犬に魚肉ソーセージを与えてはダメ
人間用の魚肉ソーセージは犬に与えるのは控えた方がよいでしょう。人間用に作られている魚肉ソーセージは、犬にとってはカロリーが高く塩分も多い食品です。
また、添加物も含まれているものが多いうえに、種類によっては犬の中毒を引き起こす玉ねぎなどが入っているものもあるためおすすめできません。犬に魚肉ソーセージを与えたい場合は、犬用に作られた商品を選びましょう。犬用のソーセージであれば塩分や成分も犬の体に合わせて作られていますので、与えても大丈夫でしょう。
魚肉ソーセージの成分量について
人間用の魚肉ソーセージにはどのような成分が入っているのでしょうか。魚肉ソーセージの成分量の一例をご紹介します。
商品によって内容量やカロリーには違いがありますが、1本70g~85gあたりのものが多く、カロリーは123kcal~132kcal程度となっています。成分量の割合としては塩分がおよそ2%、たんぱく質が10%、脂質が6.5%などとなっています。
使われている原材料は商品によって異なりますが、主に、たら、ひめじ、まぐろなどの魚肉や魚肉エキス、食塩、野菜エキスなどが含まれており、そのほかにも小麦タンパクなどの結着材料、香辛料、調味料なども含まれています。
このように人間用の魚肉ソーセージには、粘着材料、香辛料など人向きで本来の犬の食性ではない成分も含まれています。また、カロリーは体の小さい犬にとっては多いことが分かります。
犬にとって注意すべき魚肉ソーセージの塩分
塩分について
犬にとって塩分は必要なものではありますが、過剰摂取には注意が必要です。犬の場合、1日に必要な塩分量は体重1kgに対し0.24gと言われています。これは、体重5kgの犬であれば1.2gが1日に必要な摂取量ということです。
例えば、1.7gの塩分が入っている人間用の魚肉ソーセージを体重5kgの犬に与えた場合、1本でその日に摂取すべき塩分のほとんどを補ったことになります。主食のドッグフードにも塩分は含まれていますので、ドッグフードと魚肉ソーセージの両方を食べた犬は、塩分を過剰に摂取してしまうことになるのです。
塩分の摂り過ぎで起こる症状や疾患
犬が魚肉ソーセージを食べることで塩分を過剰摂取した場合、次のような症状や疾患が現れる危険性があります。
- 高血圧
- 糖尿病
- 腎臓病
- 心臓病
塩分を過剰摂取することで、血圧は上昇し心臓や腎臓に負担がかかりやすくなります。また腎臓や心臓に疾患がある犬に塩分を多く与えてしまうと、病気を進行させてしまう可能性があります。このように塩分は犬の健康に大きな影響を与えるので、摂取量には十分な配慮が必要です。
犬が魚肉ソーセージを食べることによる危険性
人間の魚肉ソーセージを犬が食べてしまったときに、塩分以外にも気をつけたいことがあります。どのような危険があるのでしょうか。
ビニールごと食べてしまう
ビニールで包装されている魚肉ソーセージを、犬がそのまま食べてしまったというケースがあります。ビニールが腸で詰まってしまった場合は、腸閉塞などを引き起こす可能性があるため大変危険です。ビニールはレントゲンには写りにくい材質なので、内視鏡検査が必要になり、最悪外科手術によって取り出さなければならなくなります。
犬がビニールごと魚肉ソーセージを食べてしまったら、まずは病院へ連れて行きましょう。「どの程度の量のビニールを食べてしまったのか」「いつ頃食べたのか」など詳細をきちんと病院で伝えることが大切です。
玉ねぎ中毒を起こす
玉ねぎが入った魚肉ソーセージには注意が必要です。玉ねぎは犬に与えると中毒症状を引き起こし、最悪な場合は死亡するケースもあります。魚肉ソーセージの成分表示に「玉ねぎ」と記載されているものは判断がしやすいのですが、中には「野菜エキス」などと表示がされているものに玉ねぎが使われていることもあります。
玉ねぎ中毒を引き起こすと、元気消失、ふらつき、呼吸が速くなる、下痢、嘔吐、痙攣、血尿などの症状が見られます。少量食べただけで症状が出る犬もいれば、数時間、数日後に出る可能性もあります。食べてしまった場合は早めに病院で診てもらいましょう。
犬用の魚肉ソーセージなら大丈夫!
犬用ソーセージの成分
魚肉ソーセージには犬専用のものも販売されています。商品によって違いはありますが、使われている原材料は、主に、えそ、いとよりだい、たらなどの魚肉のほか、とうもろこし、でん粉、砂糖、ラード、食塩、乳化剤、着色料(アナトー、パプリカ)などが含まれています。
犬専用の魚肉ソーセージは人間用のソーセージと比べてシンプルな成分でできており、添加物を使用していないものもあります。また犬の嗜好性を高めるためにチーズなどが入っていながらも、人間用の魚肉ソーセージと比べてカロリーも控えめに作られているものがほとんどです。
与え方
犬専用の魚肉ソーセージは与えても良いものですが、与えすぎには注意が必要です。魚肉ソーセージは1本ずつ個包装になっているため、1本を丸ごと与えてしまいがちです。適正量以上の魚肉ソーセージを与え続けると肥満に繋がるため、特に小型犬の飼い主さんは注意しましょう。必ず犬の個体にあった量を与えるようにしてください。
主食のフードに含まれている塩分とのバランスも考え、塩分過多にならないような与え方を心がけることも必要です。魚肉ソーセージを与える場合は、あくまでもおやつとして与えましょう。
まとめ
魚肉ソーセージは犬に与えてはいけない食品というわけではありませんが、人間用は塩分が多く、添加物なども含まれている可能性があるため、できるだけ与えない方が良いでしょう。
魚肉ソーセージが好きな犬には犬専用を与えることをおすすめします。魚肉ソーセージなどの嗜好品を与えるときには、愛犬に適した成分や塩分を意識して選ぶことが大切です。
犬が魚肉ソーセージは誤飲するケースが少なからずあります。愛犬が勝手に食べないように飼い主さんが責任をもって管理していきましょう。