【獣医師監修】スパニッシュ・マスティフってどんな犬種?特徴と性格や飼い方・価格相場まで解説

【獣医師監修】スパニッシュ・マスティフってどんな犬種?特徴と性格や飼い方・価格相場まで解説

スペイン原産の超大型犬スパニッシュ・マスティフの特徴や性格、歴史、飼い方、価格相場を解説します。家畜を守ってきた護衛犬としての背景や、体の大きさ、被毛、毛色、運動量、しつけ、かかりやすい病気まで、迎える前に知っておきたい注意点をわかりやすく紹介します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

スパニッシュ・マスティフとは

芝生の上で座っているスパニッシュ・マスティフ

  • 犬種名:スパニッシュ・マスティフ(Spanish Mastiff)
  • 別名:スパニッシュマスチフ
  • 原産国:スペイン
  • 大きさ:大型犬
  • 体高:オス 77cm以上、メス 72cm以上
  • 体重:オス 70〜100kg前後、メス 50〜70kg前後
  • 被毛:密で中程度の長さのセミロングコート
  • 毛色:イエロー、フォーン、レッド、ブラック、ウルフカラー、ディアカラー、ブリンドル、パーティカラーなど
  • 性格:落ち着きがある、忠実、家族思い、警戒心が強い
  • 寿命:10年前後
  • 役割:護衛犬

スパニッシュ・マスティフは、スペインを原産地とする超大型犬です。古くから家畜を外敵から守る護衛犬として活躍してきた犬種で、堂々とした佇まいと落ち着いた雰囲気が大きな魅力です。

英語では「Spanish Mastiff」、スペイン語では「Mastín Español」と呼ばれます。日本では「スパニッシュ・マスティフ」のほか、「スパニッシュマスチフ」と表記されることもあります。

家族に対して深い愛情を示す一方で、見知らぬ人や外部の刺激には慎重に反応しやすい傾向があります。そのため、単に体が大きく迫力のある犬というだけでなく、護衛犬としての本能を理解したうえで向き合う必要があります。

日本の一般的な住環境で飼うには、広さや安全管理、周囲への配慮、飼育費用などを事前に十分確認しておくことが大切です。大型犬の扱いに慣れていない家庭では、迎える前に専門家へ相談することも検討した方がよいでしょう。

スパニッシュ・マスティフの歴史

羊のそばで伏せて護衛中のスパニッシュ・マスティフ

スパニッシュ・マスティフは、スペインの広大な牧草地で羊などの家畜を守る犬として発展してきました。移動しながら放牧を行う生活のなかで、家畜の群れに同行し、オオカミなどの外敵から群れを守る役割を担っていました。

人の指示を常に待つだけでなく、状況を見ながら自分で判断して行動する力が求められたため、強い独立心と冷静さが育まれてきたと考えられています。

また、家畜や家族と認めた存在を守る意識が強いのも、この歴史的な役割に由来します。現在でもその性質は受け継がれており、家庭犬として迎える場合にも、護衛犬としての背景を理解して接することが重要です。

見た目の迫力だけが注目されやすい犬種ですが、本来は人間の暮らしを支えながら、大切な群れを守ってきた実用犬です。その歴史を知ることで、性格や飼育上の注意点もより理解しやすくなります。

スパニッシュ・マスティフの性格

穏やかな表情で飼い主に寄り添うスパニッシュ・マスティフのアップ

スパニッシュ・マスティフは、落ち着きがあり、家族に対して深い愛情と忠誠心を示す犬種です。家庭内では穏やかに過ごせる個体も多く、信頼関係を築いた相手には非常に頼もしい存在になります。

一方で、見知らぬ人や犬に対しては慎重になりやすく、強い警戒心を見せることがあります。
番犬としての資質は魅力のひとつですが、家庭犬として暮らす場合は、周囲に不安を与えないよう飼い主が適切に管理する必要があります。

子犬期から人や犬、生活音、来客、動物病院などに慣れさせておくことで、過度な警戒や不安を和らげやすくなります。家族全員で接し方を統一し、無理に力で抑えるのではなく、信頼関係をもとに落ち着いて導くことが大切です。

独立心があるため、一人で静かに過ごせる個体もいますが、運動や刺激が不足するとストレスがたまり、吠えや落ち着きのなさにつながることがあります。

超大型犬で力も強いため、初心者よりも大型犬の扱いに慣れた人に向いている犬種です。

スパニッシュ・マスティフの特徴

芝生の上で横向きに立っているスパニッシュ・マスティフ

スパニッシュ・マスティフは、超大型犬らしい重厚な体つきと、護衛犬として発展してきた力強い外見が特徴です。骨太で筋肉質な体、広い頭部、首まわりや顔まわりのゆとりある皮膚が、堂々とした印象を際立たせています。

見た目には迫力がありますが、体の構造は家畜を守りながら長距離を移動するために発達してきたものです。単に大きいだけでなく、力強さ、耐久性、落ち着いた存在感を兼ね備えた犬種といえます。

