愛犬の排泄介護の方法と飼い主が覚えておきたい注意点

愛犬の排泄介護の方法と飼い主が覚えておきたい注意点

さまざまある犬の介護の中でも特に配慮や工夫が必要とされている「排泄の介護」。飼い主はどのようなことに気をつけて行なっていけば良いのでしょうか。動物介護士資格を持つペット終活アドバイザーが解説します。

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以前はトリマーとして働いていましたが、愛犬を亡くしたことをきっかけにペットロスカウンセラーに転身しました。現在はペットロスカウンセリングやグリーフケアを行う一方で、Webライターとして動物に関する記事を執筆しています。

排泄介護にはなぜ配慮や工夫が必要?

睡眠中の犬

犬だけではなく、私たち生き物にとって「排泄」は、「食事」と同じくらい生きる上で重要なことですよね。

排泄という習慣は生き物の基本本能ですから、どんなに歳をとって物忘れが激しくなったとしても、完全に忘れることはありません。

しかし、歳をとった犬や病気で自由に動けなくなってしまった犬にとっては、排泄も一苦労です。

トイレまで間に合わなくなって失敗してしまうことも増えるので、負担を感じる飼い主さんも多いかと思います。でも、そうしたストレスを感じているのは、決して人間だけではありません。

「自力で決まった場所で排泄をする」という、これまではごく自然にできていたことができなくなってしまうという事は、犬であっても大きなストレスになっているということを忘れないようにしましょう。

愛犬に対する排泄介護では、「愛犬の気持ちを汲み取った対応」や「トイレの失敗を少なくする工夫」が求められます。

飼い主さんは大変なことも多いかと思いますが、これからお話していくことを踏まえつつ排泄の介護に取り組んでみてくださいね。

ふらつくが自分で排泄できる犬の介護

太ももに顔を乗せてる犬

まずは、ふらつきながらも自分からトイレで排泄することができる犬への介護方法をご紹介します。

トイレの位置を確認

初めに確認しておきたいポイントは「トイレの場所は適切か」ということです。

シニア期に入りトイレを失敗することの増えた犬の場合、認知機能の問題だけではなく「トイレが遠くて間に合わなかった」というケースが非常に多いです。

これまでは難なく行けていた場所であっても、足腰が弱ってきたシニア犬の場合では、そこにいくまでに時間がかかってしまうこともあります。

犬が普段過ごしている場所からトイレまでの位置や導線を確認して、何か愛犬にとって不便そうな箇所があれば、トイレの場所をずらしてみましょう。

ただし、トイレの場所を大幅に変更してしまうと、かえって犬が混乱してしまう場合もあるので注意が必要です。

腰付近を支えてあげる

足腰が弱くうまく立っていられない子の場合、トイレまでは無事にたどり着いても、その後失敗してしまうことも珍しくありません。

飼い主は、愛犬の前か後ろに立って、腰あたりを優しく支えてあげるようにしましょう。太ももの付け根あたりを両手で支えるようにすると、犬は自然な排泄の体勢を保つことができますよ。

オムツは最後の手段に

自力で排泄ができたとしても失敗が多くなってくると、やはり飼い主には大きな負担がかかりますよね。そのため、オムツの着用を検討する飼い主さんも多いかと思います。

もちろん、オムツを取り入れることは悪いことではありません。しかし、「自力でトイレで排泄をする」というのは、犬の生活の質を保つためにも大切なことです。

犬の介護の目的は「その子が最期までその子らしく生きられるように」という部分が大きいです。つまり、“愛犬の生活の質を保っていくこと”が介護を行う飼い主にとって重要課題とも言えます。

ですから、あくまでも「オムツは最後の手段」としてとっておいて、飼い主や周囲の人の手が届く限りは、極力オムツは使わずに介護を行なっていきましょう。

寝たきりの犬への排泄介護

睡眠中の犬

次に、寝たきりになった犬への排泄介護についてお話します。

寝たきりになってしまうとトイレでの排泄は困難になりますから、先ほどお話したようにオムツを使うのもいいかもしれません。

しかし、オムツの場合だと、飼い主が汚れていることに気づかずにうっかり放置してしまうこともあります。こうなると、犬は皮膚炎を起こしやすくなってしまうので注意が必要です。

オムツでもいいのですが、愛犬のお尻付近にペットシーツを敷いておくと汚れたことがすぐにわかるのでおすすめです。

おむつでもペットシーツでも汚れたらすぐに交換して、愛犬の体もきれいに拭いてあげるようにしてくださいね。

自力で排泄ができない犬への介護

睡眠中の犬

先ほど「排泄は基本本能なので完全に忘れることはない」とお話しました。

しかし、排泄の本能は備わっていても体がいうことを聞かず「排泄機能がなくなった」と診断を受けるケースもあり得ます。

こうして排泄機能を失った犬の場合は、膀胱を圧迫して排尿をさせる「圧迫排尿」や肛門に指を入れて直腸に溜まった便をとる「摘便」が必要となります。

ただし、これらが必要となった場合、まず最初に担当の獣医師からレクチャー指導が入ります。ですから、飼い主は決して独断・自己流で行わないようにしてください。正しく行わないと、犬の内臓に負担をかけてしまうので注意が必要です。

また、カテーテルをつなぐ方法もありますが、これも自宅では困難な場合がほとんどですので動物病院で入れ替えを行います。

どの方法であっても、担当の獣医師の指示を仰いで正しく排泄介護を行うことが重要です。不安なことがあれば、その都度、獣医師の先生や動物看護師さんに相談をしてくださいね。

飼い主が気をつけておきたいこと

最後に、愛犬の排泄介護を行うにあたって、飼い主であるみなさんに気をつけていただきたいことについてお話します。

犬の体や部屋の中はきれいに

先ほどもお話したのですが、オムツやペットシーツをこまめに取り替えないでいると、皮膚炎を起こしてしまうことがあります。

自力で排泄できる子であっても排便の際に力が入らず、肛門周りにうんちが’残ってしまうこともあるので、飼い主はこまめに愛犬の体やお尻周りを拭いてあげるようにしてください。

また、感染症などを防ぐためにも、犬の体だけではなく犬の過ごしている部屋の環境もできる限り清潔に保つように意識しましょう。

失敗しても叱らない

この記事の冒頭で「排泄介護は人間だけではなく犬もストレスが溜まる」というお話をしました。犬にとっても、排泄に失敗してしまうことはとても悔しくてつらいことです。

ですから、例えトイレで失敗をしてしまっても、飼い主さんは愛犬を叱らないようにしてください。犬を叱るのではなく「どうしたら次は失敗しないで済むか」を考えてあげるようにしましょう。

頑張りすぎはNG

排泄に限りませんが、犬の介護はつい飼い主が一人で頑張ってしまいがちです。

ですが、そうして一人きりで気張ってしまうと、介護疲れによる精神疾患や愛犬が旅立った後のペットロスの重症化にもつながりかねません。

愛犬の介護はあくまでも「飼い主と愛犬の双方が幸せに過ごすための手段」ということを忘れないようにしましょう。

頼れる人には頼りつつ、無理をせずに愛犬の介護を行なってくださいね。

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