ペット終活の「思い出ノート」のつくり方

ペット終活の「思い出ノート」のつくり方

「これをするべき」という正解はないペット終活ですが、愛犬の終活を行う飼い主さんの中でも多く実践しているのが「思い出ノートをつくる」ことです。今回はペット終活アドバイザーの視点から、思い出ノートにどんなことを書けばいいのか、それによってどのようなメリットがあるのかをご紹介します。

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記事の提供

以前はトリマーとして働いていましたが、愛犬を亡くしたことをきっかけにペットロスカウンセラーに転身しました。現在はペットロスカウンセリングやグリーフケアを行う一方で、Webライターとして動物に関する記事を執筆しています。

「思い出ノート」とは

犬と飼い主

まずは「思い出ノート」とは、そもそもどのようなノートを指すのかをお話していきますね。

思い出ノートはその名の通り、愛犬とのこれまでの思い出をまとめていくノートです。文字や写真、肉球スタンプなど、さまざまなツールを用いて愛犬との思い出を記していくと良いでしょう。

写真などを貼っていくアルバムをイメージすると分かりやすいかもしれませんね。

エンディングノートとの違い

人間の終活でも聞くことの多い「エンディングノート」とも似ていますが、エンディングノートの方は一般的に「最期にやりたいこと」「死後にこうして欲しい」などの希望を書いていくものです。

思い出ノートでは、先ほどもお話したように「アルバム」のように思い出を記していくのに加えて、エンディングノートのように「愛犬とのこれからのこと」も書いていくページもつくっていきます。

思い出ノートは、「アルバム+エンディングノート」と考えておくといいかもしれません。

思い出ノートをつくるメリット

犬と一緒に過ごす飼い主

では、思い出ノートをつくることによって、私たち飼い主や愛犬にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

もちろん、感じ方などは人によって違いますが、一般的な「思い出ノートをつくるメリット」は以下の通りです。

  • 愛犬との残りの時間を大切に過ごせる
  • 愛犬と飼い主、双方の悲嘆が軽減される
  • ペットロスの重症化を防げる

先ほども少しお話したように、思い出ノートの中にはエンディングノートの役割も含みます。

「愛犬の最期にこう過ごしたい」とやりたいことなどを目に見える形でまとめておくことで、愛犬との残りの時間を濃いものにしようと過ごせるようになります。

また、思い出ノートを書いたり読み返したりしている時間は、きっと愛犬との楽しかった日々のおかげで優しく暖かい気持ちになっているかと思います。

犬は人の感情を汲み取るのがとても上手な動物です。飼い主さんがそういった優しい気持ちになることで、愛犬の心もまた暖かいもので満たされ、飼い主・愛犬ともに少しではありますが「悲嘆」が軽減されるのです。

そして、どんなに愛犬を最期まで大切にしていても、旅立ったあとは深い悲しみに襲われます。

そんな時にこの思い出ノートを読み返すことで「こんなに愛して幸せな日々を過ごしていたのだから、今悲しいと思うことは自然なことなのだ」とありのままの感情を受け入れることができるのです。

大切な家族を失ったわけですから、ペットロスに陥ることも珍しいことではありません。しかし、もしペットロスに陥ってしまっても、このようにありのままの気持ちと向き合うことで「重症化」を防ぐことにつながります。

思い出ノートでつくりたいページ

犬とノート

先ほどからお話していますように、思い出ノートはアルバムとエンディングノートを組み合わせたようなイメージです。ここからは思い出ノートでつくることをおすすめしているページを詳しくご紹介します。

愛犬との出会いのこと

愛犬との出会いの日を思い出して、書き出してみましょう。

どこで出会って、どのように家族になって、どう名前を考えたのか……など、出会った時のエピソードをできるだけ細かく書き出してみてください。写真があれば写真を貼ってみてもいいですね。

「出会い」「名付け」の瞬間は幸せに満ちた時間だったはずです。「あなたからもらったあの時の幸せを、この先もずっと忘れないよ」と言う気持ちを込めて出会いのページをつくっていきましょう。

愛犬の「好き」や「嫌い」

みなさんの愛犬の好きなものや嫌いなものを書いていくページもつくってみてください。好きな場所や好きな食べ物、反対に嫌いだったり苦手だったりするものや場所も挙げてみましょう。

好きなものでも嫌いなものでも、すべて愛犬をつくり上げている「個性」の一つです。その個性はどれも愛犬の持っている宝物のようなものなのだと、優しい気持ちになってきますよね。

愛犬が過ごすいつもの景色のこと

いつも愛犬がどのような場所で過ごしてるのか、愛犬の気持ちを想像しながら書き出してみましょう。

「日の当たる窓辺で寝るのが日課」「ご飯は朝と夜の2回、大好きな煮干しのふりかけをかけたフード」「お散歩は夕方にお気に入りの公園で」など、日頃の何気ない情景を記録してみてください。

特にどこに出かける訳でもなくても、「当たり前の日常」が愛犬にとっては大好きで大切な日々なのだということを忘れないでくださいね。

終末期を迎えた飼い主の今の気持ち

大切な愛犬の終活を考え始めた時、病気を宣告された時、飼い主であるあなたがどのように感じたのかを正直に書いていきましょう。

つらかったり悲しかったり、どんなにネガティブだと思うことでも「ありのままの気持ち」を書くことが重要です。

そのありのままの気持ちは、愛犬を心から愛している証です。自然な反応なので、心にしまい込む必要はないですよ。

自分が今、愛犬のためにできること

愛犬の余生に自分はどう関わって、何をしてあげられるのかを考えて書き出してみましょう。

「もっとこうしてあげたかった」と悔やむのはまだ早いです。愛犬のためにできることは、きっとまだたくさんあるはずですよ。

残された時間で一緒にやりたいこと、最後に会わせてあげたい人、一緒に行きたい場所などもあれば書いておくといいですね。

最期や供養について今の段階で考えていること

延命処置、エンゼルケア、供養の仕方など、これからも飼い主であるあなたにはさまざまな選択肢が用意されています。

もちろん、その時になってみなければわからないことも多いかもしれません。ですが、どんなに覚悟していてもいざその時が来ると私たち飼い主も冷静ではいられません。なので、できるだけ前もって考えておくと後になって悔いてしまうことを防げるのです。

動物病院で延命処置は行うのか。エンゼルケアで自分でやりたいこと、獣医師にお願いしたいことは何か。火葬を頼みたい業者、火葬の際に一緒に棺に入れたいもの、葬儀に呼びたい人なども書いておくといいですよ。

愛犬は今もこれからも大切な家族

ペット終活アドバイザー、そしてペットロスカウンセラーとして活動している筆者が普段から飼い主のみなさんにお話していることがあります。それは、「死」は決して「終わり」ではないということです。

愛犬が天国に旅立った後にも、あなたと愛犬が築きあげてきた信頼関係や思い出は消えることはありませんし、ずっと心に残っていく大切な宝物です。この「思い出ノート」を作成することで、それを再確認できるかと思います。

この先、お別れの日が来て姿が見えなくなってしまっても、愛犬はずっと大切な家族であるあなたのそばにいてくれるはずです。それを感じながら、思い出ノートを開いてみてくださいね。

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