スパニッシュ・マスティフの大きさ

スパニッシュ・マスティフは、犬種標準でも大きな体格が重視される超大型犬です。体高の下限はオスで77cm、メスで72cmとされており、実際にはそれを上回る個体も珍しくありません。

体重は個体差がありますが、一般的な目安としてオスは70〜100kg前後、メスでも50〜70kg前後に達することがあります。子犬の時期から成長が早いため、成犬時のサイズを想定した環境づくりが欠かせません。

室内で暮らす場合は、寝床や食事場所だけでなく、方向転換しやすい生活動線も必要です。家具や床材への配慮、移動時の車のサイズ、動物病院への通院方法まで考えておくと安心です。

スパニッシュ・マスティフの被毛タイプ

スパニッシュ・マスティフの被毛は、密度があり、中程度の長さを持つセミロングの毛質です。体を外気や雨風から守る実用的な被毛で、極端に長く伸びるタイプではありません。

毛玉が頻繁にできる犬種ではありませんが、体が非常に大きいため、抜け毛の量は多くなりやすいです。皮膚の健康を保つためにも、定期的なブラッシングで抜け毛や汚れを取り除くことが大切です。

特に換毛期は、普段以上に被毛が抜けやすくなります。ブラッシングの際は、首まわりや胸、足まわりなど毛が密になりやすい部分も丁寧に確認しましょう。

スパニッシュ・マスティフの毛色の種類

スパニッシュ・マスティフは、幅広い毛色が認められている犬種です。代表的な毛色には、イエロー、フォーン、レッド、ブラック、ウルフカラー、ディアカラーなどがあります。

そのほか、虎のような縞模様が入るブリンドルや、複数の色が入るパーティカラーの個体も見られます。茶色っぽく見える個体から黒っぽい個体まで、外見の印象には幅があります。

ただし、毛色だけで性格や健康状態を判断することはできません。迎える際は、見た目の好みだけでなく、親犬の健康状態、性格、育った環境などを総合的に確認することが大切です。

スパニッシュ・マスティフの価格相場

原っぱで楽しそうに過ごすスパニッシュ・マスティフの子犬たち

スパニッシュ・マスティフは日本国内での流通数が非常に少ない犬種です。そのため、常に販売中の子犬が見つかるとは限らず、価格も一般的な人気犬種のように安定していません。

子犬を迎える場合の生体価格は、目安として50万〜100万円前後を見込んでおくとよいでしょう。ここでいう価格は、あくまで子犬そのものの購入費や、海外から迎える場合の輸入に関わる費用を含めた目安です。

実際の金額は、血統、親犬の評価、月齢、健康状態、国内で繁殖された個体か海外から輸入する個体かによって大きく変わります。輸送費や検疫、各種書類の手続きが必要になる場合は、100万円を超える可能性もあります。

また、迎え入れ時には生体価格だけでなく、超大型犬用のケージやサークル、丈夫なリードや首輪、滑りにくい床材、車での移動環境などにも費用がかかります。

購入価格だけで判断せず、迎えた後に必要な費用まで含めて検討することが大切です。

スパニッシュ・マスティフのブリーダーを探す方法

スパニッシュ・マスティフを迎えたい場合は、まず犬種名で子犬販売サイトやブリーダー検索サイトを確認し、現在取り扱いがあるかを調べるのが一般的です。

ただし、希少犬種のため、検索してもすぐに子犬が見つからないことがあります。

販売中の子犬がいない場合は、スパニッシュ・マスティフや超大型犬を扱った経験のある犬舎に直接問い合わせ、今後の繁殖予定や予約の可否を確認します。

すぐに迎えられる子犬を探すより、信頼できるブリーダーと時間をかけて相談する姿勢が大切です。

ブリーダーを選ぶ際は、動物取扱業の登録があるか、親犬を見学できるか、飼育環境が清潔か、子犬の健康診断やワクチン接種の記録を確認できるかを必ずチェックしましょう。

また、スパニッシュ・マスティフは体が大きく、護衛犬としての性質も持つため、販売前に住環境や飼育経験について丁寧に確認してくれるブリーダーの方が安心です。

質問に対して具体的に答えてくれるか、迎えた後も相談できる体制があるかも重要な判断材料になります。

海外から迎える場合は、輸入手続きや検疫、長距離移動による犬への負担も考える必要があります。費用や手続きだけでなく、犬の健康と安全を最優先に考え、経験のあるブリーダーや専門家に相談しながら進めるようにしましょう。

スパニッシュ・マスティフの飼い方

飼い主の指示を聞いているスパニッシュ・マスティフ

スパニッシュ・マスティフを飼うには、超大型犬を安全に管理できる住環境と、家族全員で一貫したルールを守る姿勢が欠かせません。

体が大きく力も強いため、犬が落ち着いて過ごせる十分なスペースを確保し、脱走や飛び出しを防ぐための対策も必要です。

また、護衛犬として発展してきた背景があるため、来客時や散歩中に周囲へ不安を与えない配慮も大切です。
飼い主が日常的に犬の行動を把握し、無理なくコントロールできる関係を築いておくことが、安心して暮らすための基本になります。

