犬にとって危険な『ひとり遊び』とは?怪我や事故を引き起こす可能性も…

犬にとって危険な『ひとり遊び』とは?怪我や事故を引き起こす可能性も…

犬のひとり遊びは、退屈な時間を減らし、ストレス解消に役立つだけでなく、自立心の育成にもつながります。しかし、思わぬ怪我や事故につながる危険なひとり遊びもあるため、注意が必要です。本記事では、犬にとって危険なひとり遊びと、安全なひとり遊びのための対策についてご紹介します。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

犬にとって危険なひとり遊びとは?

人参のおもちゃを咥えるジャックラッセルテリア

お留守番中や一緒に遊んであげられないときに、愛犬がひとりで遊んでくれていると助かりますよね。しかし、普段何気なくさせているひとり遊びが、実は危険なこともあります。ここでは、犬にとって危険なひとり遊びをご紹介します。

「一緒に遊ぶ用」のおもちゃでのひとり遊び

犬にひとり遊びをさせる際に、ロープやボール、ぬいぐるみを渡してしまいがちです。しかしこれらは、引っ張りっこやモッテコイ遊びなどをするための「一緒に遊ぶ用のおもちゃ」です。

一緒に遊ぶ用のおもちゃは、飼い主さんがそばにいることを前提に作られているため、強度が低めのものが多いです。そのため、犬に与えっぱなしにして噛み続けさせると、簡単に破損してしまう可能性があります。

破損したパーツを犬が飲み込んでしまうと、喉に詰まって窒息したり、腸に詰まって緊急手術になったりする恐れがあり、大変危険です。

小さすぎるおもちゃでのひとり遊び

犬の口の大きさに対して小さすぎるおもちゃは、誤飲事故につながりやすいです。犬がひとり遊びをしている最中に、何かの拍子でつるっと丸呑みしてしまうことがあります。

飲み込んだおもちゃが喉に詰まれば窒息の危険があり、一刻を争う事態になりかねません。もし喉を通過したとしても、腸で詰まって腸閉塞を引き起こす可能性があります。

犬の口にすっぽりと収まってしまうサイズのおもちゃでのひとり遊びには、高いリスクが潜んでいるのです。

犬用おもちゃ以外でのひとり遊び

靴下やタオル、紐といった身の回りのものも、犬には格好のおもちゃになってしまいます。

これらを飼い主さんが与えないように気をつけていても、床に落ちているのを犬が勝手に咥え、ひとり遊びを始めてしまうことは少なくありません。このような場合、遊んでいるうちに噛みちぎって飲み込んでしまう恐れがあります。

飲み込んだのがごく少量であれば、便と一緒に排出されることもありますが、量が多い場合は腸閉塞を引き起こすリスクが高まります。

中でも特に危険なのは、ある程度長さのある紐状のものの誤飲です。紐の一端が胃の出口や腸の途中で引っかかると、腸の蠕動運動に伴って紐に腸が手繰り寄せられ、アコーディオン状に折りたたまれてしまうことがあります。この状態が続くと、腸が壊死するという深刻な事態を招きかねません。

硬すぎるおもちゃでのひとり遊び

愛犬がおもちゃを噛んで遊ぶのが好きだと、飼い主さんは「すぐに破壊されないように」と、硬いおもちゃを選ぶことが多いでしょう。

しかし、硬すぎるおもちゃは、犬の歯が欠けたり折れたりする「破折」を引き起こしやすいです。破折の状態によっては、全身麻酔をかけて抜歯や根管治療が必要になることがあります。

犬の歯は丈夫そうに見えても、エナメル質の厚さが人間の約10分の1と薄く、意外に脆いです。硬すぎるおもちゃでのひとり遊びには、犬の大切な歯を失うリスクが潜んでいます。

安全なひとり遊びのための対策

デンタルトイを咥えるチワワ

愛犬にひとり遊びをさせる際、安全であることが何よりも大切です。では、愛犬が安全にひとり遊びを楽しめるようにするためには、どのような対策を取ったらよいのでしょうか。ここからは、愛犬を危険から守り、安全にひとり遊びをさせるための対策をご紹介します。

「ひとり遊び用」と「一緒に遊ぶ用」のおもちゃを使い分ける

犬のおもちゃは大きく分けて、「ひとり遊び用」と「一緒に遊ぶ用」の2種類があります。

知育玩具やデンタルトイ、噛むおもちゃといったひとり遊び用のおもちゃは、犬がひとりで舐めたり噛んだりすることを想定しているため、耐久性や安全性が高いものが多いです。

一方、ロープやボールなどの一緒に遊ぶ用のおもちゃは、先述の通り強度が低いものが少なくありません。

そのため、犬の安全を守るには、シーンに応じておもちゃを使い分けることが大切です。お留守番時や大人しくしていてほしいとき、一緒に遊べないときは「ひとりで遊ぶ用」を、飼い主さんとのコミュニケーションの場面では「一緒に遊ぶ用」を使いましょう。

また、一緒に遊ぶ用のおもちゃは、遊び終わったらすぐに片付けることが重要です。犬の届かない、視界に入らない場所にしまい、与えっぱなしによる破損や誤飲を未然に防ぎましょう。

適切なサイズ、適度な硬さのおもちゃを選ぶ

ひとり遊び用のおもちゃを選ぶ際は、「サイズ」と「硬さ」に注意が必要です。誤飲や歯の破折を防ぐため、「適切なサイズ」で「適度な硬さ」のものを選ぶようにしましょう。

適切なサイズのおもちゃとは、犬の口よりも大きめで、丸呑みしにくいものを指します。犬が正面から咥えたときに、口の両端からおもちゃがはみ出すサイズが目安です。

硬さについては、人が爪を立ててもへこまないおもちゃは硬すぎます。逆に、爪を立てると簡単にえぐれてしまうものは、すぐに破損して誤飲する恐れがあります。適度な硬さのおもちゃの目安は、爪を立てると少しへこむくらいの硬さのものです。

初めてのおもちゃは安全に遊べるか確認する

どんなに「安全」と思われるおもちゃでも、新しく買ったおもちゃをいきなりお留守番時など、飼い主さんの目の届かないシチュエーションで与えるのは避けましょう。噛む力の強さや遊び方の癖は犬それぞれ異なるため、思わぬ怪我や事故につながることも考えられます。

初めて与えるおもちゃは、まず飼い主さんの目の届くところで遊ばせることが鉄則です。問題なく安全に遊べることを確認してから、ひとり遊び用のおもちゃとして活用しましょう。

部屋の環境を安全に整える

先述の通り、犬は身の回りにあるさまざまなものをおもちゃにして遊んでしまいます。そのため、誤飲につながるものは犬の届かないところにしまいましょう。

コード類も噛んで遊んでしまうと、感電や火傷の危険があるため、コードカバーをつけたり、家具の裏に隠したりするなどの安全対策が欠かせません。

犬が安全にひとり遊びをするためには、与えるおもちゃに注意するだけでなく、危険な遊びに走らないよう環境を整えることも非常に重要です。

まとめ

コングを噛む柴犬

犬のひとり遊びは退屈解消や自立心育成に大きく役立ちますが、一歩間違えれば怪我や事故につながりかねません。愛犬の健康や命を守るためにも、ご紹介した危険なひとり遊びをさせるのは避けましょう。

また、愛犬が安全にひとり遊びを楽しめるように、おもちゃの使い分けや選び方に注意するなど、しっかり対策することで、飼い主さんも安心して自分の時間を過ごせるようになるでしょう。

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