犬にヤギミルクを与えても大丈夫?効果やメリット・デメリットを解説

犬にヤギミルクを与えても大丈夫?効果やメリット・デメリットを解説

犬にヤギミルクは与えて大丈夫?牛乳との違いや、下痢・アレルギーのリスク、尿路結石症・腎臓病時の注意点を解説。体重別の給与量目安や、シニア犬・食が細い犬へのメリット、おすすめの犬用ミルク3選も紹介。愛犬の健康を守る正しい与え方がわかります。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

犬にヤギミルクは与えても大丈夫?

空の食器の前で首を傾げながらヤギミルクを待つ犬

ヤギミルクは、多くの犬にとって少量であれば与えても差し支えない飲み物です。犬用として販売されている製品は、犬の体に配慮して作られているものが多く、初めての方でも選びやすいでしょう。

ただし、体質によっては乳製品が合わず、下痢や嘔吐、皮膚のかゆみなどが出ることがあります。はじめはごく少量から試し、便の状態や体調に変化がないかを確認してください。異変があればすぐに中止し、症状が続く場合は受診を検討しましょう。

人向けのヤギミルクを検討する場合は、製品によって中身が大きく異なる点に注意が必要です。加糖や香料が入ったもの、成分調整された飲料などもあるため、無糖・無添加であることや表示内容を確認したうえで、迷う場合は犬用を選ぶと安心です。

また、ヤギミルクにも乳糖は含まれるため、「ヤギなら必ずお腹を壊さない」とは言い切れません。牛乳より合う犬もいますが、乳糖不耐の程度によっては同様に下痢をすることがあります。乳製品で反応が出やすい犬は、特に慎重に様子を見てください。

持病がある犬(腎臓病、尿路結石、膵炎、糖尿病、肝臓病、炎症性腸疾患など)は、成分が負担になる場合があります。自己判断で続けず、かかりつけの獣医師に相談してから取り入れるようにしましょう。

犬がヤギミルクを飲むメリット

起きてすぐにヤギミルクを食器から飲む犬

ヤギミルクは、いつもの食事や飲水に「少し足す」形で取り入れやすい食品です。ここでは、与え方や量の話に踏み込みすぎず、日常で感じやすいメリットを整理します。

飲水量を増やすきっかけになる

水をあまり飲まない犬でも、香りや風味に興味を示して口を付けやすくなることがあります。ドライフード中心で水分が不足しがちな犬や、運動後・暑い時期などに、飲水の「きっかけ」として役立つ場合があります。

食いつきが良くなりやすい

食が細い犬や、環境の変化で食欲が落ちた犬でも、フードの香り立ちがよくなることで口に運びやすくなることがあります。トッピングとして少量を使うことで、食事の時間がスムーズになるケースもあります。

水分と一緒に栄養を補いやすい

固形物を食べにくい場面でも、液体として摂りやすいのが特徴です。水分と一緒にエネルギーや栄養を摂りやすくなるため、普段の食事に変化をつけたいときや、食事の工夫をしたいときに選択肢が増えます。

子犬・シニア犬でも取り入れやすい

噛む力が弱い犬や、食べるペースが落ちてきた犬でも、飲み物として取り入れやすい点はメリットです。食べること自体が負担になりがちな時期でも、口当たりのよさから受け入れやすいことがあります。

犬にヤギミルクを与えるデメリット

体重計の上に体を乗せている犬

ヤギミルクは取り入れやすい一方で、体質や与え方によってはトラブルの原因になることがあります。良い面だけで判断せず、起こりやすいデメリットを把握しておくことが大切です。

量によっては体重管理が難しくなる

ヤギミルクは栄養価が高く、少量でもエネルギーを摂取しやすい食品です。毎日たっぷり与えたり、フード量を調整せずに追加したりすると、摂取カロリーが増えて体重管理が難しくなることがあります。

