【獣医師監修】ランドシーア|犬種の特徴と性格、飼い方や価格相場まで解説

【獣医師監修】ランドシーア|犬種の特徴と性格、飼い方や価格相場まで解説

白黒の美しい被毛が印象的な超大型犬、ランドシーアの特徴や性格、歴史、価格目安、飼い方を解説。被毛ケアや運動量、かかりやすい病気、似た犬種との違いも紹介します。

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記事の監修

麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

ランドシーアの特徴

屋外で立っているランドシーア

  • 犬種名:ランドシーア(ヨーロピアン・コンチネンタル・タイプ)
  • 英語名:Landseer(European Continental Type)
  • 原産国:ドイツ、スイス
  • 大きさ:超大型犬
  • 体高:オス 72〜80cm、メス 67〜72cm
  • 体重:オス 60〜70kg、メス 45〜55kg
  • 寿命:8〜10年ほど
  • 被毛:長く密なダブルコート
  • 性格:穏やか、愛情深い、落ち着きがある、家族との関わりを好む
  • 毛色:白地に黒い斑

ランドシーアは、白地に黒い斑が入る美しい被毛と、堂々とした体格が印象的な超大型犬です。

大きな体を持ちながら、全体のシルエットは重すぎず、脚が長めですっきりとした印象があります。豊かな被毛による存在感と、白黒のはっきりした配色が合わさることで、遠くからでも目を引く優雅な雰囲気を持っています。

ランドシーアの大きさ

ランドシーアの成犬の体高は、オスで72cmから80cm、メスで67cmから72cmほどが目安です。犬の中でも特に大きな部類に入り、立ち上がったときの存在感は非常に大きくなります。

体重は個体差がありますが、オスは60kg前後、メスは50kg前後をひとつの目安として考えられます。骨格がしっかりしているだけでなく、全身に筋肉がつくため、数字以上に大きく感じることも少なくありません。

成長のスピードも早く、子犬期から短期間で体が大きくなっていきます。ただし、骨格や筋肉が十分に発達するまでには時間がかかるため、成犬らしい体つきになるまでには2年から3年ほどかかることがあります。

体高があり、体重も重い犬種のため、生活空間では犬が無理なく方向転換できる広さや、横になって休める十分なスペースが必要です。室内での動線や寝床の大きさも、超大型犬であることを前提に考える必要があります。

ランドシーアの被毛タイプ

ランドシーアの被毛は、長く密に生えるダブルコートです。上毛はまっすぐで豊かに伸び、手触りは比較的柔らかく、下毛は細かく密に生えています。

全身を覆う被毛には厚みがあり、首まわりや胸、尾の飾り毛によって、より大きく優雅な印象を与えます。見た目のボリュームがある一方で、毛並みが整っていると重苦しく見えにくく、上品な雰囲気が際立ちます。

密な下毛を持つため、季節の変わり目には抜け毛が増えやすくなります。耳の後ろや脇の下、後ろ脚の内側などは毛が絡まりやすいため、被毛の状態をこまめに確認しておくと安心です。

ランドシーアの毛色の種類

ランドシーアの毛色は、白をベースに黒い斑が入る配色が特徴です。白と黒のコントラストがはっきりしているため、超大型犬らしい迫力の中にも清潔感と華やかさがあります。

頭部には黒い模様が入り、顔の中央に白い筋が入る個体もいます。胴体や尻部にも明瞭な黒い斑が入り、首まわり、胸、腹部、四肢、尾は白が目立つことが多いです。

黒い斑の入り方や白とのバランスには個体差があります。模様の出方によって印象は変わりますが、毛色の配置だけで性格や健康状態が決まるわけではありません。

ランドシーアの性格

明るい表情で上を見上げるランドシーアのアップ

ランドシーアは、落ち着きがあり、人との関わりを大切にする穏やかな犬種です。大きな体から迫力を感じさせますが、家族に対しては愛情深く、そばで静かに過ごすことを好む傾向があります。

人に寄り添う気質を持ち、家族との結びつきが強いため、家庭犬としても魅力があります。子どもや他の犬に対しても比較的おおらかに接しやすい一方で、体が大きいため、ふれあいの場面では周囲への配慮が必要です。

見知らぬ人に対して過度に攻撃的になりやすい犬種ではありませんが、状況をよく観察する慎重さもあります。明るく友好的な面と、落ち着いて周囲を見る冷静さをあわせ持つ犬といえるでしょう。

