ペットロスカウンセラーが愛犬を失った飼い主に覚えておいて欲しいこと

ペットロスカウンセラーが愛犬を失った飼い主に覚えておいて欲しいこと

愛犬を亡くしてペットロスに陥ると、どうしても「早く克服したい」と焦ってしまいますよね。今回は、ペットロスカウンセラーの視点から焦ってしまう飼い主のみなさんに覚えておいてほしいことについてお話します。

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以前はトリマーとして働いていましたが、愛犬を亡くしたことをきっかけにペットロスカウンセラーに転身しました。現在はペットロスカウンセリングやグリーフケアを行う一方で、Webライターとして動物に関する記事を執筆しています。

ペットロスを恐れないで

犬と人間

そもそも、私たちはどうして「ペットロス」と聞くと「克服しないといけない」と思ってしまうのでしょうか。

まずは「ペットロス」に対する考え方から見ていきましょう。

ペットロスは自然なこと

なぜ多くの飼い主たちは「克服しなくては」と焦ってしまうのか?それは、やはり「ペットロスに陥ること=いけないこと」のように感じてしまっている人が多いからなのだと思います。

しかし、ペットロスに陥ってしまうのは本当にいけないことでしょうか?

毎日泣いて、つらくて、あらゆることにやる気が起きなくて……きっと日常生活に支障が出てきてしまうこともありますよね。

私自身も愛犬を亡くしてペットロスに陥った経験がありますから、とてもよくわかります。でも、大切な家族である愛犬が亡くなったんです。「いつも通りに過ごせる」というほうが、難しくはないですか?

まずは「ペットロスは自然なことなのだ」ということを、心に留めておいてくださいね。

自分は自分、悲しみ方もそれぞれ

先ほど、「いつも通りに過ごせるほうが難しい」とお話しましたが、中にはいつも通りに過ごせる飼い主さんもいるでしょう。

だけど、悲しみ方は人それぞれです。これは例え、同じ家族であっても変わってくるので、お互いに距離を感じてしまうこともあるかもしれません。

だけど、そんな時にも「自分は自分」ということを忘れないでください。いつまでも泣いてしまう自分を情けないと思ったり、他の人と比べて焦ってしまったり……そんな必要はありませんよ。

今はしっかり「自分なりの悲しみ方で悲しむこと」を優先させてくださいね。

克服するよりも上手く付き合っていこう

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「ペットロスは自然なこと」というお話をしてきました。でも、だからといって、このつらさがいつまでも続くのは不安に思ってしまいますよね。

ここからは、ペットロスとの向き合い方についてお話していきます。

悲しむことは大切なこと

先ほどもお話したように悲しむことを優先させることは、ペットロスと向き合っていく際にとても重要なことです。

しっかり悲しむことができずにいると、ペットロスは長期化したり重症化したりしてしまいます。すると、「うつ」などの精神疾患へと発展するケースも十分に有り得るのです。

また、「泣くと周囲の人が心配する」「いつまでも悲しんでいたらお空の愛犬が成仏できない」などと思ってしまう飼い主さんも珍しくはありません。

でも、今くらいは周りのことよりも自分の気持ちに目を向けてあげてくださいね。

繰り返しになりますが、大切な愛犬が旅立ったのですから悲しいのは自然なことなのです。「また心から笑うための準備期間だ」と思いながら、今は思いきり悲しんでください。

自分の気持ちを吐き出せる場所を作る

「思いきり悲しんで」とお話しましたが、やはりどうしても周りの家族や友人を巻き込むのは気が引けてしまうという人もいるかと思います。

そんな時には「自分のありのままの気持ちを吐き出せる場所」を用意するようにしてください。これには、直接誰かに話すのでなくても、さまざまな方法があります。

  • SNSやブログなどを利用する
  • 日記を書く
  • ペットロスカウンセラーと話す

今はペットロス専門のコミュニティーサイトもありますし、SNSでも検索してみると同じようにペットロスに陥っている人はたくさんいます。

私たちのようなペットロスカウンセラーに話してみるのも、自分のありのままの気持ちを吐き出しつつ、誰かと悲しみを共有するということができるので、おすすめです。

また、日記の場合には誰かと悲しみを共有することはできませんが、自分の思いを可視化して心や頭の中を整理するのには役立ちますよ。

ご自分に合った、悲しみを発散させる方法と場所を見つけてみてくださいね。

これからの自分をイメージする

ペットロスに陥ると「この先もずっとこうなのではないか」と不安になってしまいますよね。そんな時には「愛犬の死を受容した自分」を頭に思い描いてみましょう。

  • 愛犬の死を受け入れた後、自分はどうしていたいか
  • 自分やお空の愛犬のために、今後やりたいこと

これは、必ずしも愛犬に結びつける必要はありません。行ってみたい場所、やってみたい仕事、食べたいもの、会ってみたい人など……本当になんでもいいんです。

しかし、おそらくペットロスで苦しんでいる最中だと、どうしても「愛犬のいない生活」は悲しくてイメージしづらいですよね。

なので、まずは愛犬を無理に頭から切り離すのではなく、「愛犬がいたからこその目標」をイメージしてみましょう。

人には「潜在意識」という心の奥底にあって、本人でも気づくことのない意識というものがあります。こうしてイメージを持つことで、自然とその方向に進んでいくように行動や思考も追いついていくと言われているのです。

「愛犬の死を受け入れられた自分」も同じように、潜在意識に刻み込みましょう。

ペットロスには時間をかけて向き合う

これまでみなさんが愛犬と過ごしてきた日々。それは、きっととても濃くて幸せな時間だったのだと思います。

そんな大切な宝物のような日々を、愛犬を失って数日で受け入れられるわけがありません。

ペットロスはつらいので、早く克服したいと思ってしまいがちです。しかし、ペットロスにはゆっくり時間をかけて向き合っていくことが重要です。

無理にペットロスを克服しようとしなくてもいいんです。お空の愛犬も、きっと「ゆっくりでいいよ」と言ってくれていますよ。

一進一退したっていいのですから、ご自分のペースでゆっくりと前に進んでいってくださいね。

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