犬はじゃがいもを食べても大丈夫?
犬は、じゃがいもを適切に調理すれば食べても問題ありません。
ただし、犬に与えるときは生のまま与えないこと、そして芽や緑色に変色した部分は必ず取り除くことが大切です。これらの部位には天然の毒素(ソラニン・チャコニン)が多く含まれることがあり、摂取すると体調を崩す原因になります。
与える際は、中心までしっかり加熱し、味付けはせず、小さくして与えましょう。加熱は毒素対策というより、消化しやすくしてお腹の負担を減らす目的でも重要です。
安全に食べられる状態を守れば、じゃがいもはフードのトッピングやおやつとして取り入れられます。心配な持病がある場合や、食後に嘔吐・下痢などの不調が見られた場合は、早めに獣医師に相談してください。
じゃがいもに含まれる栄養素と犬への影響
じゃがいもには、犬の体づくりや日々のコンディション維持に関わる栄養素が含まれています。ここでは代表的な成分を取り上げ、犬にとっての働きと、取り入れるうえで意識したいポイントを整理します。
でんぷん
でんぷんは体内でブドウ糖に分解され、活動のエネルギー源になります。食事のアクセントとして少量を取り入れることで、食べやすさの面で役立つ場合もあります。
カリウム
カリウムは体内の水分バランスや細胞の働きを支えるミネラルです。塩分(ナトリウム)とのバランスにも関わり、からだの調子を整えるうえで欠かせません。
ビタミンB6
ビタミンB6は、たんぱく質の代謝を助け、皮膚や被毛の健康維持を支える栄養素です。日々の食事全体の中で、栄養バランスを考える際の一要素になります。
ビタミンC
ビタミンCは抗酸化に関わる栄養素で、健康維持をサポートします。犬は体内で合成できる一方、状態によっては食事から補うことが無駄にならないケースもあります。
じゃがいもに含まれるビタミンCは、調理後も一定量が残りやすい点が特徴です。
食物繊維
食物繊維は腸内環境を整える働きがあり、便通のサポートにつながります。食事内容や体質によって合う・合わないが出やすい成分でもあるため、便の状態を見ながら調整する意識が大切です。
犬に与えてもいいじゃがいもの量
じゃがいもは主食ではなく、おやつやトッピングとして少量を与えるのが基本です。目安としては、1日の総摂取カロリーの10%以内に収めるよう意識すると、栄養バランスを崩しにくくなります。
犬の体格によって適量は大きく異なるため、以下は加熱後・可食部のみを想定した一般的な目安量です。初めて与える場合は、表の量よりも少ない量から様子を見てください。
| 犬のサイズ(体重) | 目安量(g) |
|---|---|
| 超小型犬(〜2kg前後) | 5〜10g |
| 小型犬(〜5kg前後) | 20〜30g |
| 中型犬(〜10kg前後) | 40〜60g |
| 大型犬(20kg以上) | 80〜120g |
この量は毎日与えることを前提としたものではありません。頻繁に与えすぎると、エネルギー過多による体重増加につながることがあります。日常的に与える場合は、フード量を調整しながら全体の摂取量を管理しましょう。
また、子犬や老犬は消化機能が未熟・低下していることがあるため、年齢や体調に応じてさらに控えめにすることが安心です。
犬へのじゃがいもの与え方
犬にじゃがいもを与える際は、「やわらかく・小さく・味付けしない」を基本に調理します。人の食事とは分けて考え、犬の消化や安全を最優先にしましょう。
下処理では、芽を根元からしっかり取り除き、皮は状態を確認しながら処理します。土や汚れも丁寧に洗い流してください。
加熱方法は、茹でる・蒸す・ふかす・電子レンジなど、いずれでも問題ありません。中心まで十分に火を通し、指で簡単につぶせる程度のやわらかさにします。芯が残ると消化の負担になるため、加熱ムラには注意が必要です。
加熱後は、喉に詰まらないよう細かく刻むか、マッシュ状にして与えます。油や塩、バター、マヨネーズなどの調味料は使わず、素材そのままで与えてください。
与え方としては、いつものドライフードや手作り食に少量を混ぜる方法が取り入れやすいでしょう。調理後すぐは熱くなっているため、人肌程度まで冷ましてから器に盛ります。