また、家族と一緒にいる時間を好むため、孤独な時間が長く続く環境はあまり得意ではありません。十分なふれあいを通して安心感を得ることで、ランドシーアらしい穏やかさが引き出されやすくなります。

ランドシーアの歴史

救命胴衣を着てボートに乗っている2頭のランドシーア

ランドシーアのルーツは、カナダ東海岸のニューファンドランド島にいた大型の作業犬にあるとされています。寒さの厳しい地域で、人の生活を支える犬として活躍してきた歴史を持ちます。

18世紀から19世紀にかけて、こうした大型犬たちはイギリスをはじめとするヨーロッパへ渡りました。その中でも白と黒の斑を持つ個体は、特徴的な姿から人々の目を引く存在となっていきます。

「ランドシーア」という名前は、イギリスの画家エドウィン・ランドシーア卿に由来します。彼は白黒の大型犬を題材にした作品を多く残し、その絵によってこの姿の犬が広く知られるようになりました。

その後、ヨーロッパでは白黒の大型犬としての特徴を受け継ぎながら、独自の犬種として発展していきました。

現在では、地域や登録団体によって扱いに違いはあるものの、ヨーロッパでは「ランドシーア・ヨーロピアン・コンチネンタル・タイプ」として認識されています。

このような背景から、ランドシーアは芸術作品に描かれた美しい姿と、作業犬として人を支えてきた歴史の両方を持つ犬種として知られています。

ランドシーアの価格相場

並んで座る3頭のランドシーアの子犬たち

ランドシーアは日本国内での流通が非常に少ない犬種です。そのため、一般的な人気犬種のように安定した平均価格を出しにくく、販売時期や血統、輸入の有無によって価格が大きく変わります。

子犬そのものの生体価格の目安としては、国内で出会える場合でも60万円前後から100万円前後を見ておくとよいでしょう。

特に海外のブリーダーから迎える場合は、生体価格に加えて輸送費、検疫関連の費用、輸入代行費などがかかるため、総額で100万円を超えるケースもあります。

ここでいう価格の目安は、あくまで子犬を迎える際の生体価格を中心にした金額です。実際には、初期用品、ワクチン、健康診断、保険、移動用の大型クレートなども別途必要になります。

また、ランドシーアは国内で独立した犬種名として扱われる場合と、白黒のニューファンドランドとして案内される場合があります。

購入を検討する際は、表示されている名前だけで判断せず、血統書上の犬種名や登録団体、親犬の情報まで確認することが大切です。

ランドシーアのブリーダーを探す方法

ランドシーアを迎えたい場合は、まず犬種名で検索するだけでなく、「ランドシーア ブリーダー」「ランドシーア 子犬」「ニューファンドランド ランドシーア」など、複数の言葉で情報を探すと見つけやすくなります。

国内では出産情報が常にある犬種ではないため、子犬販売サイトだけでなく、超大型犬を扱うブリーダー、ニューファンドランドに詳しい犬舎、犬種クラブや愛好家の情報も確認していくとよいでしょう。

気になるブリーダーが見つかったら、すぐに購入を決めるのではなく、見学が可能かどうかを確認します。
親犬の体格や性格、飼育環境、子犬の健康状態、ワクチンや健康診断の実施状況を直接確認できる相手を選ぶことが大切です。

問い合わせの際は、出産予定の有無だけでなく、血統書の登録内容、親犬の健康検査、引き渡し後の相談対応についても聞いておきましょう。希少犬種だからこそ、価格の安さや珍しさだけで判断しないことが重要です。

海外から迎える場合は、輸入経験のあるブリーダーや専門業者を通じて進める方法もあります。
ただし、輸送や検疫、必要書類の確認には時間と費用がかかるため、国内で迎える場合よりも余裕を持って準備する必要があります。

ランドシーアの飼い方

おもちゃをくわえて水の中を歩くランドシーア

ランドシーアは体が非常に大きく、人と一緒に過ごす時間を好む犬種です。

屋外につなぎっぱなしにするのではなく、家族の気配を感じられる室内を主な生活場所にしながら、十分に体を動かせる環境を整えることが大切です。

室内では、犬が無理なく立ち上がったり方向転換したりできる広さが必要になります。床が滑りやすいと足腰に負担がかかりやすいため、マットを敷くなどして歩きやすい環境を作っておきましょう。

