犬にパセリを与えても大丈夫!
結論からお伝えするとパセリは犬に与えても大丈夫な食材です。
多くの飼い主さんが料理の彩りとして使うパセリですが、実は犬にとっても健康に役立つ栄養素が含まれています。
ただし、これはあくまで健康な犬に適量を与える場合の話です。与え方や量には注意が必要なため、正しい知識を持って愛犬の食事に取り入れましょう。
犬にパセリを与える際の適量
パセリを与える際は、少量に留めましょう。
パセリは犬の主食ではなく、あくまで食事のトッピングや風味付けとして補助的に使うものです。与えすぎは犬の体に負担をかける可能性があります。
目安としては、乾燥パセリならひとつまみ程度、生のパセリであれば細かく刻んだものを少量、普段のフードに振りかけるくらいが適切です。
特にトイプードルやチワワのような小型犬には、ほんの少しの量から始めるようにしてください。
初めて与える際は、ごく少量から試して、便の様子や体調に変化がないかを確認することが大切です。
パセリの栄養素と犬への健康効果
パセリには犬の健康維持に役立つ様々な栄養素が含まれています。犬に与える時には少量ずつのため、健康効果が確実に期待できるとは限りませんが、ここではパセリの主な栄養素と体に対する作用について解説します。
β-カロテン
β-カロテンは、体内でビタミンAに変換される栄養素です。ビタミンAは「目のビタミン」とも呼ばれ、目の健康維持に欠かせません。また、皮膚や粘膜を健康に保ち、体の抵抗力をサポートする働きも期待できます。
ビタミンK
ビタミンKは、血液が固まるのを助ける重要な役割を担っています。怪我をした際の止血に不可欠な栄養素であり、健康な体を維持するために必要です。また、骨の健康をサポートする働きもあります。
葉酸
葉酸はビタミンB群の一種で、赤血球の生産を助けることから「造血のビタミン」として知られています。細胞の分裂や成長に深く関わっており、犬の体を作る上で大切な栄養素です。
アピオール
アピオールはパセリ特有の香り成分です。この成分には、体内の余分な水分を排出するのを助ける働き、いわゆる利尿作用が期待できます。血行を促進する効果も見込めるため、体の巡りをサポートします。
クロロフィル
クロロフィルは、植物が光合成を行うために必要な緑色の色素成分です。葉緑素とも呼ばれます。この成分には、体の中から臭いを和らげる消臭効果が期待されており、口臭予防にも役立つと考えられています。
犬にパセリを食べさせる際の与え方
犬にパセリを与える際は、生のまま与える方法と、加熱して与える方法があります。
どちらの方法でも、犬が消化しやすいように細かく刻むことが基本です。
生のパセリは栄養素を損なわずに与えられますが、香りが強いため、好みが分かれるかもしれません。普段のドッグフードに少量振りかけて様子を見ると良いでしょう。
一方、加熱すると香りが和らぎ、消化しやすくなるという利点があります。手作りごはんの食材として一緒に煮込んだり、お肉と一緒に炒めたりする方法がおすすめです。ただし、ビタミンCなどの一部の栄養素は熱に弱いため、加熱時間には注意しましょう。
犬にパセリを与える際の注意点
パセリは健康に良い面もありますが、与える際にはいくつか注意すべき点があります。愛犬の健康状態を考慮して、安全に与えるようにしましょう。
おしっこ系のトラブルのある犬には与えない
パセリには「シュウ酸」という成分が含まれています。シュウ酸は、体内でカルシウムと結合するとシュウ酸カルシウム結石という尿路結石の原因になる可能性があります。
そのため、腎臓病や尿路結石の既往歴がある犬、腎機能が低下しているシニア犬などには、パセリを与えないようにしてください。
妊娠中の犬には与えない
パセリに含まれるアピオールという成分は、子宮を刺激する作用を持つ可能性があるとされています。
人間の場合、一度に大量に摂取せず、彩り程度に添えられたものを食べるのであれば流産などを引き起こすリスクはないと言われていますが、念のため妊娠中の犬にはパセリを与えないのが賢明です。
アレルギーに注意する
どのような食材でもアレルギー反応が起こる可能性はあります。パセリも例外ではありません。
初めて与える際は、ごく少量から始め、食後に皮膚を痒がる、下痢や嘔吐をするなどの症状が出ないか、注意深く観察してください。もし異常が見られた場合は、すぐに与えるのを中止し、獣医師に相談しましょう。
パセリは犬の口臭予防になる?
パセリは口臭予防に役立つ成分が豊富に含まれており、人間が食べた場合でも消臭効果のある食べ物として知られています。
同じく、犬に与えることで口臭予防が期待できる可能性があります。
パセリには、香り成分のアピオールと、緑色の色素成分であるクロロフィルによるものと考えられています。これらの成分が体の中から、また口の中の臭いを和らげる働きをしてくれるという説もあります。
ただし、これはあくまで一時的な食事由来の口臭や、軽い口臭に対するサポート的な役割です。歯周病や内臓疾患などが原因で発生している強い口臭を根本的に解決するものではありません。
愛犬の口臭がひどい場合や、長く続く場合は、まず動物病院を受診して原因を特定することが最も重要です。
まとめ
パセリは、β-カロテンやビタミンKなど犬の健康に役立つ栄養素を含む、与えても良いハーブです。細かく刻んでフードに少量トッピングすることで、栄養補助の効果が期待できます。
しかし、与えすぎは禁物であり、特に腎臓に疾患がある犬や妊娠中の犬には与えてはいけません。どのような食材にも言えることですが、愛犬の体調や体質をよく理解し、適量を守ることが大切です。
もし与えることに不安がある場合は、かかりつけの獣医師に相談してから判断するようにしましょう。