犬にラム肉(羊肉)を食べさせても大丈夫?
犬はラム肉(羊肉)を食べても大丈夫です。ポイントは、加熱した精肉を少量にとどめ、主食の代わりではなくトッピングやおやつの範囲で取り入れることです。
ラム肉は犬用フードにも使われる身近な食材ですが、与え方を間違えると体調を崩すことがあります。特に、生肉や骨付き、味付けされた加工品は避け、まずはごく少量から試して便の状態や皮膚の様子に変化がないか確認しましょう。
持病がある犬や療法食を食べている犬、消化機能が落ちやすいシニア犬は、自己判断で追加せず、事前にかかりつけの獣医師へ相談すると安心です。
ラム肉(羊肉)に含まれる栄養素と犬への影響
ラム肉は、犬の体づくりや日々のコンディション維持に関わる栄養素を含む食材です。ここでは、ラム肉に多く含まれやすい代表的な栄養素と、犬の体での主な役割を整理します。
タンパク質
タンパク質は、筋肉や内臓、皮膚、被毛など体のあらゆる組織の材料になります。食事から十分に摂ることで、引き締まった体づくりや健康的な被毛の維持を支えます。
鉄
鉄は血液中の赤血球に関わり、全身へ酸素を運ぶ働きを支える栄養素です。犬の元気や日常的な活動を下支えするうえで欠かせません。
ビタミンB12
ビタミンB12は、赤血球の生成や神経の働きに関与するビタミンです。また、体内で栄養をうまく利用する過程にも関わるため、食事の土台を整える役割が期待できます。
ナイアシン
ナイアシンはビタミンB群の一種で、食事から摂った栄養素をエネルギーとして使うための代謝に関与します。活発に動く犬はもちろん、日々の体調管理にも役立つ栄養素です。
L-カルニチン
L-カルニチンはアミノ酸由来の成分で、脂肪酸がエネルギーとして利用される過程に関わります。体型管理を意識したい犬の食生活で、栄養面の選択肢のひとつになります。
犬に与えても良いラム肉(羊肉)の量
ラム肉は主食の代わりではなく、おやつ・トッピングの範囲で取り入れるのが基本です。目安として、ラム肉を含む「おやつ類」は1日の総摂取カロリーの10%以内に収めましょう。
脂身を除いた加熱ラム肉は、部位によって差はありますが100gあたりおよそ200〜250kcalが目安です。下の表は、このカロリー感を前提にした1日あたりの目安量(加熱後)です。
| 犬の体重 | 1日の目安量 (加熱後・脂身を除く) |
|---|---|
| 1〜2kg | 3〜10g |
| 3〜4kg | 8〜20g |
| 5〜7kg | 12〜30g |
| 8〜10kg | 18〜40g |
| 11〜15kg | 22〜55g |
| 16〜20kg | 30〜70g |
| 21〜30kg | 40〜90g |
| 31〜40kg | 50〜110g |
同じ日にほかのおやつを与える場合は、その分だけラム肉の量を減らして、合計が10%以内に収まるように調整してください。
犬にラム肉(羊肉)を与える際の注意点
ラム肉を安全に取り入れるには、「何を避けるべきか」と「体質に合うか」を先に押さえることが大切です。ここでは、ラム肉そのものの扱い方と、犬の体調面で気をつけたいポイントをまとめます。
生肉は避けて十分に加熱する
生のラム肉には、細菌や寄生虫が付着している可能性があります。体調不良を防ぐため、必ず中心部までしっかり火を通し、半生の状態では与えないようにしましょう。
骨は刺さる危険があるため与えない
骨は割れ方によって鋭利になりやすく、飲み込むと口腔や喉、食道、胃腸を傷つける原因になります。骨付きのラム肉は与えず、肉だけを取り分けて使ってください。
味付けは体に負担がかかるため避ける
人間用の味付け肉や加工品には、犬に有害なタマネギ・ニンニク由来成分が含まれることがあります。塩分や香辛料の摂りすぎも負担になりやすいため、必ず味付けなしのラム肉を選びましょう。
脂身はお腹を壊しやすいので取り除く
ラム肉は部位によって脂質が多く、犬によっては嘔吐や下痢のきっかけになります。脂身はできるだけ取り除き、量を増やす場合も少しずつ調整してください。
初回は少量でアレルギー反応を確認する
ラム肉は犬用フードにも使われますが、体質によっては合わないことがあります。初めて与えるときはごく少量にし、食後に皮膚のかゆみ、赤み、耳をかく、嘔吐、下痢などがないか確認しましょう。
持病のある犬は与える前に確認する
膵炎、腎臓病、肝臓病などで食事管理が必要な犬は、自己判断で追加せずに獣医師へ相談するのが安心です。治療内容や食事制限によっては、少量でも調整が必要になることがあります。
犬へのラム肉(羊肉)の与え方
ラム肉を食事に取り入れるときは、消化しやすさと食べやすさを優先すると失敗しにくくなります。ここでは、家庭で実践しやすい調理と出し方のコツをまとめます。
茹で調理で脂を落として食べやすくする
調理は油を使わない「茹でる」「蒸す」が基本です。中心までしっかり加熱しつつ、余分な脂が抜けやすいため、食べ慣れていない犬にも取り入れやすくなります。
ひと口大にして食べムラを減らす
ラム肉は加熱後に小さめにカットし、早食いしやすい犬にはさらに細かく刻んで与えましょう。ドライフードに混ぜる場合も全体に行き渡りやすく、トッピングだけを選り分けて食べるのを防ぎやすくなります。
フードに混ぜて食べ残しを減らす
初めて与えるときは、単品でたくさん出すよりも、普段のフードに少量を混ぜる方法が向いています。香りが立って食欲を後押ししやすく、食事の流れも崩れにくいのがメリットです。
茹で汁は香りづけに少量だけ使う
茹で汁(アクを取り除いたもの)は、フードに少量かけると香りづけになります。脂が浮いている場合は、冷まして表面に固まった脂を取り除いてから使うと安心です。
冷凍ストックで使い回しやすくする
一度にまとめて加熱し、1回分ずつ小分けして冷凍しておくと使い勝手が良くなります。解凍後は再加熱して温度を整え、食べやすい状態で与えてください。
まとめ
ラム肉は犬が食べられる食材で、良質なタンパク質や鉄、ビタミンB群、L-カルニチンなどを含み、日々の食事のトッピングとして取り入れやすいのが魅力です。
与えるときは必ず加熱し、味付け肉や加工品、骨付きは避けましょう。脂身はお腹を壊しやすい原因になるため、できるだけ取り除くのが安心です。
量はおやつ・トッピングの範囲にとどめ、1日の総摂取カロリーの10%以内を目安に調整してください。初めての場合は少量から始め、体質に合わない様子があれば中止して獣医師に相談しましょう。