また、暑さが苦手なため、夏場は室温と湿度の管理が欠かせません。エアコンを活用し、直射日光が当たる場所や熱がこもりやすい場所で長時間過ごさせないようにします。

食事は、体格や年齢、活動量に合ったフードを適量与えることが基本です。成長期に急激に体重が増えすぎると体に負担がかかりやすいため、自己判断で量を増やしすぎず、体型を見ながら調整していきます。

ランドシーアの運動量

ランドシーアには、毎日の散歩と適度な運動が必要です。目安としては、成犬で1日2回、1回あたり45分から1時間ほどの散歩を考えておくとよいでしょう。

ただし、必要な運動量は年齢や体調、季節によって変わります。暑い時期は無理に長く歩かせず、早朝や夜の涼しい時間帯を選ぶことが大切です。

散歩では、ただ歩くだけでなく、においを嗅いだり、落ち着いて周囲を観察したりする時間も大切です。体を動かすだけでなく、気分転換やストレス発散にもつながります。

泳ぐことを好む個体も多いため、安全に管理された犬用プールなどで水遊びを取り入れるのもよい方法です。水中での運動は体への負担を抑えながら全身を使いやすい一方、遊んだあとは被毛をしっかり乾かす必要があります。

子犬の時期は体が成長途中のため、長時間の激しい運動や高い場所からの飛び降りは避けます。成長段階に合わせて、無理のない範囲で少しずつ運動量を増やしていきましょう。

ランドシーアのしつけ方

ランドシーアは賢く、人との関わりをよく見て行動する犬種です。その一方で、成犬になると力が非常に強くなるため、子犬のうちから落ち着いて行動する習慣をつけておくことが重要です。

まずは、名前を呼ばれたら飼い主を見る、指示が出たら待つ、散歩中に強く引っ張らないといった基本を丁寧に教えます。

体が小さいうちは許せる行動でも、成犬になると周囲を驚かせたり、事故につながったりすることがあります。

しつけでは、大声で叱ったり力で抑え込んだりするよりも、できた行動を褒めて覚えさせる方法が向いています。

家族内でルールが違うと犬が混乱しやすいため、飛びつかせない、食卓から食べ物を与えないなどの決まりは統一しておきましょう。

来客、車の音、動物病院、他の犬との距離感などにも、子犬期から少しずつ慣れさせておくと安心です。さまざまな環境を経験させることで、成犬になってからも落ち着いて過ごしやすくなります。

ランドシーアのケア方法

ランドシーアは長く密な被毛を持つため、こまめなブラッシングが必要です。通常時は週に数回、抜け毛が増える時期はできるだけ毎日ブラッシングし、毛玉や抜け毛を取り除いておきます。

特に、耳の後ろ、脇の下、後ろ脚の内側、尾の付け根は毛が絡まりやすい部分です。毛玉を放置すると皮膚が蒸れやすくなるため、日頃から手で触れて確認する習慣をつけておくとよいでしょう。

シャンプー後や水遊びのあとは、被毛の根元までしっかり乾かすことが大切です。表面だけ乾いていても内側に湿気が残ることがあるため、時間をかけて丁寧に乾燥させます。

垂れ耳の犬は耳の中が蒸れやすいため、耳の汚れやにおいも定期的に確認します。爪切りや足裏の毛の処理、歯磨きも子犬のうちから慣らしておくと、成犬になってからのケアがしやすくなります。

体が大きいため、自宅でのケアだけで対応が難しい場面もあります。超大型犬に対応できる動物病院やトリミングサロンを、早めに探しておくと安心です。

ランドシーアの寿命と病気

悲しげな表情で床に伏せるランドシーアのアップ

ランドシーアの平均寿命は、8年から10年ほどが目安です。超大型犬は小型犬に比べるとシニア期に入るのが早く、若いうちから体重管理や関節への配慮を続けることが大切です。

大きな体を支える骨格や、深い胸、密な被毛を持つことから、注意したい病気にもいくつかの傾向があります。日頃から歩き方、食欲、呼吸、皮膚や耳の状態を観察し、異変があれば早めに動物病院へ相談しましょう。

ランドシーアのかかりやすい病気

ランドシーアで特に気をつけたいのは、関節の病気、胃の急変、遺伝性疾患、皮膚や耳のトラブルです。ここでは代表的な病気を紹介します。

股関節形成不全

股関節のかみ合わせが不安定になり、歩き方の違和感や立ち上がりにくさが出る病気です。大型犬・超大型犬で注意したい疾患のひとつで、体重の増えすぎや滑りやすい床は負担につながります。

