犬に干し芋を与えても大丈夫!
サツマイモは、甘くかみ心地が良いので好んで食べてくれる犬は多くいます。栄養価も高く、犬に与えるおやつやご飯のトッピングとして多くの飼い主さんが選んでいる食材の1つです。
干し芋は、そのサツマイモを蒸して乾燥させたもので、茹で芋、焼き芋よりモチモチとした食感と甘さが引き立ち、干し芋は少量でも犬に満腹感を持たせます。
犬に干し芋を与える場合は、適度な給与量を知って与えすぎに注意しましょう。
どんな干し芋を選んだら良いか
犬専用のオヤツとして、干し芋はたくさんの種類が売られています。基本的に犬用であれば、どの干し芋でも栄養や成分に大きな差はありません。
注意して見ておきたいのが、【原材料・保存料・香料】の記載です。基本的に干し芋は【サツマイモ】のみが原材料です。干し芋に不要な添加物が加えられていないかを確認しましょう。
干し芋が犬に人気がある理由は独特の歯ざわりです。干し芋は弾力があり、噛めば噛むほど甘みが広がります。犬用のおやつの干し芋は完全に乾燥させた固い物から、完全乾燥ではなく柔らかい物があります。
干し芋のどのような固さが良いかは、犬の歯の状態や口の大きさに合わせて選びましょう。ただし、柔らかい干し芋は水分量が多いので、カビが生えやすく消費期限が短くなります。
干し芋の栄養素や犬に与える時の健康効果
干し芋には、多くのビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素が含まれています。一度蒸しあげているので、犬が消化吸収しやすく、整腸作用の改善も期待できます。甘みが強いので、食欲不振でも食べてくれる犬は多いようです。干し芋は少量で犬に満腹感を与えるので、ダイエットや栄養補助にも活用できます。
ビタミンB1
ビタミンB1体内でのエネルギー代謝に必要な栄養素のひとつです。皮膚や粘膜を正常に保つためにも必要とされています。ビタミンB1が不足してしまうと歩行困難や筋力の低下が現れ、犬が疲れやすくなったりもします。
ビタミンE
ビタミンEは脂溶性ビタミンのひとつです。抗酸化作用を有しており、犬の体に害を与える活性酸素から細胞を保護する役割を担っています。ドッグフードの酸化防止剤として添加されることもあります。ビタミンEが不足すると筋力低下などの症状が懸念されます。
葉酸
葉酸は神経組織の形成に関わる栄養素のひとつで、ビタミンB9とも呼ばれます。元々、犬は体内で葉酸を生成できますが必要量を満たすためにはフードからも摂取した方が好ましいと考えられています。不足が特に懸念されるのは妊娠時で胎児の形成異常が不安視されます。
ビタミンC
ビタミンCは抗酸化作用を有したビタミンのひとつです。別名アスコルビン酸ともいい、ドッグフードにも含まれています。基本的に不足することは少ないですが、肝疾患を患っているときは必要量が増えるケースもあります。
カリウム
カリウムはミネラルのひとつです。体内の浸透圧を調整し、過剰となったナトリウム・塩分を体外に排出します。一般的なドッグフードを与えていれば、不足するケースは少ないです。ただし、下痢・嘔吐や食欲不振の際に低カリウム血症を起こすことはあります。 また、腎臓機能が弱っている犬だと、適切にカリウムを処理できず高カリウム血症を患うこともあるため注意が必要です。
食物繊維
食物繊維は人間同様、犬にも整腸作用があるといわれている栄養素です。食物繊維は腸内細菌の餌になる他、血糖値の上昇抑制などが期待されています。ただし、食物繊維は犬に必須な栄養素ではありません。そのため、無理に与える必要はなく摂取しすぎると下痢や便秘が悪化する可能性もあるためご注意ください。
犬に与えて良い干し芋の量
犬に干し芋を与える時には、与えすぎにならないように適度な給与量を知りましょう。
市販の犬のオヤツの干し芋は、形や薄さによって量が異なります。多くの場合、犬に与える1日の給与量は記載されていますので、犬の体重に合った干し芋の量を与えてください。
犬に、1日に与えられる干し芋給与量が記載されていない場合は、犬の普段のご飯の量から給与量を計ります。
- 1日のドライフード量が100gの場合(成犬):干し芋10~20gまで
- 1日のドライフード量が300gの場合(成犬):干し芋30~60gまで
おおよそ干し芋は、犬のドライフードの量の1割~2割までが適度な給与量です。生後1歳未満の子犬、7歳以上の高齢犬、超小型犬など、記載されている体重ごとの干し芋の給与量は、あくまでも目安です。
干し芋は食物繊維や糖脂質を多く含む食材のため、犬に便秘や下痢がおこりやすいので注意しましょう。
健康な成犬であっても、体質によっては干し芋の給与量が多すぎることがあります。犬に干し芋を与えた後、排便に異常がある場合には、与えるのをやめましょう。
犬に干し芋を与える際の注意点
下痢や便秘
干し芋の給与量が多すぎると、犬は下痢や便秘を起こしやすくなります。干し芋を与える給与量の目安はありますが、犬の個体差がありますので、犬の排便をチェックしてあげなければいけません。
糖質やカリウム
また、犬に毎日干し芋ばかりを与えていると肥満の原因になることもあります。干し芋は糖質、カリウムも多く含んでいるので、腎臓病、心臓病を患っている犬にとっては体への負担が大きくなることがあります。
高齢犬の場合、加齢とともに腎機能が低下していると、干し芋に含まれるカリウムを分解できないこともあります。
与える時は必ず細かく
犬に干し芋を与える際は、スティック状のものは慌てて飲み込まないよう注意しましょう。干し芋を長いまま飲み込んでしまうと、つまらせてしまう危険があります。
目を離さず、慌てて飲み込んでしまう犬は、干し芋を一口サイズにして与えるか、スティック状の干し芋は飼い主さんが手で持ちながら、少しずつ噛んで食べるようにして犬にあげましょう。
人間用の干し芋は与えても大丈夫?
