【獣医師監修】犬はキウイを食べても大丈夫?与える量の目安や注意点を分かりやすく解説

【獣医師監修】犬はキウイを食べても大丈夫?与える量の目安や注意点を分かりやすく解説

犬にキウイを与えても大丈夫?そんな疑問に答えます。犬への安全なキウイの与え方から、皮の処理、体重別の適量、アレルギーの注意点まで詳しく解説。正しい知識を知って、愛犬との食生活をもっと豊かにしましょう。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

犬はキウイを食べても大丈夫

正面を見つめながら口元を舌で舐めている犬

犬はキウイを食べても基本的に問題ありません。

一般的なグリーンキウイやゴールドキウイに犬が中毒を起こす成分は含まれていないため、通常は安心して与えることができます。

ただし、キウイ自体が犬に有害でないとしても、与え方や量、犬の体質によって注意すべきケースもあります。初めて与える場合は少量から試し、犬の体調や便の様子などをよく観察することが重要です。

キウイに含まれる栄養素

丸ごとと断面が見えているたくさんのキウイ

キウイには、ビタミンC、ビタミンE、食物繊維、カリウム、タンパク質分解酵素(アクチニジン)などの栄養素がバランスよく含まれています。

ビタミンCは抗酸化作用が強く、ビタミンEもまた同様に細胞の酸化を防ぐ働きが期待できます。豊富に含まれる食物繊維は腸内環境を整えるサポートとなり、カリウムは体内の余分なナトリウムの排出を助ける働きを持つ栄養素です。

また、アクチニジンはキウイ特有の酵素で、食べ物の消化を助ける働きがあります。

犬にキウイを与えるメリット

元気に芝生の上を走って遊ぶ2頭の犬

キウイには犬の健康を支える栄養素が豊富に含まれているため、適切な量を与えることでさまざまなメリットが期待できます。

日々の食事やおやつにキウイをうまく取り入れることで、愛犬の健康管理の一助となります。

食物繊維の働きで腸の調子を整える

キウイには食物繊維が豊富に含まれており、犬の腸内環境を整える効果が期待できます。便秘気味の犬に適量を与えることで、便通を改善し、お腹の調子をサポートします。

抗酸化作用で健康をサポート

キウイに含まれるビタミンCやビタミンEは抗酸化作用を持つため、体内の細胞を酸化ダメージから守り、犬の免疫力維持を助ける働きがあります。特にストレスを感じやすい犬や高齢の犬には適量の摂取が健康維持に役立ちます。

水分補給に役立つ

キウイは約83%が水分で構成されているため、特に夏場や運動後など、水分補給が必要なときのサポートとして適しています。

水を飲むのが苦手な犬への補助としても役立ちますが、あくまで補助としての役割であるため、常に新鮮な飲み水を与えることが基本です。

犬へのキウイの与え方

皮を剝いてカットしたキウイ

犬にキウイを与えるときには、まず皮を必ず取り除きましょう。キウイの皮は硬く消化しにくいほか、表面の細かい毛や農薬、ワックス、防カビ剤などが付着していることがあり、犬の健康に影響を及ぼす恐れがあります。

皮を取り除いた後、種が気になる場合は取り除いてください。また、犬が飲み込みやすい大きさにカットし、特に体が小さな犬や高齢で噛む力が弱い犬には細かく刻んだりペースト状に潰して与えると安全です。

初めて与える場合は少量ずつ様子を見ながら、犬の体調や反応をよく確認しましょう。

犬に与えてもいいキウイの量

飼い主に手から食べ物をもらっている犬

犬にキウイを与える際には、適切な量を守ることが重要です。犬に与えるおやつは、1日に必要なカロリー量の10%以内に収めることが理想です。

キウイのカロリーは約50kcal(100gあたり)であり、体重別の目安量は以下の通りです。

犬のサイズ(体重) キウイの量(目安)
超小型犬(~4kg) 小さじ1杯程度(約5g)
小型犬(~10kg) 小さじ2杯程度(約10g)
中型犬(~20kg) 大さじ1~2杯(15~30g/小サイズキウイ約1/4個)
大型犬(20kg~) 大さじ3杯程度(約45g/小サイズキウイ約1/2個)

この量はあくまで目安であり、犬の活動量や体調に応じて適宜調整してください。

特に初めて与える際はごく少量から試し、犬の体調や便の状態をよく観察しながら徐々に増やしていくことを推奨します。

また、キウイを与えた日はその分、主食であるドッグフードの量を微調整して、カロリー過多を防ぎましょう。

犬にキウイを与える際の注意点

診察台の上の愛犬を支えながら獣医師と話す飼い主

キウイは犬にとってメリットが多い果物ですが、与え方を誤ると健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

犬の健康状態や体質を十分に考慮し、安全に与えるためのポイントを押さえておきましょう。

アレルギー反応に注意して少量から与える

犬によってはキウイに含まれる成分に対し、口の周りのかゆみや発赤、下痢、嘔吐などのアレルギー症状を示すことがあります。

特に初めてキウイを与える際は少量から始め、与えた後は半日~1日ほど犬の様子をよく観察し、異常がないか確認してください。異常があればすぐに与えるのをやめ、動物病院へ相談しましょう。

持病がある犬は必ず獣医師へ相談

腎臓病や心疾患など、慢性的な病気を持つ犬では、キウイに含まれるカリウムや糖分が健康上のリスクになる場合があります。

特に利尿薬の使用や電解質管理が必要な疾患がある場合は、必ずかかりつけの獣医師に相談してから与えるようにしましょう。

キウイの与えすぎで下痢になることも

キウイは食物繊維や水分が多く含まれているため、一度に大量に与えると消化器官に負担がかかり、下痢や軟便の原因になることがあります。

推奨量を守り、犬の便の状態や健康状態に応じて与える量を調整してください。

加工品や甘味料入りキウイは避ける

キウイを加工したドライフルーツやジャム、ジュースなどの市販品には、糖分や添加物が多く含まれている場合があります。

また、人工甘味料キシリトールが使用されている加工品は犬にとって極めて危険です。犬にキウイを与える場合は、必ず新鮮な生のキウイを選びましょう。

まとめ

食器からフードを食べている犬

キウイは犬にとって基本的に安全な果物であり、ビタミンや食物繊維、カリウム、消化を助ける酵素などが含まれ、腸内環境の改善や免疫力の維持、水分補給のサポートに役立ちます。

しかし、初めて与える際はアレルギーの可能性があるため少量から始め、犬の様子を観察しましょう。また、皮を取り除き、小さく刻むなど犬が食べやすい工夫をする必要があります。

特に腎臓病や心疾患など持病のある犬は事前に獣医師への相談が必要です。適量を守り、新鮮な生のキウイを安全に楽しんでください。

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