【獣医師監修】ニューファンドランドってどんな犬種?特徴と性格や飼い方・価格相場まで解説

【獣医師監修】ニューファンドランドってどんな犬種?特徴と性格や飼い方・価格相場まで解説

ニューファンドランドの性格や大きさ、被毛・毛色の特徴、価格相場、飼い方を詳しく解説します。水難救助犬として活躍してきた歴史や似ている犬種との違い、ブリーダーの探し方、暑さ・抜け毛・よだれへの対策、運動やしつけのポイントも紹介。平均寿命やかかりやすい病気を含め、超大型犬を家族に迎える前に知っておきたい情報をまとめました。

SupervisorImage

記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

ニューファンドランドとは

雪原の上に座る2頭のニューファンドランド

  • 犬種名:ニューファンドランド(Newfoundland)
  • 愛称:ニューファン、ニューフィー
  • 原産国:カナダ
  • 大きさ:大型犬
  • 体高:オス 約71cm、メス 約66cm
  • 体重:オス 約68kg、メス 約54kg
  • 被毛:ダブルコート
  • 毛色:ブラック、ホワイト&ブラック、ブラウン
  • 性格:温和、愛情深い、忍耐強い、協調性がある
  • 寿命:8~10歳前後

ニューファンドランドは、カナダのニューファンドランド島を原産とする超大型の作業犬です。

英語では「Newfoundland」と表記され、愛好家の間では「ニューファン」や「ニューフィー」といった愛称でも親しまれています。

人と協力して働く犬として発展し、漁師の仕事を手伝うほか、海や湖での水難救助にも携わってきました。現在も家庭犬としてだけでなく、水難救助犬やセラピードッグなど、さまざまな場面で活躍しています。

日本では飼育頭数が少なく、一般的なペットショップで見かける機会は多くありません。

迎える際は、超大型犬を受け入れられる住環境や生活条件を事前に確認し、家族全員で長期的な飼育計画を立てることが大切です。

ニューファンドランドの性格

穏やかな表情で原っぱに伏せるニューファンドランド

ニューファンドランドは、温和で優しく、忍耐強い性格の犬種です。家族に対して愛情深く接しやすく、子どもやほかの犬とも穏やかな関係を築く傾向があります。

ただし、性格や相性には個体差があるため、触れ合う際は様子を見ながら接することが大切です。

見知らぬ人に対して強い攻撃性を示すことは少ないものの、周囲の変化や不審な気配に反応する場合があります。

無駄吠えは比較的少なめですが、家族との結びつきを重視するため、長時間の留守番を苦手とする個体もいます。

穏やかな印象が強い犬種ですが、体が大きいため、日常の何気ない動きが周囲への負担になることがあります。小さな子どもや小型犬と過ごす際は、大人が見守りながら安全に配慮しましょう。

ニューファンドランドの特徴

芝生の上で横向きに立っているニューファンドランド

ニューファンドランドは、がっしりとした骨格と発達した筋肉を持つ、力強く均整の取れた超大型犬です。

幅の広い頭部、小ぶりな垂れ耳、深い胸、太く力強い尾を備え、熊を思わせる堂々とした外見をしています。

水中での作業に適した体のつくりも大きな特徴です。足指の間には水をかきやすい皮膚が発達しており、太い尾は泳ぐ際に舵のような役割を果たします。

ニューファンドランドの大きさ

平均的な体高は、オスが約71cm、メスが約66cmです。平均体重はオスが約68kg、メスが約54kgとされ、犬種のなかでも特に大きな部類に入ります。

体高よりも体長がやや長く、胸幅と骨量のある重厚な体型が特徴です。個体によっては平均値を上回ることもあり、成犬になると人と並んでもひときわ大きな存在感があります。

ニューファンドランドの被毛タイプ

被毛は、適度な長さと硬さを持つ上毛と、やわらかく密生した下毛からなるダブルコートです。上毛には水を弾きやすい性質があり、冷たい水や寒さから体を守ります。

頭部や耳、口元の毛は比較的短く、脚の後ろ側には飾り毛が見られます。尾も豊かな毛に覆われていますが、巻き毛や開いたカール状の被毛は好ましい特徴とはされていません。

ニューファンドランドの毛色の種類

毛色は、ブラック、ホワイト&ブラック、ブラウンの3種類が基本です。

ブラックは代表的な毛色で、胸や足先、尾の先などに白い毛が入ることがあります。ブラウンは濃いチョコレート色からブロンズに近い色合いまで見られ、同様に部分的な白斑が入る場合があります。