人間用の干し芋には砂糖が使用されているもの、保存料、添加物が含まれているものもあります。犬にとっては不要なものなので、必ず確認して、干し芋を選ぶようにしましょう。
アレルギーに注意
犬に初めての食べ物を与えるときは、アレルギーに注意しましょう。少量ずつ干し芋を千切って与え、犬に異変が起きないかを観察します。サツマイモを原料とする干し芋により、アレルギー症状を起こす犬は多くありませんが、用心に越したことはありません。
万が一、干し芋を与えて目の充血・皮膚のかゆみなどのアレルギー症状が犬に現われた場合は、早めに動物病院を受診しましょう。
犬に干し芋を手作りする時のレシピ
犬のための干し芋の作り方
手作り干し芋材料
- さつまいも
手作り干し芋の作り方の手順
- サツマイモをよく洗います。
- 弱火から中火で20分~30分蒸かします。
- 中まで串や爪楊枝が通るのを確認できたら、5分ほど冷まします。
- 蒸しあがったサツマイモの皮をむき、好みの大きさにカットします。
※皮は剥いても剥かなくてもどちらでも大丈夫です。 - カットしたサツマイモ同士が、くっつかないように間隔をあけて並べて外に干します。両面を均等に裏返しながら干して、好みの固さになるまで2、3日続けます。
出来上がった干し芋は、柔らかく水分が多いほどカビが生えやすくなりますので、必ず冷蔵庫で保管します。
ちなみに表面に出てくる白い粉は、サツマイモに含まれる糖分なので心配ありません。干し芋はいつでも簡単にできるので、作り過ぎず、犬のおやつにも、早めに食べきれるようにしましょう。
犬用のおすすめ干し芋3選
流通している干し芋の中には、犬用に規格を調整された商品も販売されています。子犬や老犬でも食べやすいサイズや硬さになっていたり、与えやすいキューブ状になっていたりと様々です。ここでは、おすすめの犬用干し芋を紹介します。
茨城県産 紅はるか 干し芋
https://item.rakuten.co.jp/imokuniya/10000061/茨城県産のサツマイモを贅沢に使用した干し芋です。余分な添加物は一切加えられていない無添加おやつとなっています。素材となっているサツマイモそのものが十分甘いことから、砂糖も使用されていません。
購入された飼い主さんの中には犬と一緒に味見された方も多くいらっしゃり、人が食べても美味しかったと好評だったようです。
干し芋キューブ
https://item.rakuten.co.jp/greendog/wtgdgsc1-00/国産サツマイモで製造された干し芋を食べやすくキューブ状にカットした犬用おやつです。防腐剤などの添加物を加えられていない無添加仕様となっています。キューブ状となっていることから、与えるとき飼い主さんが細かく千切る手間がなく、大きいサイズのおやつを食べるのが苦手な犬にもオススメです。
ただし、通常の干し芋より若干硬めの食感に調整されているため、噛む力が弱いワンちゃんには様子を見ながら与えた方が良さそうです。
干し芋スティック
https://item.rakuten.co.jp/ashu/tge-090813/こちらも茨城県産のサツマイモを使用し製造された干し芋です。他の商品同様に無添加・砂糖不使用であるため安心して愛犬に与えられます。内容量が少なめで価格もリーズナブルであるため、はじめて愛犬に干し芋を与えるときのお試しとしてオススメです。硬さも比較的やわらかいため噛む力が弱い老犬や子犬も食べさせやすい商品です。
まとめ
食材の旨みと栄養が豊富な干し芋は、安心でシンプルな犬のオヤツです。給与量や排便の様子に注意すれば、健康管理にも役立つ犬が喜ぶオヤツになります。
人間用、犬用ともに、干し芋は原材料や保存料、調味料などを確認して、サツマイモだけのシンプルなものを選んで与えましょう。干し芋を犬のオヤツとして取り入れるのはおすすめですが、偏らないようにバランスよくいろいろな食材をオヤツとして選んであげましょう。
どんなに、干し芋などの良い食材であっても、それだけを与え続けることは犬の体にとって負担となることがあります。