腰を左右に振って歩く、散歩を嫌がる、後ろ脚をかばう様子がある場合は、早めに受診しましょう。

肘関節形成不全

前脚の肘関節に異常が起こり、痛みや跛行につながる病気です。体が大きいランドシーアでは、前脚にかかる負担も大きくなります。

歩き始めにぎこちなさがある、片方の前脚をかばう、運動後に痛がるといった様子が見られる場合は注意が必要です。

胃拡張・胃捻転症候群

胃にガスがたまって膨らみ、さらにねじれてしまうことがある緊急性の高い病気です。胸の深い大型犬で起こりやすく、短時間で命に関わることがあります。

吐こうとしても何も出ない、お腹が張る、落ち着きなく動き回る、ぐったりするといった症状があれば、夜間でもすぐに救急対応できる動物病院へ連絡してください。

シスチン尿症

シスチンという成分が尿中に増え、尿路結石につながることがある遺伝性疾患です。ニューファンドランドやランドシーアの系統で知られており、血尿や排尿しづらい様子が見られることがあります。

何度もトイレに行く、尿が少ない、排尿時に痛がるような様子がある場合は、早めに検査を受けることが大切です。

皮膚炎・外耳炎

ランドシーアは被毛が密で、耳も垂れているため、湿気がこもると皮膚炎や外耳炎につながることがあります。特に水遊びやシャンプーのあとに乾燥が不十分だと、トラブルが起こりやすくなります。

皮膚をかゆがる、赤みがある、耳からにおいがする、頭をよく振るといった変化があれば、悪化する前に動物病院で確認してもらいましょう。

ランドシーアに似た犬種

屋外で一緒に遊ぶランドシーアとニューファンドランド

ランドシーアは、白黒の被毛や超大型の体格から、いくつかの大型犬と比較されやすい犬種です。見た目だけで判断すると混同しやすいため、体型、毛色、役割、気質の違いを押さえておくと理解しやすくなります。

ニューファンドランドとの違い

ランドシーアと最も混同されやすいのがニューファンドランドです。白黒のニューファンドランドをランドシーアと呼ぶ場合もあり、地域や登録団体によって扱いが異なります。

見た目はよく似ていますが、ランドシーアはやや脚が長く、全体的にすっきりした印象があります。一方、ニューファンドランドはより骨太で重厚な体つきに見えることが多いです。

グレート・ピレニーズとの違い

グレート・ピレニーズは白い大型犬として比較されやすい犬種ですが、ランドシーアのような白黒のはっきりした配色ではなく、白を中心とした毛色が特徴です。

また、グレート・ピレニーズは家畜を守る犬として発展してきたため、警戒心や独立心が出やすい傾向があります。ランドシーアとは、見た目だけでなく、歴史的な役割にも違いがあります。

バーニーズ・マウンテン・ドッグとの違い

バーニーズ・マウンテン・ドッグは、黒、白、茶のトライカラーが特徴の大型犬です。白黒を基調とするランドシーアとは、毛色の印象が大きく異なります。

体格はどちらも大きいものの、ランドシーアのほうがさらに大きくなる傾向があります。どちらも寒冷な地域に関わりの深い犬種のため、日本で飼う場合は暑さへの配慮が欠かせません。

レオンベルガーとの違い

レオンベルガーも超大型犬としてランドシーアと比較されることがあります。大きく穏やかな印象は共通していますが、レオンベルガーはライオンのたてがみを思わせる豊かな被毛と、黄褐色系の毛色が特徴です。

白黒のコントラストが目立つランドシーアに対し、レオンベルガーはより温かみのある色合いで、全体の雰囲気も異なります。

どちらも国内では出会いにくく、迎える際は超大型犬に対応できる生活環境が必要です。

まとめ

花畑で伏せているランドシーア

ランドシーアは、白と黒の美しい被毛と堂々とした体格が魅力の超大型犬です。

落ち着きがあり、人との関わりを好む一方で、体が大きく力も強いため、広い生活空間や子犬期からのしつけが欠かせません。長く密な被毛はこまめなブラッシングが必要で、暑さや関節への負担にも注意が必要です。

また、国内では出会いにくい犬種のため、迎える際は価格だけでなく、血統や親犬の情報、飼育後の費用まで確認しておくことが大切です。

十分な環境と時間を用意できる家庭であれば、ランドシーアは穏やかで頼もしい家族の一員になってくれるでしょう。

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