犬がおかわりを求めているときのサイン4つ

犬はもっとごはんを食べたいとき、さまざまな行動で飼い主さんにアピールします。では、犬はどのような行動で「おかわりがほしい」「もっと食べたいよ」と飼い主さんに訴えているのでしょうか?ここでは、犬がおかわりを求めているときのサインを4つご紹介します。
1.食器の前から離れずに飼い主をじっと見つめる、チラチラ見る
ごはんを食べ終わったあとも、犬が食器の前からなかなか離れず、オスワリやフセの姿勢で飼い主さんをじっと見つめたり、チラチラ見たりすることがあります。この行動は、「もっとちょうだい」という静かな要求と考えられます。
この無言のプレッシャーに負けて安易におかわりを与えてしまうと、「こうすればおかわりがもらえる」と犬が学習してしまう可能性があるため注意が必要です。
2.クンクン鳴く、吠える
甘えるようにクンクン鳴いたり、吠えたりするのは、犬がおねだりしたいときの代表的なサインです。おかわりをおねだりするときにも、このサインをよく見せます。
愛犬に鳴いたり吠えたりされ続けると、「かわいそう」「静かにしてほしい」といった気持ちから、飼い主さんが根負けしておかわりを与えてしまいがちです。しかし、このような対応は、鳴いたり吠えたりしておねだりする行動をエスカレートさせる原因になります。
3.食器をくわえて持ってくる
おかわりを求める犬の中には、空になった食器をくわえて飼い主さんのところへ持ってくる子もいます。これは、非常に分かりやすいおかわりサインです。また、飼い主さんの心をくすぐる行動でもあるでしょう。
そのため、ついおかわりをあげたくなりますが、ここでそうしてしまうと、「要求が通った」という成功体験を与えることになります。一度でも成功すると、犬はこの行動を繰り返しやすくなります。
4.空の食器を舐め続ける
ごはんを食べ終えたにもかかわらず、熱心に食器を舐め続ける行動も、犬がおかわりを求めているサインのひとつです。
食器にわずかに残った食べかすも食べ尽くそうとするこの行動は、「もっと食べたい」という欲求の表れと考えられます。飼い主さんに直接的におかわりを要求しているわけではありませんが、食事量を見直したり、満腹感を与える工夫をしたりしてあげるとよいでしょう。
犬のおかわりサインへの上手な応え方は?

愛犬がおかわりを求めるサインを見せた際に、安易におかわりを与えてしまうのは、健康としつけの観点からよくありません。では、愛犬のおかわりサインに対して、飼い主さんはどのように応えたらよいのでしょうか?ここからは、犬のおかわりサインへの上手な応え方をご紹介します。
1.無視をする
犬がおかわりサインを見せた場合には、無視で対応するのが基本です。おかわりサインを見せたからといっておかわりを与えてしまうと、食べすぎで肥満になったり、要求行動が強化されたりする可能性があります。適切な食事量を与えているのであれば、おかわりは必要ありません。
愛犬のおかわりサインに対して無視で応じるのはかわいそうに感じるかもしれませんが、肥満になってしまうほうがかわいそうです。一貫して無視で対応し続けることで、愛犬は「おねだりをしても無駄」と学習し、次第におかわりサインを見せなくなるでしょう。
2.満腹感を与える工夫をする
おかわりサインを見せる愛犬には、無視で対応しつつ、満腹感を与える工夫をして、おかわりを求めなくても済むようにしてあげましょう。
例えば、1日の総給餌量は変えずに食事回数を増やしたり、ドライフードをふやかしてかさ増しをしたりする方法があります。また、早食いは満腹感を得にくくするため、早食い防止の食器を使って、食べるスピードを遅くするのも有効です。
おかわりを求める犬の健康を守るための注意点は?

愛犬の健康を守ることは、飼い主さんの重要な役目のひとつです。ごはんのおかわりは、愛犬の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。ここでは、おかわりを求める愛犬の健康を守るために、飼い主さんが知っておきたい注意点を3つご紹介します。
1.肥満に注意する
愛犬におかわりを頻繁に与えることの最大のリスクは、肥満です。肥満は「万病の元」と言われる通り、糖尿病、心臓病、膵炎、関節炎など、さまざまな病気を引き起こす原因となります。
愛犬が肥満にならないようにするには、食事とおやつの摂取カロリーが、愛犬に必要な1日の総カロリーを超えないようにすることが大切です。愛犬におねだりされても、心を鬼にして安易におかわりを与えないようにしましょう。
2.おねだり癖をつけない
愛犬のおかわりの要求に応じてばかりいると、要求行動が強化され、おねだり癖がついてしまいます。このおねだり癖は、飼い主さんがつい食べ物を与えすぎてしまう原因となり、結果として愛犬の肥満を招くことになります。
一度ついたおねだり癖を直すのは容易ではないため、最初からその癖をつけないようにするのが最善の策です。前述したように、おかわりを求められても無視で対応し、満腹感を与えられるように食事に工夫をしましょう。
3.病気の可能性も考える
異常におかわりを求めるのは、単なる食いしん坊ではなく、病気のサインかもしれません。糖尿病やクッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)などは、異常な食欲増進が症状のひとつです。もし食欲増進とともに多飲多尿の症状も見られる場合は、病気の可能性が高いため、早めに動物病院を受診しましょう。
愛犬が急に異常におかわりを求めるようになった場合は、病気の可能性も考えることが大切です。
まとめ

犬はおかわりを求めるとき、飼い主さんをじっと見つめたり、食器をくわえて持ってきたりと、さまざまなサインを見せます。愛犬がこれらのサインを見せた場合は、安易におかわりを与えずに無視で対応しながら、満腹感を与える工夫をしましょう。
また、おかわりを求める愛犬の健康を守るためには、肥満やおねだり癖を防ぐとともに、異常なおかわりの要求に対しては、病気の可能性も考慮することが大切です。



