【ペット終活のまとめ】ペットロスとの向き合い方

【ペット終活のまとめ】ペットロスとの向き合い方

ペット終活を行い愛犬との時間を濃く充実したものにできたとしても、命あるものの宿命として必ず最後にはお別れの時がやってきます。愛する家族との別れの後、「ペットロス」と呼ばれる状態に陥る人も珍しくはありません。今回の記事では、ペット終活のまとめとして「ペットロスとどう向き合っていけば良いのか」をペットロスカウンセラー・ペット終活アドバイザーの視点からお話していきます。

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記事の提供

以前はトリマーとして働いていましたが、愛犬を亡くしたことをきっかけにペットロスカウンセラーに転身しました。現在はペットロスカウンセリングやグリーフケアを行う一方で、Webライターとして動物に関する記事を執筆しています。

ペットロスとは?

見つめるトイプードル

人と一緒に暮らす動物たちが単なる「ペット」ではなく「家族」として扱われるようになった昨今、「ペットロス」という言葉を耳にすることも増えたように感じます。

ですが、一体「ペットロス」とはどのような状態のことをいうのでしょうか?

「ペットロス」は病気ではない

ペットロスとは、死別や行方不明・盗難などによる大切なペットとの別れが原因で起こる精神的・身体的な不調のことを言います。

ペットロス自体は病気ではありません。ですが、重症化してしまうとうつ病などの精神疾患につながってしまうことも珍しくはないのです。

ペットロスの主な症状

先ほどもお話したようにペットロスは病気ではありませんが、深い悲しみに襲われるため以下のような症状が強く現れることがあります。

  • 突然涙が出て止まらない
  • 疲労感や無気力感
  • 幻覚や幻聴
  • 不眠
  • 吐き気
  • 集中力の低下
  • 自責感や罪悪感

ペットロスカウンセラーである筆者も、愛犬を亡くしてペットロスに陥った過去があります。

その際にはやはり上記の症状が現れて「愛犬の後を追ってしまいたい」と思うくらいに毎日がつらいものでした。

ペットロスで通る「5つの段階」

落ち込む女性

ペットロスで現れる症状をご紹介しましたが、人によって現れる症状もそれが続く期間も異なります。

しかし、不思議ではありますが「段階」と言われるものは多くの人に共通する過程ですので、ここで詳しくご紹介します。

1.否認・孤立

愛犬を亡くしてまず通るのがこの「否認・孤立」の段階で、簡単にいうと愛犬の死を認めることができずにいる段階です。

「じつは寝ているだけなのかも」とか「埋葬するのが怖い」などの心理が働きます。

2.怒り

そして、ここが「悲しみのピーク」と言われる過程です。

愛犬の死を認識し「あの子が死んだのは自分のせい」とか「動物病院での治療法が悪い」など、自分や他人に対して怒りが込み上げてきます。

「あの時ああしていれば……」と強く後悔してしまうのもこの時期です。悲しみのピークでもあるので、この時期は涙を我慢せずにしっかりと悲しむことを大切にしましょう。

3.取引

悲しみのピークが過ぎ去ると、今度は亡くなった愛犬の復活を望むようになります。

「あの子が生き返る方法はないか」とか「クローンでもいいから会いたい」など、愛犬ともう一度会いたいという気持ちが強く現れ、何でも良いからすがりつきたいという気持ちが押し寄せてきます。

この段階では、愛犬が旅立ったという事実をしっかり受け入れることがカギとなります。

この時期には葬儀を行ったり、これからの供養の方法を考えたりしてみましょう。そうすることで自分の気持ちの整理をつけやすくなりますよ。

4.抑うつ・落胆

気持ちの整理がついて落ち着きを取り戻すと、今度は「やっぱりもう会えないんだ」と深い悲しみに襲われます。

強い疲労感や無気力に苛まれ、人によっては軽いうつ状態に陥ってしまうこともあります。

仕事や家事などの日常のことが手につかず「悲しい」という気持ちから抜け出せない日々が続くので、この期間もとてもつらい時期ですが、もうしばらくの辛抱です。

「どうしたらあの子がお空でも幸せになれるのか」を考えるようにしてみましょう。

5.受容

「愛犬がお空でも幸せになるには」とか「今からでもできることはないか?」と考えて実行することによって、心境もどんどん変化していきます。

「私がこれだけ愛していたんだから、あの子はちゃんと幸せだった」、「あの子は寿命を全うしたんだ」など、現実を受け入れて認めることができるようになるのです。

悲しみが完全に消えるわけではありませんが、愛犬と過ごした日々を大切な宝物として思い出せるようになり、通常の生活が送れるようにもなります。

ペットロスとの向き合い方

散歩する飼い主と犬

ここまでお話してきたように、ペットロスには段階がありいつまでも続くものではありません。

ですが、ペットロスと言われる症状が改善するまでに1年ほどかかってしまう場合もあり、毎日がとても長くつらく感じてしまいます。

ここからはペットロスと向き合う際に、心に留めておいてほしいことについてお話していきます。

ペットロスは自然なこと

まず、ペットロスに陥ることを「変」とか「恥ずかしい」なんて思わないでください。

大切な家族が亡くなったのですから、悲しくて涙が溢れてしまうのはとても自然なことなのです。

もしかしたら、周囲の人から「犬くらいで大袈裟」なんて心無い言葉をかけられることもあるかもしれません。

優しい人からも「ずっと泣いていると〇〇ちゃんが心配するよ」と言われることもあるでしょう。

ですが、「しっかりと悲しむ」という過程は、先ほどの段階を進んでいくためにも必要な過程です。

涙が溢れてしまうのは愛犬への愛情が溢れているのだと思って、我慢せずに心のままに悲しんでください。

「克服」ではなく「受け入れる」

ペットロスに対して「克服する」とか「抜け出す」という表現をする飼い主さんを多く見かけます。

私も実際、ペットロスで苦しんでいた時は「早く抜け出したい」と必死でした。

ですが、今ペットロスカウンセラーという立場になってみて、ペットロスは「克服する」のではなくて「受け入れて、うまく付き合っていく」ということが大切なのだと強く感じているのです。

私がよく相談者の飼い主さんにお話しするのが「ペットロスは蟻地獄のようなもの」でもがけばもがくほど苦しくなってしまうのだということです。

「この日々から早く抜け出したい」と感じてしまう気持ちも痛いくらいにわかるのですが’、先ほどもお話したように今の苦しい感情たちもごく自然なもので「欠けていてはならない大切な感情」なのだということを忘れないでください。

それを心に留めておくと、ペットロスとの向き合い方も段々と自分の中で見えてくるはずです。

姿が見えなくても愛犬は今もそばにいてくれる

いつも一緒にいた愛犬の姿が見えなくなるのはとても寂しくて悲しいことです。でも、「死」は決して「終わり」ではないということを忘れないでください。

愛犬は確かにここにいて、あなたとたくさんの思い出をつくってきました。これまであなたと愛犬が築き上げてきた大切なものは、これから先も崩れてなくなってしまうことはありません。

愛犬の姿が見えなくなってしまっても、きっといつまでもあなたの幸せを祈り見守っていてくれると思います。

いつか私たちが命を全うして愛犬と再会できる日が来るまで、私たちも愛犬たちの天国での幸せを祈りましょう。

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