「ペット終活」とは?
「そもそも“ペット終活”って何?」と感じる飼い主さんもいるかもしれませんね。
「終活」とは「人生の終わりのための活動」のことを言います。
人間でも終活として、身の回りの整理をしたり財産分与をしたり、お墓や葬儀の準備を生きているうちから行う人も増えてきました。
では、「ペットの終活」では一般的にどのようなことが行われているのでしょうか。
これに正解・不正解はありませんので、ご参考までにお読みください。
「思い出ノート」をつくる
あなたが愛犬と出会ったのは、いつ、どこででしたか?
十何年という人も、たった数ヶ月だとしても、「大切な家族」として一緒に過ごしてきた日々は飼い主にとっても愛犬にとっても大切な思い出となります。
その日々は誰にも奪われることはありませんし、いつまでも消えてしまうことはありません。
その大切な思い出をアルバムのようにまとめておく「思い出ノート」をつくっておくと、愛犬が旅立った後にもその大切な思い出たちが飼い主さんの心のより所となってくれます。
お気に入りの場所に行く
公園だったりいつものお散歩コースだったり、たとえ遠出ではなくても大好きな飼い主さんと過ごした場所に行くことは、終末期を迎えたワンちゃんにとって、とても嬉しいことなのです。
私がペットロスカウンセラーとして活動している中でも、「最期に大好きな場所に連れて行けなかったことを悔いている」という飼い主さんは数多くいます。
ペットのためにも自分のためにも、ペット終活としてお気に入りの場所に連れて行ったり、大好きな人に会わせてみたりしてみると良いかもしれません。
ほかにも、「闘病中に我慢させていた好物を食べさせる」「家族写真を撮る」「肉球スタンプをとる」などがペット終活として行われていることが多いです。
シニア犬や病気を抱えた犬との向き合い方
では、シニアと呼ばれる年齢になったり病気を抱えたりして「人生の終わり」が見えてきた犬に、飼い主はどのように向き合っていけば良いのでしょうか。
ペット終活に重要な2点をご紹介します。
「シニア」「病気」というレッテルを貼らない
愛犬が病気にかかってしまった時や歳をとった時に、大切に思うあまりについ過保護になってしまう飼い主さんは多いかもしれません。
ですが、その際に「病気だから」とか「老犬だから」など思ってしまうのは要注意です。
愛犬は何歳になってもどんな状態になっても「その子のまま」なのです。
決して「病気ちゃん」「シニアくん」なんかではありません。
そういったレッテルを無意識に貼ってしまわないように気をつけましょうね。
ペット目線でいることを忘れない
病気になったり、シニアと呼ばれる年齢になり「愛犬の死」が脳裏を横切るようになったりした時に、私たち飼い主は心に余裕がなくなります。
そうなってくると、つい「ペットの目線」で物事を考えることを忘れてしまうのです。
例えば、歳をとった愛犬が心配で「外に出てはだめ」など制限をかけてはしまっている人もいるのではないでしょうか。
実は私自身もそうだったのですが、こうしてしまうと愛犬は「どうして?」と不安を抱いてしまうのです。
犬にも「体がだるい」などという感覚はもちろんありますが、「病気だから」とか「歳をとったから」という理由まではわからないですからね。
常にペット目線でいることを忘れずに、「この子だったら何をしたいか」や「どう思うか」などを考えるようにしましょう。
ペットの終活を行う際の心構え
「ペット終活」とはどのようなものなのか。そして、シニア犬や病気を抱えた犬との向き合い方についてお話してきました。
最後に、ペット終活を行う際に飼い主はどのような心構えが必要なのかをお話します。
愛犬にとって安心できる場所を守る
先ほどもお話したように、どんなに頭のいい犬であっても「理由」や「今の詳しい状況」までを理解するのは難しいことです。
そんな何もわからずに過ごす愛犬にとって、唯一安心できるのは「いつも通りの日々」なのです。
大好きな家に、大好きな飼い主さんと一緒にいる。そんな「いつも通りの日々」と「安心できる場所」を守っていけるよう、飼い主さんは心がけましょう。
「今、自分にできること」を考える
「終活」と聞いて悲しく思う人もいるでしょう。
ですが、「まだできることがある」ということを忘れないでください。
大切な愛犬のために今、自分には何ができるのか?
きっとまだまだたくさんの選択肢があるはずです。愛犬の様子を見守りながら、一緒に考えてみてくださいね。