犬に鳥の骨を与えるのは危険!
鳥の骨は犬にとって魅力的ですが、安全面から与えることはおすすめできません。
特にフライドチキンや焼き鳥など加熱された骨は、硬くて脆くなり、犬が噛んだ際に鋭利に割れやすくなります。その結果、口や喉、消化管を傷つける危険性が高まり、重症化すると命に関わる可能性もあります。
また、生の鳥骨にも細菌感染や食中毒、寄生虫など衛生上の問題があり、決して安全とは言えません。愛犬の健康を守るため、鳥の骨は安易に与えないようにしましょう。
犬が鳥の骨を食べてしまったときの症状とリスク
愛犬が誤って鳥の骨を食べた場合、飼い主は落ち着いて犬の様子を観察する必要があります。骨の破片は消化管を傷つけたり、重大な症状を引き起こす可能性があります。
特に以下の症状が現れた場合は、すぐに適切な対応を取る必要があります。
骨が刺さることで起きる口内のケガ
骨の破片が口の中や食道に刺さることで、出血、口内の痛み、よだれの増加、口元を気にする様子などが見られる場合があります。
骨で腸閉塞や穿孔を起こす危険性
骨の破片が腸内で詰まる(腸閉塞)か腸壁を突き破る(腸穿孔)と、激しい嘔吐、食欲不振、お腹を痛がる、ぐったりするなど、重篤な症状が現れます。これは緊急の対応が必要な状態です。
骨片の詰まりによる窒息リスク
骨の破片が喉や気管に詰まると、咳き込みや呼吸困難を引き起こします。特に、呼吸が苦しそう、ゼーゼーと音がする、舌や歯茎の色が紫色になる(チアノーゼ)場合は窒息の危険があり、すぐに処置が必要です。
骨からの細菌感染による食中毒
生の鳥骨には細菌が付着している可能性があり、食べた後に嘔吐や下痢、発熱といった食中毒症状を起こす場合があります。特に子犬や高齢犬では症状が重くなるため注意が必要です。
犬が鳥の骨を食べてしまったときの対処法
愛犬が鳥の骨を食べてしまったとき、飼い主は慌てず、落ち着いて状況を確認することが重要です。まずは犬の状態を観察し、次のような適切な対応を行いましょう。
まずは犬を安静にして落ち着かせる
犬が興奮すると骨がさらに奥へ進む恐れがあるため、静かで落ち着ける環境に移動させ、安静に過ごさせましょう。無理に骨を取ろうと口を開ける行為は、かえって危険なので控えてください。
動物病院へ連絡し適切な指示を受ける
食べた骨の種類や大きさ、摂取した時間、犬種や年齢、体重などを整理し、動物病院に伝えます。犬に異変がなくても必ず指示を受けましょう。特に嘔吐や呼吸困難、ぐったりした様子があれば緊急の受診が必要です。
自己判断で吐かせる行為はかえって危険!
誤って骨を食べてしまった場合、無理に吐かせようとする行為はかえって骨が食道を傷つけたり、窒息の危険を高めたりするため絶対に避けましょう。また、人間用の薬などを与えるのも非常に危険です。
鳥の骨の代わりになるもの
鳥の骨は犬にとって魅力的に見えるため、欲しがる愛犬も多いでしょう。しかし、実際には危険が伴うため、安心して与えられる代替品を選んであげることが重要です。犬の本能的な咀嚼欲求を満たしつつ、安全面にも配慮した選択肢をご紹介します。
犬用ガムで噛む欲求を満たす
ペットショップや動物病院で販売されている骨型のガムやおやつは、犬が安全に咀嚼できるよう設計されています。犬の口の大きさに合わせたサイズを選び、飲み込みを防止するために飼い主が見守りながら与えましょう。
圧力調理した安全な手羽先
手羽先などの骨付き肉をどうしても与えたい場合は、圧力鍋で調理し、骨が指で簡単につぶれるほど柔らかくすることが必須です。
冷却後に再度硬くなることもあるため、食べる直前に再確認し、少しでも硬さが残っている場合は与えないようにします。
栄養は安全なフードやサプリで与える
カルシウム補給を目的に骨を与えたい場合は、犬用カルシウムサプリメントや総合栄養食のドッグフードが安全かつ確実です。これらを利用すれば骨を与えるリスクを完全に避けることができ、愛犬の健康維持にも役立ちます。
まとめ
犬に鳥の骨を与えることはおすすめできません。特に加熱調理した骨は脆く鋭利に割れやすく、口や消化管を傷つけたり、窒息や腸閉塞など深刻なトラブルを引き起こす恐れがあります。
万が一、誤って食べてしまった場合は、症状がなくても自己判断で対処せず、動物病院に連絡して指示を仰ぐことが重要です。また、骨を与えたい場合は、犬専用の安全なガムや圧力調理で骨を完全に柔らかくした手羽先などを選びましょう。
安全な代替品を活用し、愛犬の健康をしっかりと守ってあげてください。