シニア犬にイキイキ生活してもらうための秘訣
犬の平均寿命はおおむね15歳前後です。シニア犬と呼ばれる年齢は7歳前後で、気づけば愛犬もシニア期を迎えた…としみじみ感じる飼い主さんも多いでしょう。
シニア期になると、体や心にさまざまな変化があらわれます。白髪が増えたり、食欲にムラが出たり、動作がゆったりになったりするのはその典型です。
愛犬の変化に敏感に気づき、それに合わせた対応を心がけることで、シニア犬もイキイキとした生活を送ることができます。
1.年齢や健康状態に合わせて食事を見直し、工夫をすること
シニア犬の生活を支える上で大切なのは、年齢や健康状態に応じて食事を見直すことです。
シニア犬になると代謝が落ち、消化機能や腎臓・肝臓の働きも低下します。若い頃と同じ食事では、内臓に負担をかけてしまうことがあります。炎症が起きると腹痛などで食事を拒むこともあるため注意が必要です。
シニア犬用の食事は、内臓に負担をかけないようカロリーや脂質を控えめにし、消化吸収に配慮して作られています。健康状態によってはタンパク質や脂質をさらに調整する必要がある場合もあります。
愛犬に合った食事を知るためには、まずシニア犬用の健康診断を受けることもおすすめです。
2.無理のない程度にお散歩や運動を続けること
散歩や運動は、シニア犬の筋肉や関節の柔軟性を維持するだけでなく、血行促進にも役立ちます。外の空気やニオイを感じることは、脳への刺激となり、気分転換にもなります。
外出が難しい場合は庭で過ごすだけでも十分です。室内で運動を取り入れる場合は、隠されたおやつを探す遊びなどがおすすめです。「嗅ぐ」「探す」「得る」といった行動は、犬の本能を刺激し、ストレス解消や心のケアにもつながります。
3.暮らしの環境を整えること
シニア犬は思うように体を動かせなくなることがあります。転倒やケガのリスクが高まるため、寝床や歩行環境に配慮することが重要です。
高さのあるベッドやふかふかすぎるクッションは、つまずきやすくなる可能性があります。また、シニア犬は体温調節が苦手になるため、室内の温度や湿度を管理し、室温計を置くなどして一目で確認できる環境を整えましょう。
4.定期的な健康診断を受けること
シニア犬は、若い頃より健康診断の頻度を増やすことが大切です。持病や健康状態によっては、半年に1回、数カ月に1回といったペースが必要になる場合もあります。
シニア犬は病気に気づきにくく、1年で状態が大きく変化してしまうこともあります。元気なうちに定期的な健康診断を受けることで、早期発見・早期治療につなげることができます。
元気なときに受ける検査は、犬の体への負担も少なく済みます。日々の観察と合わせて、定期診断を習慣にしましょう。
まとめ
シニア犬にイキイキ生活してもらうためには、次のポイントが大切です。
- 食事は消化機能に配慮し、脂質やタンパク質の過剰摂取を避ける
- 無理のない範囲で散歩や運動を習慣にする
- 愛犬の体や心の変化に合わせ、暮らしの環境を整える
- 日々の観察と定期的な健康診断で健康状態を管理する
これらを意識することで、シニア犬も元気で充実した毎日を過ごすことができます。