体型維持が必要な犬ほど、量や頻度は控えめに考えましょう。

体質によっては下痢・嘔吐が出る

乳製品は犬によって相性が分かれます。ヤギミルクでも、急に量を増やしたり、一度に飲ませすぎたりすると、お腹がゆるくなる、吐くといった症状が出ることがあります。

初めてのときはごく少量から始め、体調を見ながら段階的に増やすことが重要です。

合わないと皮膚やお腹に症状が出る

「ヤギなら安心」とは限りません。乳タンパク質に反応する体質の犬では、皮膚をかく、赤みが出る、耳を気にする、下痢が続くなどの症状が現れることがあります。

過去に乳製品で不調が出たことがある犬は、特に慎重に様子を確認してください。

継続コストと準備が負担になりやすい

粉末タイプは溶かす手間があり、作った後は放置しないなど衛生面の配慮も必要です。液体タイプは手軽ですが、保管やコスト面で負担に感じることもあります。

生活スタイルに合わないと続けづらくなるため、「無理なく続けられる形かどうか」も含めて検討しましょう。

犬にとってヤギミルクが牛乳よりおすすめな理由

周りにヤギがいるテーブルに置かれた1杯のヤギミルク

牛乳は犬にとって身近な飲み物ですが、体質によってはお腹がゆるくなることがあります。ヤギミルクが選ばれやすいのは、同じ乳製品でも成分の性質が異なり、体に負担が出にくいとされる点があるためです。

胃腸が敏感でも取り入れやすい

ヤギミルクは脂肪の粒が小さめとされ、飲んだときの消化の負担が軽く感じられる犬がいます。消化器が敏感な犬では、牛乳よりも受け入れやすい場合があります。

乳糖の影響が出にくい場合がある

下痢の原因になりやすい乳糖は、ヤギミルクにも含まれますが、牛乳より合う犬がいるのは事実です。ただし、乳糖不耐の程度によってはヤギミルクでも下痢をすることがあるため、「必ず大丈夫」とは考えず、少量から様子を見ることが基本になります。

乳タンパクの違いで、反応が出にくい犬もいる

乳製品で気になるのが乳タンパク質による反応です。ヤギミルクは牛乳と比べてタンパク質の構成が異なり、牛乳より合う犬がいると言われています。

一方で、乳タンパク質に敏感な犬ではヤギミルクでも反応することがあるため、乳製品で不調が出やすい犬は慎重に判断しましょう。

余計な糖分や香料を避けやすい

人向けの牛乳飲料には、加糖や香料などが含まれる商品もあります。犬に与える前提なら、余計な味付けがないものを選ぶ必要がありますが、ヤギミルクは無糖・無添加を前提とした商品が多く、条件に合うものを見つけやすい傾向があります。

食事に混ぜやすく続けやすい

乳製品にはヨーグルトやチーズもありますが、製品によっては糖分や塩分が含まれることがあります。ヤギミルクは飲み物として使えるため、水分と一緒に取り入れやすく、食事に少量を混ぜるなど使い方の幅が広がります。

犬へのヤギミルクの与え方

粉末状のミルクをボウルからスプーンですくっている様子

ヤギミルクを安全に取り入れるためには、準備の仕方と与えるタイミングを押さえておくことが大切です。与え方を誤ると体調を崩す原因になるため、基本を確認しておきましょう。

粉末タイプの場合は、清潔な容器に規定量を入れ、ぬるめのお湯でしっかり溶かします。熱すぎると栄養が損なわれやすく、冷たすぎるとお腹を刺激することがあるため、体温よりやや低い程度が目安です。

与えるタイミングは、食事に少量かけるトッピングとして使ったり、水分補給を促したい場面で単体で与えたりします。日常の水の代わりに常飲させるのではなく、あくまで補助的に使う意識が重要です。

