず、数回に分けて様子を見るようにしましょう。
犬に玄米を与える際の注意点
玄米は白米に比べて栄養を含む一方、与え方を誤ると犬の体に負担をかけることがあります。ここでは、玄米を取り入れる際に特に意識したいポイントを整理します。
硬い玄米は下痢や嘔吐の原因に
玄米は外皮(ぬか層)が硬く、十分にやわらかくなっていないと消化しにくい食材です。芯が残った状態や硬さがあるまま与えると、消化不良や下痢、嘔吐を起こす原因になることがあります。
人が食べるとき以上にしっかり加熱し、指で簡単につぶせるほどやわらかく仕上げることが前提です。
量が多いと便秘や軟便につながる
玄米は食物繊維を含むため、量が多くなると便がゆるくなったり、逆に出にくくなったりすることがあります。
体質によって影響が出やすい犬もいるため、少量でも便の状態に変化が出る場合は無理に続けない判断が必要です。
皮膚トラブルが出たらすぐ中止する
頻度は高くありませんが、犬の中には米に対してアレルギー反応を示すケースがあります。皮膚の赤みやかゆみ、耳をかく仕草、下痢などが見られた場合は、玄米を含む米類の給与を中止してください。
初めて与える際は、他の新しい食材と同時に試さず、原因を特定しやすい状況をつくることが大切です。
持病がある犬は自己判断で与えない
腎臓病や尿路結石、膵炎などで食事管理が必要な犬の場合、玄米に含まれる成分や炭水化物量が体調に影響する可能性があります。
また、糖尿病がある犬では、炭水化物の追加が血糖コントロールを悪化させる一因になることも考えられます。
療法食を食べている犬や持病がある場合は、自己判断で加えず、事前に獣医師へ相談してください。
玄米茶・パンなど加工品は与えない
玄米パンや玄米フレークなどの加工品は、塩分や糖分、油脂が加えられていることが多く、犬には向きません。玄米茶も一般的にカフェインを含むため、与えるべきではありません。
玄米を取り入れる場合は、味付けをしていない玄米そのものを調理したものに限定することが、安全面からも重要です。
まとめ
玄米は、十分に吸水させてからやわらかく炊いたものを、主食ではなくトッピングとして少量取り入れる範囲であれば犬に与えることができます。
硬さが残ると消化不良や下痢、嘔吐の原因になりやすく、与えすぎは便の乱れにつながるため量と頻度は控えめにしましょう。
米アレルギーが疑われる症状が出た場合は中止し、腎臓病や尿路結石、膵炎、糖尿病などで食事管理が必要な犬は自己判断で加えず獣医師に相談することが大切です。
加工品や味付きは避け、無理のない範囲で活用してください。



