犬と暮らしている人みんなに知っておいてほしい「ペットロス」について

犬と暮らしている人みんなに知っておいてほしい「ペットロス」について

近年「ペットロス」という言葉を耳にすることは増えましたが、動物と暮らす人々であっても詳細までを知る人は少ないように感じます。今回はペットロスカウンセラーの視点から、ペットロスについて詳しくお話します。

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以前はトリマーとして働いていましたが、愛犬を亡くしたことをきっかけにペットロスカウンセラーに転身しました。現在はペットロスカウンセリングやグリーフケアを行う一方で、Webライターとして動物に関する記事を執筆しています。

ペットロスとは?

飼い主の足元で横になってる犬

「ペットロス」は犬と暮らしているみなさんであれば、一度は聞いたことのある言葉かもしれませんね。

「ペットロス症候群」という言い方をする場合もあるため「病気」だと思っている人も多いのですが、ペットロスは決して病気ではありません。

ペットロスは直訳の通り「ペットを失う」という意味を持ち、最愛のペットを亡くしたり盗難や迷子によって自分の元からいなくなってしまったりした時の飼い主の精神状態のことを指します。

「飼い主の精神状態」と一言に言っても、飼い主の性格やペットとの関係性によってもこれは異なるかと思います。

しかし、多くの飼い主は最愛のペットとの別れによって「深い悲しみ」を抱きます。

そうしたペットとの別れで負った深い悲しみが原因で起こる精神的・身体的な不調のことを総じて「ペットロス」と言うのです。

ペットロスで起こる症状

飼い主と一緒に横になる犬

では、ペットロスに陥ると一体どのようなことが起きるのでしょうか?先ほどもお話した通り、ペットロスは病気ではありません。

ですが、飼い主は精神的に強いダメージを受けることに変わりないので、さまざまな症状が現れることがあります。

人によって症状は異なりますが、一般的に多いペットロスの症状は以下の通りです。

  • 急に涙が出て止まらなくなる
  • 拒食や過食
  • 不眠
  • 吐き気
  • 幻聴や幻覚
  • 疲労感や無気力

私自身も愛犬を亡くしてペットロスに陥った経験があるのですが、私の場合は拒食や不眠の他に自律神経の乱れから起こる発熱もありました。

さらに、症状とは別に「強い罪悪感」を抱く飼い主さんはとても多くいます。

一生懸命に終末期の愛犬に対してサポートをしてきた飼い主であっても「あの時ああしていればもっと生きられたのではないか」と後悔の念を抱き、「あの子が死んだのは私のせい」と思い込んでしまうのです。

ペットロスはどのくらい続く?

見つめ合ってる子供と犬

ペットロスはとても辛くて苦しいです。「この状況はいつまで続くの?」と心配になる飼い主さんも、きっと多いでしょう。

ペットロスの症状が続く期間は人によってさまざまですが、早い人では1ヶ月ほどであらゆる症状は落ち着きます。

しかし、ペットロスカウンセラーとして多くの飼い主さんのお話を伺ってきた私の感覚としては、1ヶ月ほどで落ち着くという人は極めて稀です。

ほとんどの場合で数ヶ月かかりますので、焦らずに悲しみと向き合っていきましょう。

長い人では立ち直るまでに数年かかってしまうこともあるのですが、ペットロスは重症化してしまうと「うつ」などの精神疾患に発展してしまうおそれもあります。

ペットロスによる症状が1年以上続く場合には、無理をせず早めに心療内科や精神科を受診することをおすすめします。

ペットロスは自然なこと

ペットロスと聞くと「自分には関係のないことだ」と思ってしまう飼い主さんもいるかもしれませんね。

しかし、実際には動物と暮らす人の8割がペットロスに陥るとも言われており、決して一部の飼い主だけが陥るものではないのです。

犬の場合は忠誠心が強いため、人間と犬の間には特に深い信頼関係が生まれます。そういった愛犬と築いてきた関係性が、ペットロスの症状を強めてしまうケースも珍しいことではありません。

しかし、「ペットロスに陥る」というのは決して悪いことではありませんし、おかしなことなんかでもありません。

家族のように共に過ごしてきた愛犬が旅立っていって、どうしようもなく悲しいのは「ごく自然なこと」なのです。

この記事を読んでくださっている人の中には、現在犬と暮らしていて「いつかペットロスになってしまうのではないか」と不安に思っている人もいらっしゃるでしょう。

すでに愛犬を失って、今まさにペットロスで苦しんでいる飼い主さんもいるかもしれませんね。

しかし、ペットロスを過度におそれる必要はありません。焦ってしまう気持ちもわかりますが「悲しいのは愛犬への愛情の証」だと思ってくださいね。

ペットロスには、ゆっくり時間をかけて向き合っていきましょう。

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