犬はしめじを食べても大丈夫?
犬は加熱調理したしめじを食べても問題ありません。スーパーなどで販売されている一般的なしめじには、犬にとって有毒な成分が含まれていないため、安心して与えることができます。
ただし、生のしめじは消化不良を引き起こす可能性があるため必ず加熱する必要があります。また、しめじ自体に毒性はありませんが、個体差によっては消化が苦手な犬もいるため、初めて与える際は少量から試し、犬の体調を慎重に観察しましょう。
腎臓や心臓に持病がある場合や、食物アレルギーを持つ犬については、与える前に必ず獣医師に相談してください。
しめじに含まれる栄養素と犬への効果
しめじには犬の体に良いとされる成分が複数含まれており、適量を守って加熱調理したうえで与えることで健康維持のサポートになります。
ここでは、しめじに含まれる代表的な栄養素と、その栄養素が犬にどのような良い影響を与えるかを整理して解説します。
β-グルカン
しめじに多く含まれるβ-グルカンは水溶性食物繊維の一種で、体内の免疫細胞の働きを助けると考えられています。少量を食事に取り入れることで、犬本来の免疫力維持をサポートする可能性があります。
ビタミンB群
ビタミンB1・B2・ナイアシンなどのビタミンB群は、摂取した栄養素を効率的にエネルギーへ変換する役割を担います。特に活発な犬や運動量の多い犬にとって、代謝を助けることは日々の元気な生活につながります。
食物繊維
しめじには主に不溶性食物繊維が含まれ、水分を吸収して便のかさを増やし、腸の動きを活発にすることで便通をサポートします。また、β-グルカンのような水溶性食物繊維も含まれており、腸内の善玉菌を育てる働きが期待できます。
カリウムで
カリウムは余分なナトリウムを排出し、体内の水分・塩分バランスを調整する働きがあります。健康な犬では体調維持に役立ちますが、腎臓病など持病のある犬では過剰摂取が負担になることもあるため注意が必要です。
犬へのしめじの与え方
犬にしめじを安全に与えるには、鮮度が良く一般的なスーパーなどで販売されているものを選び、正しく調理する必要があります。
まず、しめじの根元にある固い石づきを切り落とし、犬が食べやすいよう5mm角程度に細かく刻みます。次に必ず加熱を行い、生の状態で与えることは避けてください。
調理法としては、沸騰したお湯で3~5分ほど茹でるか、蒸す方法がおすすめです。この際、塩分や油分はもちろん、玉ねぎやニンニク、めんつゆなど犬に有害な調味料やだし類は一切使わず、しめじのみをシンプルに調理します。
加熱後は粗熱を取り、水気を軽く絞り、人肌程度に冷ましてからドッグフードのトッピングやおやつとして与えます。はじめて与える場合は少量から始め、食後の犬の体調に異常がないかよく観察しましょう。
犬にしめじを与える適量の目安
犬にしめじを与える際は、あくまでもおやつやトッピングとして考え、1日の総摂取カロリーの10%以内を目安に、与えすぎないことが重要です。
しめじは低カロリーですが、食物繊維が多く含まれるため適量を守る必要があります。下記に犬の体重別の1日あたりの適量の上限目安を記載しましたので参考にしてください。
犬の体重 | 1日の摂取量の目安(加熱後) | 犬種の例 |
---|---|---|
超小型犬(~4kg) | 小さじ1/2杯程度(2〜3g) | チワワ、 ヨークシャー・テリア |
小型犬(~10kg) | 小さじ1杯程度(約5g) | トイプードル、 ミニチュア・ダックスフンド |
中型犬(~25kg) | 大さじ1杯程度(6〜7g) | ウェルシュ・コーギー、 フレンチ・ブルドッグ |
大型犬(25kg~) | 大さじ2杯程度(12〜14g) | ゴールデン・レトリバー、 ラブラドール・レトリバー |
上記はあくまで加熱後の重量での目安であり、刻み方や水分量などによって実際の重量は変動します。
初めてしめじを与える際は、この表の半量程度から始めて、犬の便や体調を確認しながら適宜調整してください。また、毎日与える必要はありません。週に2~3回程度を目安にすることをおすすめします。
犬にしめじを与える際の注意点
犬にしめじを与える際には、正しく調理したものを適量にとどめるだけでなく、犬の健康状態や個体差に応じて慎重に対応する必要があります。
特に初めてしめじを与える場合は、以下のポイントに十分気をつけてください。
与えすぎは消化不良の原因になる
しめじには多くの食物繊維が含まれるため、一度に大量に与えると犬の消化器官に負担がかかります。適量を超えて与えると、下痢や嘔吐、腹痛など消化不良を起こす可能性があります。
最初は少量からはじめ、犬の便や様子を観察して量を調整してください。
アレルギー反応が出る可能性がある
犬にも食物アレルギーがあります。しめじは比較的アレルギーが起きにくい食材ですが、ゼロではありません。
初めてしめじを与えた後は、皮膚の赤み、目の充血、体をかゆがる、顔の腫れなどの症状が出ないか注意深く観察しましょう。
もし、ぐったりしている、呼吸が荒い、顔が腫れるなどの症状が見られた場合は、アナフィラキシーの可能性があるためすぐに動物病院を受診してください。
病気や服薬中の犬は獣医師に必ず確認する
腎臓病や心臓病、内臓疾患を抱える犬にしめじを与える場合や、利尿薬・ACE阻害薬などの薬を服用中の場合は、事前に必ず獣医師に相談し許可を得てください。
しめじに含まれる栄養素が病気や薬の効果に影響を及ぼすことがあるため、自己判断は控えましょう。
野生きのこは絶対NG
安全なのはスーパーなどで市販されているしめじのみです。散歩中などに見かける野生のきのこは、有毒な可能性が高く非常に危険です。
万が一犬が野生きのこを口にしてしまった場合は、すぐに口の中に残ったものを取り除き、動物病院へ連絡してください。その際、きのこの写真があれば持参すると診察がスムーズになります。
まとめ
犬は加熱したしめじであれば食べても問題ありません。しめじにはβ-グルカンやビタミンB群、食物繊維、カリウムなど、犬の健康維持をサポートする栄養素が豊富に含まれています。
ただし、与える際は必ず細かく刻んでから加熱調理し、味付けはせずに適量に留めることが大切です。適量を超えると消化不良を起こす恐れがあり、腎臓病や心臓病などの持病がある場合や薬を服用中の犬では注意が必要です。
また、犬によってはアレルギー反応が起こる可能性があるため、初めて与える時は少量から始めて体調変化をよく観察しましょう。愛犬が安全にしめじの栄養を摂取できるよう、正しい与え方を守ることが重要です。