「死」は「終わり」ではない
私がペットロスカウンセラーとして飼い主さまとお話する際に、毎回お伝えしていることがあります。
それは、“「死」は「終わり」ではない”ということです。
確かに、愛犬の旅立ちは私たち家族にとって、とてもつらい出来事です。
ですが、これまで愛犬と築き上げてきた大切なものが壊れてなくなることはありませんし、私たちの愛犬への愛情もこの先ずっと消えることはないのです。
「死んでしまったら終わり」と悲観的になってしまうのも無理はありませんが、一度「愛犬の死後にも私たちができること」に目を向けてみましょう。
供養の仕方はできるだけ生前から考えておく
愛犬がいざ旅立つと、どれだけ覚悟していたとしても私たち飼い主は気が動転し、冷静に物事を考えることができません。
なので、「供養の方法」はできるだけ生前から考えておくことをおすすめします。
でも、「どのようなことを考えたらいいのかわからない」という方もきっと多いですよね。
ここからは、生前から考えておきたい「愛犬の供養の方法」についてお話します。
エンゼルケアについて
「エンゼルケア」というのは、人間の場合でも行われる「死後処置」のことです。
犬の場合は体をきれいにブラッシングしてあげたり、環境が整っていればシャンプーをしてあげたりもします。
動物病院で旅立った場合には問題ありませんが、体液が漏れてこないようにお尻や耳・鼻に綿を詰めるという作業もあるので、「自宅では難しい」と不安に思う飼い主さんも少なくはありません。
生前から「エンゼルケアとしてやってあげたいこと」の他にも「自宅での処置が難しい場合にはどこにお願いするのか」ということも決めておくと安心です。
かかりつけの動物病院やペットサロンに相談してみるのも良いですね。
火葬はどこに任せるのか
愛犬を虹の橋へ送る大切な過程でもある「火葬」ですが、「ペット火葬をどこにお願いするか」というのもあらかじめ検討しておくことが大切です。
先ほどもお話したように、愛犬を看取った直後は私たち飼い主は冷静な判断ができません。
私がペットロスカウンセラーとしてお話をお聴きする中でとても多いのが「気が動転してしまって火葬の業者を選ぶことができず、ひどい扱いを受けて悔いが残っている」という声です。
ペット火葬の業者には、私たちの気持ちに寄り添ってくれる優しいところもあれば、悲しいですが「一つの作業」として淡々と進めてしまうところもあるのが事実です。
愛犬の生前から、実際にそこを利用した人たちのレビューなども確認しながら「ここなら安心して愛犬の旅立ちを任せられる」と思えるところに目星をつけておきましょう。
遺骨はどうするのか
人間では火葬が済んで四十九日が過ぎてから霊園やお寺に納骨をするという人が多いですよね。
ペットでも、ペット霊園に納骨をするという家庭もあれば、「引越しが多い」などの理由から決まった場所への納骨はせずに自宅に置いておくという人もいます。
最近ではかわいいデザインの骨壷カバーも増えてきましたから、おうちに置いておくのも抵抗がなくていいですね。
しかし、遺骨はカビが生えてしまうこともあるので、長年にわたっておうちで保管する場合には遺骨用のカビ取り剤を使ったり、パウダー加工をしたりという工夫も忘れないでください。
「遺骨をどうするか」というのには、世の中にはさまざまな意見があります。ですが、何が正解というものではなくて「悔いのないように決めること」が重要ですから、ご家族でよく話し合って決めるようにしてくださいね。
メモリアルグッズのリサーチ
愛犬との想い出を身近に感じられるメモリアルグッズは、作っておきたいという人も多いかと思います。
最近ではさまざまなメモリアルグッズがあり、愛犬が旅立った後からでも作ることはできますが、中には遺毛を埋め込むことのできるフェルト人形などもあるので「火葬の前に毛をもらっておけばよかった」と後悔してしまう飼い主さんも多いようです。
- どのようなメモリアルグッズがあるのか
- 自分なら何を作りたいか
- 今のうちの用意しておいた方がいいものはあるか
愛犬の生前からこれらを調べて考えておくと安心です。
供養の方法に「正解」はない
愛犬の供養についてお話してきましたが、「ペット終活」の内容と同じように明確な「正解」はありません。
愛犬のため、そして遺された家族が愛犬との想い出を大切にしていけるように行う「供養」の方法は家庭によっても違います。
インターネットでさまざまな意見を知ることのできるご時世ですから、いろんな意見を見たり聞いたりして、結局何が良いのかわからなくなってしまう人もいるでしょう。ですが、一番大切なのは「家族が悔いのないように考えること」です。
あとから変更できるものもあれば、一度行ってしまった後はどうにもできないこともあるでしょう。
繰り返しにはなりますが、どんなに覚悟をしていてもいざ愛犬が旅立つと私たち飼い主は冷静な判断が難しくなります。
大切な愛犬のためにも、生前から一度ご家族で話し合ってみてくださいね。