スパニッシュ・マスティフの運動量

スパニッシュ・マスティフには、毎日の散歩を中心とした適度な運動が必要です。激しく走らせるよりも、落ち着いたペースで歩きながら体を動かす時間を確保する方が向いています。

成長期に過度な運動をさせると、体に負担がかかりやすくなります。子犬のうちは長時間の階段の上り下りや、硬い地面での激しい運動を避け、成長段階に合わせて無理のない運動量に調整しましょう。

暑さにはあまり強くないため、夏場は早朝や夜など涼しい時間帯を選ぶことが大切です。散歩中は周囲の人や犬との距離にも注意し、引っ張りや急な反応が起きても安全に対応できるルートを選びましょう。

スパニッシュ・マスティフのしつけ方

スパニッシュ・マスティフのしつけでは、子犬期からの社会化が特に重要です。人、犬、生活音、車、来客、動物病院など、日常で出会うさまざまな刺激に少しずつ慣れさせていきます。

体が大きくなってから力で抑えることは難しいため、早い段階からリードを引っ張らずに歩く練習や、呼び戻し、待つ練習、人への飛びつき防止を身につけさせることが大切です。

叱りつける方法ではなく、落ち着いてできた行動を褒めながら教える方が信頼関係を築きやすくなります。家族によって対応が変わると犬が混乱しやすいため、禁止することや許可することは家庭内で統一しておきましょう。

超大型犬や護衛犬の扱いに不安がある場合は、早めにドッグトレーナーへ相談するのがおすすめです。問題が大きくなってから対処するより、子犬期から専門家の助言を受ける方が安全に育てやすくなります。

スパニッシュ・マスティフのケア方法

日常のケアでは、定期的なブラッシング、耳掃除、歯磨き、爪切りを習慣にしましょう。被毛は極端に長く伸びるタイプではありませんが、体が大きいため、抜け毛や汚れのチェックには時間がかかります。

垂れ耳の犬種は耳の中が蒸れやすいため、においや汚れがないかをこまめに確認します。顔まわりや口元の皮膚に汚れが残りやすい個体もいるため、食後や散歩後に軽く拭いて清潔に保つとよいでしょう。

足腰への負担を減らすためには、室内の床を滑りにくくする工夫も大切です。フローリングのままでは踏ん張りにくいことがあるため、マットや滑り止め対策を取り入れると安心です。

シャンプーや爪切り、体調不良時の移動では、大人の人手が複数必要になることもあります。日頃から体のどこを触られても落ち着いていられるように慣らしておくと、ケアや通院時の負担を減らしやすくなります。

スパニッシュ・マスティフの寿命と病気

床に伏せて休んでいるスパニッシュ・マスティフ

スパニッシュ・マスティフの平均寿命は、10年前後とされています。超大型犬は体への負担が大きくなりやすいため、日頃から体重管理や足腰への配慮を意識することが大切です。

食事量や運動量を急に増減させず、体調の変化をこまめに観察しましょう。特に歩き方、食欲、呼吸の様子、目や耳の状態に変化がある場合は、早めに動物病院へ相談することが重要です。

スパニッシュ・マスティフのかかりやすい病気

スパニッシュ・マスティフは、体が大きい犬種に見られやすい股関節形成不全や肘関節形成不全に注意が必要です。

歩き方が不自然になる、立ち上がりを嫌がる、階段を避けるといった様子が見られた場合は、早めに診察を受けましょう。

また、胸の深い大型犬では胃拡張・胃捻転症候群にも注意が必要です。
何度も吐こうとするのに吐けない、お腹が膨らむ、落ち着きがなく苦しそうにするなどの症状が出た場合は、命に関わることがあるため、すぐに動物病院へ連絡してください。

顔まわりに皮膚のゆとりがある個体では、眼瞼内反症など目のトラブルが起こることもあります。涙や目やにが多い、目をこする、まぶしそうにするなどのサインを見逃さないようにしましょう。

病気を完全に防ぐことはできませんが、適正体重を保つこと、食事を一度に大量に与えすぎないこと、食後すぐの激しい運動を避けることは、健康管理に役立ちます。

定期的な健康診断を受け、気になる変化があれば早めに専門家へ相談することが大切です。

まとめ

原っぱで伏せて周囲を観察するスパニッシュ・マスティフ

スパニッシュ・マスティフは、スペインで家畜を守る護衛犬として発展してきた超大型犬です。堂々とした体格と落ち着いた雰囲気、家族への深い愛情が魅力ですが、強い警戒心や力の強さを理解した管理が欠かせません。

迎えるには、広い住環境、十分な飼育費用、日々の運動、子犬期からの社会化、定期的な健康管理が必要です。希少犬種のため価格や流通状況も安定しにくく、信頼できるブリーダーや専門家に相談しながら慎重に検討しましょう。

大型犬の飼育経験がある人に向いた、責任ある準備が求められる犬種です。

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