犬にきゅうりは大丈夫?与える量と正しい与え方、注意点も解説

犬にきゅうりは大丈夫?与える量と正しい与え方、注意点も解説

犬にきゅうりをあげても大丈夫?答えはOKです。ただし、与える量や切り方には注意が必要。この記事では、犬の体重別の適量、安全な与え方、皮や種の処理、アレルギーや腎臓病など持病の注意点まで詳しく解説します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

犬にきゅうりを与えても大丈夫?

飼い主が差し出すきゅうりのスライスを見上げる犬

犬にきゅうりを与えても問題ありません。きゅうりには犬にとって中毒となる成分は含まれておらず、ほとんどの犬にとって安全な食べ物です。

ただし、あくまでも「おやつ」や「補助的な水分補給」として適している野菜であり、主食の代わりにはなりません。また、犬の健康状態や持病によっては、注意すべき場合があります。

きゅうりは95~96%が水分でできており、暑い季節の水分補給にも役立ちます。さらに低カロリーなため、肥満気味の犬やカロリー管理が必要な犬のおやつとしても安心して与えられます。シャキシャキした食感を好む犬も多く、飼い主とのコミュニケーションとして取り入れることもできます。

ただし、犬にきゅうりを与える場合は、適切な量や与え方、注意点について十分な理解が必要です。

きゅうりに含まれる栄養素と犬への効果

カットされたきゅうり

きゅうりはほとんどが水分でできているため、犬にとっての主な栄養源とはなりませんが、水分補給や健康維持に役立つ栄養素がいくつか含まれています。

主に含まれる栄養素とその犬への具体的な影響や期待できる効果について解説します。

豊富な水分

きゅうりは約95〜96%が水分です。そのため、暑さや運動後など水分が不足しがちなときに、手軽に水分補給ができ、脱水予防に役立ちます。特に水を飲むのが苦手な犬や、高齢犬の水分摂取のサポートにも適しています。

カリウム

きゅうりには、カリウムが比較的多く含まれています。カリウムは体内の余分なナトリウム(塩分)を尿とともに排出する働きがあるため、体内の水分バランスを整え、血圧の安定をサポートします。ただし、持病のある犬は注意が必要です。

ビタミンK

きゅうりに含まれるビタミンKは、血液が正常に凝固するのを助ける働きがあります。また、カルシウムが骨に定着するのを助ける役割もあり、犬の骨の健康維持にも貢献します。

β-カロテン

きゅうりの皮には微量のβ-カロテンが含まれています。β-カロテンは抗酸化作用があり、体内でビタミンAに変換されると皮膚や粘膜、免疫機能を正常に保つのに役立つとされていますが、きゅうりに含まれる量は少ないため、実際の健康効果は限定的です。

犬にきゅうりを与える適量の目安

食器からフードを食べる犬

きゅうりは犬にとって安全ですが、おやつとして与える場合は、1日の総摂取カロリーの10%以内に収めることが基本です。適量を守ることで、主食の妨げにならず、体調不良のリスクも低くなります。

犬の体重別に、1日のきゅうりの摂取量の目安を以下にまとめました。

《体重別の適量目安一覧》
犬のサイズ 代表的な犬種 体重の目安 1日の摂取量の目安
超小型犬 チワワ、ヨークシャー・テリア 〜4kg 10〜15g(1/8本)
小型犬 トイ・プードル、ミニチュア・ダックスフンド 〜10kg 25g(1/4本)
中型犬 柴犬、ウェルシュ・コーギー 〜25kg未満 50g(1/2本)
大型犬 ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー 25kg以上 100g(1本)

上記はあくまで一般的な目安です。犬の体質や運動量、健康状態によって適切な量は異なるため、様子を見ながら調整してください。

子犬や老犬は消化器官の発達や機能が不十分なため、成犬よりもさらに少量(目安の半量以下)から始め、細かく刻んだり、すりおろしたりして消化を助ける工夫をしましょう。与えた後の便の状態を観察し、少しずつ量を調整してください。

犬にきゅうりを与える際の注意点

キッチンできゅうりを切る飼い主と見守る犬

犬にきゅうりを安全に楽しんでもらうためには、いくつか注意すべきポイントがあります。与え方や準備方法、犬の体調や健康状態に関する注意点を把握し、リスクを避けることが重要です。

以下で特に気をつけるべきポイントを解説します。

喉詰まり対策で小さく刻んで与える

犬に大きな塊やスティック状のままで与えると、早食いの犬や小型犬の場合、丸呑みして喉に詰まらせる恐れがあります。

そのため、薄い輪切りや5mm角程度の小さめに刻むなど、安全に食べられる大きさにして与えることが必要です。

皮やヘタは取り除く

きゅうりの皮には農薬が付着している可能性があります。与える前に流水でよく洗い、不安であれば皮をむいて与えるようにしましょう。

また、種は消化が苦手な犬もいるため、スプーンなどで取り除くと安心です。さらに、ヘタ部分は硬く消化しにくいため必ず取り除いてください。

ピクルスや漬物の加工品はNG

人間向けに味付けされたきゅうりの加工品(ピクルス、漬物、キムチなど)には塩分や糖分、香辛料が過剰に含まれており、犬の内臓や消化器官に負担をかけます。

また、中毒を引き起こす可能性のあるニンニクやタマネギ由来の香辛料が入っていることもあるため、絶対に与えないようにしましょう。

初回は少量から慎重に

初めて犬にきゅうりを与える際には、ごく少量(指先程度)から始め、数時間から1日は体調や便の状態に異常がないか注意深く観察します。

もし下痢や嘔吐、皮膚のかゆみや赤みなどのアレルギー症状が見られたらすぐに与えるのを止め、動物病院に相談しましょう。

持病のある犬は要相談

きゅうりに含まれるカリウムは、腎臓病や心臓病のある犬では病状を悪化させる恐れがあります。筋力低下、徐脈、不整脈といった高カリウム血症のリスクがあるため、持病がある犬には必ず事前に獣医師に相談してから与えるようにしましょう。

まとめ

目の前に差し出されたきゅうりのスライスを見つめる犬

きゅうりは犬に与えても問題ない野菜です。95~96%が水分で低カロリーのため、水分補給や肥満気味の犬のおやつとして活用できます。ただし、与える量は1日の総摂取カロリーの10%以内が目安です。

与える際は、喉詰まりを防ぐため小さく切り、皮や種、ヘタを取り除くことが大切です。また、人間用の漬物やピクルスなどの加工品は健康に害を与えるため避けてください。

初めての場合はごく少量から始め、犬の体調をよく観察しましょう。腎臓病や心臓病など持病がある犬は、事前に必ず獣医師に相談してください。

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