犬の寿命について
犬の平均寿命
年齢の話が出ると、気になるのは犬の寿命の話ですね。日本国内でも人気のある、ミニチュアダックスやトイプードル、チワワといった小型犬は、12歳~15歳程度が平均寿命とされているのに対し、グレードデーンは6~8歳、ゴールデン・レトリバーは10~13歳と、大型犬・超大型犬の方が、寿命は短いとされています。
大型犬は小型犬・中型犬に比べて平均寿命が短いのは、老いるスピードが早いことや、身体の大きさと内臓機能のバランスが悪く、疾患が起こりやすいという説が有力ですが、長生きする大型犬もたくさんいれば、短命の小型犬だってたくさんいますので、一口にまとめられる話ではありません。特に、昨今では食餌環境の改善や予防医学的な考えも浸透し、犬の寿命は延びてきていると言えるでしょう。
人間の寿命
wikipediaによると、寿命とは「命がある間の長さのことであり、生まれてから死ぬまでの時間のことである」とされます。医学的・科学的に、種としての個性や生態等を研究した結果では、「人間は120歳まで生きられる」という説があります。
また、実際にどのぐらい生きたかのか?統計を基に、平均寿命は算出されています。人間ならば、国籍や地域、男性か女性かで割り出されていますが、日本人男性が約80歳、日本人女性が約86歳とされる一方で、アフガニスタンは男性女性ともに、約60歳とされます。乳幼児の内に亡くなる(夭逝する)命が多い事が、平均寿命年齢に大きく影響していると言えるでしょう。そして、日本、アフガニスタン、男性、女性の違いも「人間は120歳まで生きられる」という説からは、遠い数値にある事も知っておきたいものです。
犬の寿命
犬種によって犬の平均寿命年齢はまとめられていますが、犬の平均寿命年齢については、前出した医学的・科学的根拠と、実際にどれだけ生きたかの?統計が入り交じっています。そこに個体差が加われば、どこまで正確なものなのかは、クエスチョンマークがつくと考えてもいいのかもしれません。とはいえ、多くの飼い主さんが、愛犬をお迎えにする際に参考にもするでしょうし、いざ、愛犬との別れが訪れた際に、どれだけ平均寿命年齢と近いかどうかを気になさるのも無理はありません。
では、以下のケースではいかがでしょうか?
私が実際に知り合った犬に起こった、3つのお話を紹介します。
(※写真に出てくる犬は当事者の犬ではありません)
(1)1歳と6ヶ月で亡くなったゴールデン・レトリバー
名前は「ココロちゃん」といいました。遊びたい盛りのパピー期と、我が家の構ってちゃん期のタイミングがピッタリ合い、公園で会うたびに仲良くさせて頂いていましたが、ある日を境に「ココロちゃん」の姿は公園からなくなりました。
後から聞いた話ですが、里親になる時には、心臓疾患があることが分かっていたそうで、1歳まで生きられるかどうか・・という状態だったのが、1歳と6ヶ月まで生きられたとのこと。
(だから、心臓の"心"を訓読みした「ココロちゃん」と命名したのだそう)
(2)2歳のお誕生日を迎えられなかったトイ・プードル
名前は「ショコラくん」、毛色はレッド。犬も人間も大好きで、愛嬌があってフレンドリー。皆に愛されるアイドル気質の男の子でした。とっても元気な盛りだったので、飼い主さんがロングリードをよく使われていました。公園内だけではなく、住宅街でも長めに持っていることが多かったよう。ある日、道路に飛び出した所を車にはねられてしまいました。
(3)1歳のお誕生日直後に亡くなったヨークシャテリア
1度しか会っていないのですが、我が家の愛犬とめっぽう相性が良かったヨーキーちゃん。公園でノーリードで遊ばせていたところ、急に公園外に向かって走り出したので、飼い主さんが一生懸命追いかけて捕獲できた瞬間の反動で、ヨーキーちゃんのお腹を蹴飛ばしてしまったのが致命傷となってしまいました。
この3つのお話に出てくる犬はみんな1歳代で亡くなった子です。平均寿命が1歳という犬種は世界広しといえど存在しませんが、1番目のゴールデン・レトリバーの「ココロちゃん」については、多くの人が「寿命」と捉えることでしょう。
しかし、2番目のトイ・プードルの「ショコラくん」3番目のヨーキーちゃんについては、飼い主さんがもっとしっかりしていれば生きられたはずなのに・・と感じる方が大半でしょう。
飼い主さんが未熟であった事が愛犬が1歳代で亡くなった理由に直結していますが、両方の飼い主さんの意気消沈っぷりは筆舌に尽くしがたいものがあり、決して殺そうと思ってとった行動ではないのです。
あなたの愛犬は、今、何歳ですか?
