犬は鱈(たら)を食べても平気?
鱈(たら)は寒い冬が旬の白身魚です。魚偏に「雪」という字からつくられる鱈(たら)という名前は、雪が降る頃に脂が乗りおいしくなることや、加熱することで雪のように身が白くなることなどが由来になっていると言われています。
私たち飼い主は冬にお鍋などで鱈(たら)をおいしく頂く機会があると思いますが、犬も鱈(たら)を食べて問題ないのでしょうか?
結論から言うと、犬に鱈(たら)を与えることはOK!鱈(たら)は白身魚なので、じんましんなどアレルギー様症状を引き起こす原因となるヒスチジンの含有量が赤身魚や青魚に比べて非常に少ないのが特徴です。そのため、鱈(たら)はアレルギーを起こしにくい魚のひとつであり、人間の赤ちゃんの離乳食などにも利用されています。
また、脂質がとても少なく身が柔らかくほぐれやすいので、消化しやすいという特徴があります。そのため、子犬や老犬、病中病後の犬の食事に適しており、ダイエットや糖尿病などでカロリー制限をしている犬の食事にも利用されることが多くあります。
鱈(たら)の栄養素と犬への健康効果
鱈(たら)は低カロリーな食材として知られているように、切り身100gあたり約77kcal、脂質は100g中わずか0.2gとされています。たんぱく質を主成分としてビタミンやミネラル、アミノ酸などが含まれている白身魚です。ビタミンやミネラルの含有量はそれほど多くありませんが、ビタミンB12や葉酸、ビタミンD、カリウムなどは比較的多く含まれています。
ビタミンDは体内でカルシウムの吸収をサポートする働きがあるため、歯や骨を丈夫にします。ビタミン12は葉酸と力を合わせて造血作用を発揮するため、貧血予防や細胞増殖などに効果を発揮します。
カリウムには塩分などに含まれるナトリウムの排出を助けて血圧の上昇を抑える効果があります。また、アミノ酸の一種であるグルタチオンも含まれており、体内の酸化を抑える抗酸化作用があるので、ガン予防効果なども期待されています。
犬に鱈(たら)を食べさせるときの注意点
鱈(たら)は他の魚と比べて食べさせやすいものですが、より安全性を高めるためにいくつか注意しておきたいことがあります。
寒い時期の魚ではありますが、鱈(たら)は鮮度が落ちやすいので基本的に生食はせず、加熱して食べさせるようにします。アニサキスやニベリニアという寄生虫が付着していることもあるので、犬に与える前にはしっかりと身を確認した上で加熱調理してください。
身に透明感があってドリップが出ておらず、アンモニア臭がしないものほど鮮度が高いとされているため、購入時の参考にしましょう。また、スーパーなどでは塩鱈(たら)も多く販売されていますが、犬に与える場合はできるだけ生鱈(たら)を選ぶようにしてください。
鱈(たら)はアレルギーなどを起こしにくい魚ですが、初めて与えるときには念のため少量から始めるようにして、体調に変化がないか確認してください。
また、鱈(たら)は脂分が少ないためパサつきやすいので、のどに詰まらせてしまわないよう、細かくほぐしたり他の食材を混ぜ合わせたりしてあげるようにしましょう。
まとめ
鱈(たら)はアレルギーなどを起こしにくく胃腸に負担が少ないため、子犬や老犬を含め、どのような犬にも食べさせやすい食材のひとつです。
含まれている栄養素を見ても歯や骨を丈夫にするサポートをしたり、造血作用があったり、免疫力を高めたりと特に健康や体作りが大切な時期にも積極的に摂りたいたんぱく源となっています。旬の季節の新鮮な鱈(たら)をぜひ愛犬にもおすそ分けしてみてはいかがでしょうか?