「正解」はないペット終活
「ペット終活」と一言に言っても、家庭によってどのようなことを行うのかはさまざまです。
- 愛犬と旅行に行く
- 思い出ノートやエンディングノートの作成
- 写真をたくさん残す
このような「思い出づくり」を行う飼い主さんが多いように感じます。
もちろん、これも大切なペット終活のひとつです。
先ほども少し触れたとおり、ペット終活には正解・不正解はありません。飼い主や家族が愛犬を想って行うことですから、誰に決められることでもないのです。
ペット終活でやっておくといいこと
正解や不正解はないペット終活ですが、ペット終活アドバイザーとして「できるならこれをやっておいて欲しい」ということがいくつかあるのも事実です。
ここからは、ペット終活で最低限やっておくといいことについてお話します。
最期に会ってほしい人のリストアップ
ご家族以外にも仲良くしていた人がいると「愛犬が旅立つ前に会っておいてほしい」と考える飼い主さんも多いでしょう。
ご近所の犬友達さん、仲良しのトリマーさん、お世話になった獣医師さんや看護師さん、遠方に住む親戚など、愛犬を愛していたのは一緒に住んでいる家族だけとは限りません。
「最期に会ってほしい人リスト」をつくっておくと、何かのきっかけがあれば会わせやすいかもしれませんね。
愛犬が旅立ってから「あの人に会わせてあげたかった」と後悔する飼い主さんは、じつはとても多いです。
「この子は誰に会いたいかな?」「この子を可愛がってくれていたあの人は最期に会いたがってくれるか?」など、あらかじめ考えておきましょう。
介護サービスの検討
「自分の愛犬なのだから自分で面倒を見るのは当たり前」と考える飼い主さんも多いでしょう。
しかし、人間の介護と同様にたったひとりで面倒を見ようとすると飼い主の精神的負担が大きいだけではなく、愛犬が旅立った後の喪失感が倍増し、ペットロスが重症化してしまうというデメリットもあるのです。
今すぐにでなくても、困った時に頼ることのできる介護サービスや老犬ホームなどをリサーチしておくと安心ですよ。
自分の愛犬だからと言って、ひとりで抱え込まないでくださいね。
いざという時の延命治療について考える
病気でもシニアでも、いざ愛犬が危篤となり動物病院に連れて行った時に「延命治療をするか否か」を獣医師から問われることがあります。
しかし、このような状況の時は飼い主だって冷静ではいられません。
「このまま旅立って行ったほうが愛犬に苦しい思いをさせないのでは……?」
「でも、ここで延命治療をせずに見送ったら、自分は一生後悔するのではないか」
さまざまなことが飼い主の頭をよぎるのです。
いざという時の延命について、前もってご家族で話し合っておきましょう。
かかりつけの獣医師に相談したり、ペットの延命治療の経験者などの話をネットで見たりしておくのも良いかもしれません。
延命治療をするにはそれなりの費用もかかりますから、金銭面でもあらかじめリサーチしておくと安心ですね。
ペット火葬や供養の仕方のリサーチ
愛犬が旅立ったあと、多くの人が火葬をすると思います。
しかし「ペット火葬」と言っても、さまざまな業者がありますからどこが良いかきっと悩んでしまうでしょう。
さらに、愛犬を見送った後はどんなにお別れを覚悟していたとしても気が動転してしまう人がほとんどです。
私はペットロスカウンセラーとして活動していますが、実際に「火葬とその後の供養の仕方について悔やんでいる」という飼い主さんはとても多いのです。
動物を大切に扱ってくれる業者がほとんどではありますが、中には「モノ」のように扱う所だってあります。
大切な愛犬の最期をそのように扱われては私たち飼い主も、そして天国へ旅立つペットもとても悲しいですよね。
実際に私が愛犬を亡くした際にも、気が動転したままペット火葬の業者を検索しました。
レビューなどを参考にする余裕もないほどの精神状態になってしまっていたため、あまりよく調べずに検索の一番上に出てきた会社に火葬を依頼することに。
運よく、その業者はきちんと信頼できる所でした。
しかし、そうでない可能性だって十分にあり得たので、今になって「あの時一番上に出てきたのがこの業者ではなかったら……」と思いゾッとすることもあります。
家族が納得した形で愛犬を送り出して火葬や供養のことで悔いを残さないためにも、ペット火葬の業者やその後の供養の仕方については前もって決めておきましょう。
ちなみに、供養の仕方もペット終活と同じく正解や不正解はないと思っています。
「火葬後の遺骨はどうしたらいいの?」と悩む飼い主さんも多くいますが、納骨か手元に置くのかなどはご家族でしっかり話し合って決めてくださいね。
お別れの時までどう過ごすかは飼い主次第
ペット終活で最低限やっておきたいことについてお話してきました。
「大切な愛犬とのお別れなんてまだ考えたくない」と言う飼い主さんが多いとは思いますが、今回お話したものはどれも「愛犬を大事に想うからこそ前もって考えていてほしい」ことです。
生き物にはいつかはお別れの時がきます。それは生きている以上、避けられないことですよね。
ですが、「そのお別れの時までどう過ごすのか」は飼い主であるみなさんの意志で決められることなのです。
ペット終活ではぜひこの「最低限」のことを積極的に行い、愛犬との大切な残りの時間を安心できる濃いものにしてくださいね。