一般的に、犬が生きる速度は、人間の4倍とも、5倍とも言われています。
生後3ヶ月頃にお迎えする機会が多いと思いますが、この時の小型犬・中型犬は既に5歳、生後1年で17歳になってしまいますから、様々な躾やトレーニングを通して、飼い主との健全な関係を築く時間が、どれだけ短いかがよくわかりますね。
また、生後7年になると、シニア世代とされます。生後7年といえば、小型犬・中型犬では44歳ぐらい、大型犬では54歳ぐらいとされます。昨今の元気でイキイキとした40代・50代の人間を「シニア」とまとめちゃうとお叱りを受けること必須ですが(笑)、その裏側で、体力や記憶力、視力等、10代や20代の頃のようにはいかないなあと感じているのも本音です。
犬種の違いや個体差の影響も大きいため、愛犬の年齢を人間の年齢に置き換える事が必ずしも正しいわけではありませんが、より具体的に、実感として捉えられる側面もありますので、参考までに掲載しておきます。
犬の人間換算年齢
犬の出産からの月数・年数に対して、小型犬・中型犬と、大型犬、それぞれを人間の年齢に換算してみました。
小型犬・中型犬は、目安として成犬時の平均体重が25kgまでとされる犬種を、大型犬は、目安として成犬時の平均体重が25kg以上とされる犬種を想定しています。
犬の年齢表
出産からの日数 | 小・中型犬 | 大型犬 |
1ヶ月 | 1歳 | 1歳 |
3ヶ月 | 5歳 | 2歳 |
6ヶ月 | 9歳 | 6歳 |
9ヶ月 | 13歳 | 8歳 |
1年 | 17歳 | 12歳 |
2年 | 24歳 | 19歳 |
3年 | 28歳 | 25歳 |
4年 | 32歳 | 33歳 |
5年 | 36歳 | 40歳 |
6年 | 40歳 | 47歳 |
7年 | 44歳 | 54歳 |
8年 | 48歳 | 61歳 |
9年 | 52歳 | 66歳 |
10年 | 58歳 | 75歳 |
11年 | 60歳 | 82歳 |
12年 | 64歳 | 89歳 |
13年 | 68歳 | 96歳 |
14年 | 72歳 | 103歳 |
15年 | 76歳 | 110歳 |
16年 | 80歳 | 117歳 |
17年 | 84歳 | 124歳 |
18年 | 88歳 | 131歳 |
19年 | 92歳 | 138歳 |
20年 | 96歳 | 145歳 |
小型犬・中型犬は2年で24歳となり、3年目からは、1年に4歳ずつ年を取るとされます。大型犬は、最初の1年で12歳、2年目からは、1年に7歳ずつ年を取るとされます。小型犬・中型犬と大型犬を比較すると、4年目で逆転し、10年を迎える頃には、小型犬・中型犬が56歳であるのに対し、大型犬は75歳と、大きく年齢が開くことがわかります。大型犬は成犬になるのには小型犬・中型犬より時間がかかる一方で、年齢を重ねていくのが早い傾向にあるといえるでしょう。
同じ16歳で亡くなったとしても、小型犬・中型犬が日本人男性の平均寿命と同程度の80歳ぐらいであるのに対し、大型犬の場合は、117歳と相当のご長寿ですから、それぞれの飼い主同士、若干の温度差が生じる事を知っておきたいものですね。
いつかやってくる別れの時
人間にも犬にも平等に訪れる日
酒・タバコをやり放題でも長生きする人もいれば、健康に気を使っていても羅病し命を落とす人もいます。
交通事故、飛行機事故等、不慮の事故もあれば、地震や雷等の天災、理不尽な事件に巻き込まれて命を落とす人もいます。
平均寿命より長いか短いかの差は大きくても、死なない人間はいません。
そして、犬も、いつかは死にます。
それが今日なのか、明日なのか、○年後なのか分からないのも、人間と同じです。
それでも少し、人間の親子の関係と、飼い主と愛犬の関係は違う部分があります。
「飼い主は、愛犬より先に死んではならない」ということです。
いつか訪れる死を避けることは、誰にもできないことであり、様々な天命・運命が用意されていますから、人間の意志だけではどうにもならないのも本当ですが、その気概を持つ、その覚悟を持つことはとても大切なことです。
ペットロス
愛犬を見送った飼い主さんの間で広く知られている散文詩に、「虹の橋(Rainbow Bridge)」があります。それによると、愛されて育った愛犬は、天国へ渡る橋(虹の橋)のたもとで、のびのびと過ごしながら、唯一、心残りである、自分を愛してくれた飼い主を案じ、そしていつか飼い主がこの世を去った時には、一緒に天国への橋を渡る・・・とまあ、そんな内容の詩なのですが、おとぎ話といえばそうでしょうし、宗教観の違いからくる違和感もあるかもしれません。それでも、この「虹の橋(Rainbow Bridge)」が世界中で広く知られているのは、愛犬を亡くして喪失感に陥っている飼い主さんの心を慰めるだけでなく、大切な教えが入っているからです。
- 夭逝でも長い闘病に苦しんだ末でも同じ、平均寿命とされる年月なんて関係ない
- 自分を必要とされる喜びを知り、愛されることで満たされている
あの時こうしていたら?