薬を飲ませる目的で混ぜたくなることもありますが、薬の種類によっては適さない場合があります。ミルクに混ぜてよいかどうかは、事前に確認したうえで判断してください。

作ったヤギミルクは保存せず、その都度飲める量だけ用意します。飲み残しは早めに片付け、容器は毎回洗浄して清潔を保つことで、雑菌の繁殖や体調不良を防ぎやすくなります。

犬に与えてもいいヤギミルクの量

食器から飲水している犬

ヤギミルクは主食ではなく、日々の食事に「少し足す」位置づけで取り入れるのが基本です。与えすぎを防ぐために、まずは少量から始め、体格や活動量に合わせて調整しましょう。

製品によって濃さやカロリーが異なるため、パッケージの目安量もあわせて確認してください。

犬の体重 1日の給与目安量(粉末換算)
超小型犬(3kg未満) 3〜5g
小型犬(3〜10kg) 5〜15g
中型犬(10〜25kg) 15〜30g
大型犬(25kg以上) 30g〜(製品表示と体格に合わせて調整)

初めて与える場合は、上記の目安よりも少なめ(たとえば半量程度)から試し、便の状態や食欲に変化がないかを見ながら増やすと安心です。

食事にトッピングする場合は、フードの量をその分だけ控えめにして、1日の総摂取量が増えすぎないように調整してください。

犬にヤギミルクを与える際の注意点

悲し気な表情で床に伏せている犬

ヤギミルクは取り入れやすい一方で、体質や健康状態によっては負担になることがあります。安全に続けるために、事前に押さえておきたいポイントを確認しましょう。

持病がある犬は事前に確認する

腎臓病では、食事管理の一環としてタンパク質やリン、カリウムなどの摂取量が調整されることがあります。ヤギミルクの成分がその管理に影響する可能性があるため、自己判断で追加するのは避けましょう。

また、尿路結石(ストルバイトやシュウ酸カルシウム)の既往がある犬では、食事内容によって再発リスクが変わる場合があります。膵炎や糖尿病、肝臓病、炎症性腸疾患(IBD)などを抱えている犬も、脂質や追加カロリー、乳糖由来の糖質が体調に影響することがあるため、与える前にかかりつけの獣医師に確認してください。

下痢・嘔吐が出たらいったん止める

初めて与えるときは、ごく少量から始めて便の状態や食欲、元気の有無を確認します。短時間で一気に飲ませたり、急に量を増やしたりすると、お腹がゆるくなる原因になりやすいので注意が必要です。

乳製品に敏感な犬では、下痢だけでなく、吐く、落ち着かない、口の周りを気にするなどの変化が出ることもあります。気になる症状が出た場合は、いったん中止して様子を見ましょう。

皮膚トラブルが出たら中止する

ヤギミルクでも乳タンパク質に反応する犬はいます。皮膚をしきりにかく、赤みが出る、耳を頻繁にかく、目の充血が見られるなどの変化があれば、アレルギーの可能性を考えて中止してください。

軽い症状に見えても、繰り返すと悪化することがあります。乳製品で不調が出た経験がある犬は、特に慎重に判断しましょう。

重い症状はすぐ病院へ

下痢や嘔吐が1日以上続く、回数が多い、ぐったりしている、食欲が戻らない、血便があるといった場合は、早めに受診を検討してください。子犬やシニア犬は体力が落ちやすいため、軽い症状でも悪化しないか注意深く見守ることが大切です。

犬用ヤギミルクの選び方

犬用食器にミルクを注ぐ飼い主とすぐに飲み始める犬

ヤギミルクは製品ごとに形状や成分が異なります。続けやすさだけでなく、愛犬の体質や目的に合っているかを基準に選ぶと失敗しにくくなります。

まず形状を決める(粉末・液体)