ホワイト&ブラックは、白を基調に頭部や胴体へ黒い斑が入る毛色です。

「ランドシーア」と呼ばれることもありますが、ニューファンドランドの毛色として扱われるホワイト&ブラックと、独立した犬種として登録されるランドシーアは区別する必要があります。

ニューファンドランドの価格相場

首を傾げながら伏せているニューファンドランドの子犬

ニューファンドランドの子犬の価格相場は、35万~70万円前後が目安です。ただし、日本では繁殖頭数や販売例が少ないため、出産時期や販売状況によって相場が大きく変わることがあります。

実際の価格は、血統、月齢、性別、毛色、親犬の実績などによって異なります。

ワクチン接種や健康診断の費用が販売価格に含まれているかどうかも販売者ごとに異なるため、表示価格だけで判断せず、引き渡しまでに必要な総額を確認しましょう。

希少な毛色や優れた血統を理由に高額になる場合もありますが、価格の高さだけで健康状態や飼育環境の良し悪しを判断することはできません。

子犬の様子や親犬の健康状態、販売者の説明内容を確認したうえで検討することが大切です。

ニューファンドランドのブリーダーを探す方法

ニューファンドランドは一般的なペットショップで見かける機会が少ないため、専門ブリーダーや子犬販売サイトから探す方法が中心です。

まずは犬種名で検索し、現在子犬を販売しているブリーダーだけでなく、今後の出産予定や予約の受け付け状況も確認してみましょう。

気になるブリーダーが見つかったら、犬舎を見学できるか問い合わせます。見学時には、子犬だけでなく、可能であれば親犬の体格や性格、健康状態も確認してください。

犬舎が清潔に保たれているか、子犬が人や生活音に慣れるための経験を積んでいるかも重要な判断材料です。

健康面では、親犬に対して股関節や肘関節の検査、心臓の検査、シスチン尿症の遺伝子検査などが行われているかを尋ねましょう。

すべての病気を防げるわけではありませんが、検査結果や繁殖方針を分かりやすく説明してくれるブリーダーは、信頼性を判断するうえで参考になります。

また、子犬の健康診断やワクチン接種の記録、血統書の有無、引き渡し時期、契約内容、迎えた後の相談対応についても確認が必要です。

質問に十分答えない、見学を拒む、親犬を見せない、希少性を強調して即決を迫るといった場合は、慎重に判断してください。

すぐに子犬が見つからない場合は、複数のブリーダーへ問い合わせ、次回の出産予定を待つ方法もあります。迎えやすさや価格だけを優先せず、健康管理や飼育方針に納得できる相手を時間をかけて探しましょう。

ニューファンドランドの飼い方

飼い主になでられている2頭のニューファンドランド

ニューファンドランドと暮らすには、大きな体がゆったりと動ける室内空間と、滑りにくい床環境を整えることが大切です。

階段や段差が多い住まいでは、滑り止めマットやゲートを取り入れ、安全に移動できるようにしましょう。

寒さには比較的強い一方で、高温多湿の環境は苦手です。夏は気温や湿度に応じて冷房を使用し、涼しい室温を保ちます。散歩は早朝や夜間に行い、路面温度が高い時間帯は避けてください。

よだれや抜け毛、排泄物の量が多いため、洗える敷物や口元を拭くタオル、掃除しやすい床材を用意しておくと日々の負担を軽減できます。

通院や外出に備え、大型犬を安全に乗せられる車や利用可能な輸送手段も確認しておきましょう。

ニューファンドランドの運動量

成犬の運動は、毎日合計1時間程度の散歩をひとつの目安とし、年齢や体調、気温に合わせて調整します。一度に長時間歩かせるよりも、朝夕などに分けて無理のないペースで歩く方法が適しています。