もっとこうしていたら?
たらればには限りがなくて、後から後からやってくる後悔の波の中で、溺れそうになる、いっそ、溺れ死にたくなる・・ペットロスに苦しむ人々がいらっしゃることでしょう。反省も後悔も、そして泣きに泣くことも残された者の心のために大切な過程ですが、愛犬を慈しみ愛していたということは、誰よりも愛犬が知っています。「虹の橋」の詩を借りれば、だから虹の橋のたもとの住人になれているというわけです。
愛犬がくれた様々なギフト(笑えるエピソード、印象的なエピソードなど)を少しづつ思い出して、笑って話せる日がいつか訪れます。そのタイミングを拒絶しないで、愛犬の事を1番愛していたのは自分だ!と胸を張って下さい。虹の橋のたもとで待っている愛犬が見たいのは、1番大好きだった飼い主さんの笑顔に違いありません。
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最後に
今日も、日本のどこかの保健所に犬が預けられます。今日も、日本のどこかの保健所で殺される犬がいます。
かつて飼い犬だった彼・彼女らは、人間に愛される事を知り、棄てられる絶望を知っています。
事情があるから仕方がなかったとか、その犬の「天命」「運命」ではないの?と片付けるのは、人間のエゴとしか言いようがないのではないでしょうか?
生まれた犬が、みんな「虹の橋」のたもとに辿り着けます様に。祈らずにいられません。
ユーザーのコメント
40代 女性 ミッキーママ
30代 女性 華梨
20代 女性 ミミ
20代 女性 ケープ
女性 れな
40代 女性 未来のママ
40代 女性 ジュンジュン
50代以上 女性 モモママ
何も考えず今だけを生きている姿を見ているととても健気に思います。命は犬も人間も1つしか無い大切なものです。動物と暮らすときには「命を預かる事の大切さ」を考えたいですね。
40代 女性 未来のママ
50代以上 女性 咲-Saki-
20代 女性 ういたん
40代 女性 犬好きやめられません!
現在飼っているのは、年齢不詳のミックス犬雄。保健所の掲示板を見て5年前に引き取りました。その当時すでに6~7歳と推定されていたので、今では立派なシニア犬です。今年の夏はとても暑く、我が家の犬にとっては試練の夏でした。食欲低下でふらつく、目もみえにくくなってぶつかる、様々な老化現象が出てきましたが、その都度餌を変えたりトイレ誘導したり、可能な限り寄り添ってきました。
いろいろ失敗するようになってきたけど、それも全て受け入れて一緒に生活しているので、犬も安心して過ごしているように見えます。近い将来決別の日がやってきますが、その時まで穏やかに楽しく過ごさせてあげようと思っています。
女性 匿名
衰えはまだ見えませんが、散歩で引かれる事が減り、比較的穏やかに歩くようになりました。
目は白内障になり点眼薬で治療中です。
毎日の散歩をとても楽しんでいて弾みながら歩いています。
後どの位こうして歩けるのかと寂しさがこみ上げる事もありますが、今を楽しむ我が子の姿に癒されています。
毎日が楽しく、幸せの積み重ねをしています。
病気になったら適切な治療をして元気を取り戻してくれるように、保険に加入しました。70%をカバーしてくれます。
看護への覚悟は日々固めていますが、その時にならないと分からない事が沢山あります。介護用品を見てみたり、皆さんの書き込みを参考に勉強しています。
安易に治療をすると余計に具合が悪くなる事もあるそうなので、先生と相談してきちんとした判断を仰ぎながら様子を見るのも大切かなと思っています。
どんな別れにせよ後悔はするそうなのですが、最期の瞬間に立ち会えるようにしっかりとした考えを持っていたいです。
50代以上 女性 ガラコ
トイプーは体の毛を口の中に絡まれた状態で、お医者も気が付かず1歳より歯槽膿漏、尾も振ることが出来ず、毛も抜け落ちている状態で1っ歩も歩くことができない状態できましたが、愛くるしく今も頑張っています。毎月の犬との旅行にもこれが最後かな?ってたくさんたくさん一緒にいるようにしています。我が息子たちわたしも頑張って長生きしなきゃ
50代以上 女性 おばさん
10月の下旬体調の異変に気付き病院に!