粉末(パウダー)タイプは保存性が高く、飲ませる量や濃さを調整しやすいのが特徴です。少量から試したい場合や、トッピング用途で使いたい場合にも向いています。

液体タイプは開封してすぐに与えられるため、準備の手間を減らしたい方に便利です。外出先や体調が気になるときなど、「すぐ与えたい」場面で使いやすい反面、保管方法やコストは事前に確認しておきましょう。

脂肪分を選ぶ(全脂・低脂肪)

全脂タイプは脂肪分を含むため、濃厚でエネルギーを摂りやすい傾向があります。少量でも満足感が出やすい一方、与え方によってはカロリーが増えやすい点を意識して選びましょう。

脱脂(低脂肪)タイプは脂肪分が抑えられており、体型維持を意識したい犬や、脂質を控えたい犬に合わせやすいのが特徴です。日常的に取り入れたい場合は、まず低脂肪から検討すると安心です。

表示を確認する(無糖・無添加)

原材料表示は必ず確認し、できるだけシンプルなものを選びましょう。目安としては「ヤギミルク100%」など、余計な原料が入っていない製品が選びやすいです。

犬に与える目的なら、加糖、香料、甘味料などが含まれる商品は避けるのが無難です。人向け製品を流用する場合も、同じ観点で表示を確認してください。

保管しやすさを見る(密閉・遮光)

ヤギミルクは風味が変わりやすいことがあるため、湿気や酸化を防げるパッケージが安心です。チャック付きや密閉容器に移し替えやすい形状だと、日常の管理がしやすくなります。

開封後の保管方法や使用期限は製品によって異なるため、パッケージの表示に従って保管し、品質が落ちる前に使い切る意識を持ちましょう。

おすすめの犬用ヤギミルク

屋外のテーブルに置かれたヤギミルクのピッチャーとグラス

犬用ヤギミルクは製品ごとに脂肪分や使いやすさが異なります。ここでは、日常使いしやすく、目的に応じて選びやすい代表的な商品を紹介します。

ミルク本舗「奇跡のヤギミルク」

濃厚な風味が特徴で、少量でも満足感を得やすい全脂タイプのヤギミルクです。香りが立ちやすいため、食欲が落ちている犬や、トッピングとして食いつきを高めたい場面で使いやすいのが魅力です。

粉末タイプで保存しやすく、濃さを調整できるため、初めは薄めから試すなど柔軟に使えます。栄養価が高めなので、与える量や頻度を調整しながら取り入れたい方に向いています。

ペットプロ「ロイヤルゴートミルク」

脂肪分を抑えた設計で、体型維持を意識したい犬にも取り入れやすいヤギミルクです。あっさりした飲み口で、毎日の食事に少量を加える用途にも使いやすい点が特徴です。

無理なく続けやすいバランスを重視したい場合や、ヤギミルクを初めて試す犬にも検討しやすい商品と言えるでしょう。

KPS「やさしいヤギミルク(低脂肪)」

低脂肪タイプで、胃腸への負担をできるだけ抑えたい犬を想定した商品です。粉末が細かく溶けやすいため、準備に手間がかかりにくく、忙しいときでも扱いやすいのが特徴です。

シニア犬や、脂質を控えたい犬の日常使いとして検討しやすく、「少量をこまめに取り入れたい」という使い方に向いています。

まとめ

満足そうに自分の口周りを舐めている犬

ヤギミルクは、少量を上手に取り入れることで、犬の食事や水分補給をサポートできる食品です。

牛乳に比べて体に合いやすい犬がいる一方で、すべての犬に安全というわけではなく、体質によっては下痢やアレルギー反応が出ることもあります。そのため、初めて与える際は必ず少量から試し、体調や便の状態を確認することが欠かせません。

また、栄養価が高い分、与えすぎると体重増加につながる点にも注意が必要です。持病がある犬や体調に不安がある場合は、自己判断で続けず、獣医師に相談したうえで取り入れましょう。

愛犬の状態に合わせて量や種類を選び、無理のない範囲で活用することが、ヤギミルクを安全に楽しむポイントです。

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