散歩では距離だけを重視せず、においを嗅ぐ時間や、ボールを回収する遊び、知育玩具などを取り入れるとよいでしょう。

安全な環境での水遊びを好む個体もいますが、必ず飼い主が見守り、水温や流れ、出入りしやすい場所かどうかを確認してください。

成長期には、長時間のランニングや高い場所からのジャンプ、階段の頻繁な昇降などを控えます。肥満や運動不足を防ぎながら、発達中の体に過度な負担をかけないことが重要です。

ニューファンドランドのしつけ方

成犬になると力だけで安全に制御することが難しくなるため、子犬の頃から基本的なしつけを始めます。「待て」「おいで」「離して」などの指示に加え、飛びつきや強い引っ張りを防ぐ練習も欠かせません。

人やほかの犬、車、生活音、動物病院の雰囲気などに少しずつ慣れさせ、さまざまな状況でも落ち着いて行動できるように育てましょう。

全身を触られることや、口元や足先の手入れにも慣らしておくと、日常のお手入れや診察がしやすくなります。

しつけでは、力任せに抑えたり厳しく叱ったりするのではなく、できた行動を褒めながら教える方法が適しています。

家族の指示やルールを統一し、必要に応じて大型犬の指導経験があるトレーナーへ相談しましょう。

ニューファンドランドのケア方法

豊かな被毛を清潔に保つため、週に数回を目安に全身をブラッシングします。

換毛期は抜け毛が増えるため、毛の状態に合わせて回数を増やし、耳の後ろや脇、脚の付け根など、毛玉ができやすい部分を丁寧にとかしてください。

シャンプー後は、被毛の表面だけでなく皮膚の近くまで十分に乾かします。

毛が湿ったままの状態が続くと、蒸れや皮膚トラブルにつながる可能性があるため、体の大きさに合ったドライヤーなどを使い、乾き残しがないか確認しましょう。

耳や目、皮膚の状態は日頃から観察し、汚れや赤み、においなどの異変がある場合は早めに動物病院へ相談します。歯みがきや爪切り、足裏の毛の処理も定期的に行い、床で滑りにくい状態を保つことが大切です。

暑さ対策として被毛を極端に短く刈るのではなく、冷房による室温管理や散歩時間の調整を優先してください。

大型犬を受け入れられるトリミングサロンは限られるため、利用する場合は事前に対応の可否を確認しておきましょう。

ニューファンドランドの寿命と病気

まっすぐ前を見つめるニューファンドランドのアップ

ニューファンドランドの平均寿命は、8~10歳前後が目安です。超大型犬のため、小型犬や中型犬と比べると寿命は短い傾向がありますが、個体差もあります。

健康を維持するには、適正体重を保ち、年齢や体調に合った食事と運動を続けることが大切です。体重や歩き方、食欲、呼吸、排尿などの変化を日頃から観察し、定期的に健康診断を受けましょう。

年齢を重ねると立ち上がりや歩行が難しくなる場合があります。元気なうちから滑りにくい床を整え、介助用ハーネスや大型犬に対応できる通院手段を確認しておくと、老犬介護に備えやすくなります。

ニューファンドランドのかかりやすい病気

ニューファンドランドでは、骨や関節、心臓、尿路などの病気に注意が必要です。歩き方や呼吸、食欲、排尿の様子に異変が見られた場合は、早めに動物病院を受診してください。

股関節・肘関節形成不全

股関節や肘関節のかみ合わせや発達に異常が生じ、痛みや歩行障害を引き起こす病気です。立ち上がりを嫌がる、足をかばう、歩き方が不自然になるなどの症状が見られます。

遺伝的要因も関わるため、適正体重を保ち、成長期の過度な運動や滑りやすい床を避けることが、関節への負担軽減につながります。

大動脈弁下狭窄症

心臓から全身へ血液を送り出す通路が狭くなる先天性の心臓病です。軽症では症状が現れないこともありますが、重症になると疲れやすさ、運動を嫌がる様子、失神などが見られます。