黄疸もありかなり厳しい状況だったと思いますが愛犬は最期の4週間濃い時間を作ってくれました!
本当に頑張って私達家族に素敵なかけがえのない想い出を残してくれました!
でもまだ辛く哀しく淋しいですが沢山の想い出を笑顔で前に進んでいます!
50代以上 女性 匿名
つい先日、友人から聞いた話ですが、その家の飼い主さんは、お散歩は行っているようですが、いつもゲージに入れっぱなし だそう!話を聞いて悲しくなりました。愛犬のこと考えてあげない飼い主さんは許せないです。
今はテレビで可愛い子犬が出て、簡単に飼ってしまう人が多すぎと思います!どうにかならないでしょうか。
50代以上 男性 れもん
50代以上 女性 レイ
30代 女性 匿名
痙攣を起こしてから2日後の早朝に静かに息を引き取りました。最後の朝は不思議ですがなぜか家族揃って、いつもより一時間早く目が覚めました。
喉が渇いているだろうとスポイトでお水を飲ませました。前日は一滴の水も飲まなかったのに母に抱きかかえられながら喉をコクコク鳴らしながら水を飲んでくれました。それからウンチを2回してオシッコもして体の中を綺麗にして旅立つ準備をしたみたいでした。最後は動けなくなった身体なのに片足を精一杯あげてだんだん呼吸も静かになって亡くなりました。
まるで、片足をあげて何かを伝えようとしていたように感じてなりませんでした。
家族にお別れを言おうと明け方まで旅立つのを待って居てくれたんだなと思い最後までありがとうと言う気持ちでいっぱいです。
愛犬を亡くして今日でちょうど1カ月ですが、会いたくてふっと涙が止まらない時があります…。でも虹の橋の詩を呼んで少し気持ちが楽になりました。
犬や猫も姿形が違うだけで命あるものは感情があります。愛情を注げばその倍以上の愛情を返してくれます。今もどこかで虐待や飼育放棄や保健所の動物たちが数多くいます。悲しく痛く辛い思いをしなくてすむように動物に責任と愛情を注げる人が増えて欲しいと強く願います。
40代 女性 わた
三年と余命を言われ覚悟したつもりですが、今のところ薬で安定していてぱっと見は病気とわかりません。病気で覚悟してても亡くなればきっとそれでも辛いだろうなと思います。事故よりは覚悟はありますが、、、
事故でなくなわれたら突然だから、ショックは大きいでしょうね。
事故のないように飼いたいですね。
20代 男性 匿名
いつか必ず訪れる半永久的な別れ、いつになるかわかりません。今しか生きれないからこそ今を大切にしましょう。それが必ずギフトとなり貴方に笑顔をくれるでしょう愛犬がくれたギフト。それが貴方を笑顔にする思い出。それは何年たっても色褪せない。
40代 女性 あひる
心臓が急に悪くなり肺水腫でした。
気圧の変化で日々体調が変わり辛そうになる小さな身体を見るたびに側に寄り添う事しか出来ませんでした。
17歳になるキャバリアも4年前から介護が始まり昨年からは、立ち上がる事が出来なくなり、水を飲む、排泄などは、昼夜問わずランダムに起る事で特に排泄は室内でするようしつけていたのですが、お散歩で済ませる事に慣れてしまいいつしか室内では出来なくなってしまったのでとても大変な日常になりました。
最近は痴呆かな?と思う事もあり私の姿が見えないともともと無駄吠えはしなかったので吠えるというより叫ぶような声を出すようになりお留守番もさせられなくなりました。お互いに依存してしまって離れられなくなっています。
きっとこの先何年も一緒にはいられないのだと思う事現実が迫ってきているように感じています。
毎日のこの生活で私自身辛く感じる事もありますがそんな時は愛犬チャーリー を抱き上げ抱きしめる事を繰り返しています。
その気持ちが伝わり穏やかに寝息を立てるチャーリー が愛おしく今日もまた一緒に過ごせる事に感謝しています。
50代以上 女性 匿名
50代以上 女性 みま
とにかくわたしの気持ちをすごく敏感に察知してくれる我が家ではIQ高いボスドックとよく言っています。今や子供より愛おしいいです。でも、やはりあと何年一緒にいられるのかと考えただけで涙が止まりません。わたしが買い物に1時間行ったとしたらこの仔にとっては4時間のお留守番。なんて考えてしまいます。好きなものを好きなだけ食べさせてあげたいなぁとも考えてしまいます。きっと凄いペットロスになるでしょう。