初めて与える場合は少量にとどめ、食後の便や体調に変化がないかを確認しながら、徐々に量を調整してください。
犬にじゃがいもを与える際の注意点
じゃがいもは正しく扱えば犬に与えられる食材ですが、下処理や体調への配慮を誤ると体に負担をかけるおそれがあります。ここでは、安全面と健康面の両方から、特に注意したいポイントを整理します。
芽と緑化部分は中毒リスクがある
じゃがいもの芽や、皮が緑色に変色した部分には、ソラニンやチャコニンと呼ばれる天然の毒素が多く含まれています。これらを摂取すると、嘔吐や下痢、元気消失などの体調不良を引き起こすおそれがあります。
加熱しても毒素が十分に減らないため、芽は根元から深く取り除き、緑色の部分は必ず切り捨てることが重要です。
生は消化不良の原因になる
生のじゃがいもに含まれるでんぷんは、犬にとって消化しにくい状態です。そのまま食べると、お腹を壊したり、下痢や嘔吐につながる可能性があります。
必ず中心までしっかり加熱し、やわらかくしてから与えることで、消化の負担を減らすことができます。
与えすぎは肥満につながる
じゃがいもは糖質が多く、少量でもエネルギー量が高めです。一度に多く与えたり、頻繁に続けたりすると、軟便や下痢の原因になるほか、体重増加につながることがあります。
おやつやトッピングとして少量にとどめ、主食の代わりとして与えないようにしましょう。
持病があると悪化する場合も
腎臓病などで食事管理が必要な犬では、じゃがいもに含まれる成分が体の負担になる場合があります。また、治療中の病気や療法食がある場合、食事内容の変更が影響することもあります。
持病がある犬や、投薬治療を受けている場合は、自己判断で与えず、事前に獣医師へ相談することが安心です。
味付き・油の多い加工品はNG
ポテトチップスやフライドポテト、コロッケなどの加工品には、油分や塩分、調味料が多く含まれています。これらは犬の体に大きな負担となり、消化不良や膵臓への負担につながるおそれがあります。
犬に与えるのは、味付けをしていない、家庭で調理したじゃがいものみに限定しましょう。
誤食したら早めに動物病院へ
芽や生のじゃがいもを誤って食べてしまった場合や、食後に異変が見られる場合は、早めに動物病院へ相談してください。
受診時には、食べた量や状態が分かると判断の助けになります。症状が軽そうに見えても、自己判断で様子を見続けないことが大切です。
犬はじゃがいも以外の芋類も食べていい?
じゃがいも以外にも、犬が食べられる芋類はいくつかあります。ただし、種類ごとに注意点が異なるため、「芋なら何でも安全」というわけではありません。
代表的な芋類としてさつまいもがあります。甘みがあり食いつきが良く、加熱して少量であればおやつやトッピングとして取り入れやすい食材です。一方で糖質が多いため、与えすぎには注意が必要です。
里芋や長芋(山芋)も、適切に処理すれば与えることは可能です。ただし、これらにはえぐみや刺激成分が含まれており、生のまま与えると口や消化管に不快感が出ることがあります。十分に加熱し、アク抜きを行ったうえで、少量にとどめることが基本です。
いずれの芋類でも共通して言えるのは、「生では与えない」「皮やえぐみのある部分を処理する」「味付けをしない」「主食にせず少量にとどめる」という点です。
初めて与える場合は、体調や便の状態に変化がないかを確認しながら進めましょう。
まとめ
犬にじゃがいもを与えることは可能ですが、安全に取り入れるためにはいくつかの重要なポイントがあります。必ず加熱し、生のまま与えないこと、芽や緑色に変色した部分を確実に取り除くことが大前提です。
これらの部位には中毒の原因となる成分が含まれるため、下処理は丁寧に行いましょう。
じゃがいもは炭水化物を中心に、日々の食事に変化を加えられる食材ですが、主食には向きません。おやつやトッピングとして少量にとどめ、与えすぎによる体重増加や消化不良に注意が必要です。
また、持病がある犬や療法食を与えている場合は、自己判断で取り入れず、獣医師に相談すると安心です。
正しい知識をもとに適切な量と与え方を守ることで、じゃがいもは愛犬との食事を楽しむ選択肢のひとつになります。