心雑音を指摘された場合は心エコー検査などを受け、重症度に応じて経過観察や運動管理、投薬を行います。

シスチン尿症

尿中にシスチンというアミノ酸が多く排出され、尿路結石ができやすくなる遺伝性疾患です。血尿、頻尿、排尿時の痛み、尿が出にくいといった症状が現れます。

尿道が詰まると緊急治療が必要になるため、尿が出ない場合は直ちに受診してください。治療では食事管理や投薬、結石の除去などが状態に応じて検討されます。

胃拡張・胃捻転症候群

胃にガスや液体、食物がたまって膨らみ、さらに胃がねじれることで血流などが妨げられる緊急性の高い病気です。

吐こうとしても吐けない、お腹が張る、よだれが増える、落ち着きを失う、ぐったりするといった症状が見られた場合は、直ちに動物病院を受診してください。

食事を複数回に分け、早食いや食前後の激しい運動を避けることは、発症リスクを抑えるための対策になります。

ニューファンドランドに似た犬種

一緒に遊ぶニューファンドランドとランドシーア

ニューファンドランドは、豊かな被毛と大きな体、穏やかな雰囲気から、ランドシーアやグレート・ピレニーズ、セント・バーナード、バーニーズ・マウンテン・ドッグなどと比較されることがあります。

ランドシーアは、白地に黒い斑が入る外見がホワイト&ブラックのニューファンドランドとよく似ています。ただし、独立した犬種として扱われるランドシーアは、脚がやや長く、全体的にすっきりとした体つきが特徴です。

グレート・ピレニーズは、白く豊かな被毛を持つ超大型犬です。家畜を守る護畜犬として発達したため、ニューファンドランドよりも警戒心や独立心が表れやすい傾向があります。

セント・バーナードは、重厚な体つきと温和な印象が共通しています。ニューファンドランドが水中での作業を得意とするのに対し、セント・バーナードは山岳地帯での救助活動に適した犬として知られています。

バーニーズ・マウンテン・ドッグは、ブラック、ホワイト、茶色のトライカラーが特徴の大型犬です。ニューファンドランドよりもひと回り小柄で、農場での荷車引きや家畜追いなどに活躍してきました。

どの犬種も大きな体と豊かな被毛を持ちますが、本来の役割や行動傾向には違いがあります。見た目だけで判断せず、それぞれの性質を理解したうえで比較することが大切です。

ニューファンドランドの歴史

水の中を泳ぐニューファンドランド

ニューファンドランドの起源には諸説ありますが、カナダのニューファンドランド島にいた犬を基礎に、北欧やヨーロッパの漁師が持ち込んださまざまな犬が交わり、現在につながる犬種が形成されたと考えられています。17世紀初めには、すでに独自の姿と作業能力を備えていたとされています。

島では漁師の相棒として、海中に落ちた道具や漁網の回収、荷車や重い荷物の牽引、水難救助などを担ってきました。

厳しい寒さや荒れた海のなかで人と協力して働くことが求められ、漁業や沿岸地域の暮らしを支える重要な作業犬として重宝されていました。

18世紀後半になるとイギリスをはじめとするヨーロッパへ渡り、現地の愛好家や繁殖家によって犬種として整えられていきます。

19世紀にはドッグショーなどを通じて知名度が高まり、作業犬としてだけでなく、家庭で暮らす伴侶犬としても広く知られるようになりました。

まとめ

並んで座るニューファンドランドの親子

ニューファンドランドは、熊を思わせる堂々とした体つきと、温和で愛情深い性格を持つカナダ原産の超大型犬です。水中での作業に適した体のつくりを備え、かつては漁師の仕事や水難救助を支えてきました。

家族と穏やかな関係を築きやすい一方、成犬では体重が50kgを超えることもあり、広い生活空間や滑りにくい床、早期からのしつけが欠かせません。

暑さに弱く、豊かな被毛のブラッシングやよだれの清掃にも手間がかかります。また、食費や医療費、通院手段、老犬期の介助まで見据えた準備も必要です。

股関節・肘関節形成不全や心臓病、胃拡張・胃捻転症候群などにも注意し、日頃の観察と定期健診を心がけましょう。

見た目や優しい性格だけで判断せず、家族全員で飼育環境と費用を確認し、生涯にわたって責任を持てるか十分に検討してから迎えることが大切です。

はてな
LINE
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい