ペット終活を意識する時期
愛犬とやりたいことをしたり行きたいところに行ったり、一言に「ペット終活」と言っても家庭によってさまざまな形があります。
そんなペット終活を始める時期について、みなさんはいつ頃からが適切だと思いますか?
早い方がいいと考える方もいるでしょうし、早くから考えてしまうと気が滅入るので遅い方がいいという人もいるかもしれませんね。
もちろん、これに明確な「正解」はありません。
しかし、ペットロスカウンセラー・ペット終活アドバイザーの視点からお話すると「ペット終活は犬を飼い始めたらすぐに意識する」ということが重要だと言えます。
飼い始めてすぐにお別れの日のことを考えるなんて……と思う飼い主さんもきっと多いでしょう。
ですが、みなさんもご存知の通り、犬は見た目はとても可愛くても決してぬいぐるみなんかではなくて「一つの尊い命」なのです。
動物にも私たち人間にも命は平等で、いつかは必ず終わりがきます。さらに言うと、その命がいつ尽きてしまうのかは誰にもわからないのです。
何年も後かもしれないし、明日かもしれないし、今日という可能性だってあります。
犬を飼い始めたら具体的なことを始めるのではなくても「いつかはお別れがくるのだ」と、受け止めるようにしましょう。
そうすることでそれまで以上に「この子との時間を大切にしよう」と思えるはずですし、そう受け止めるだけでも立派なペット終活への一歩となるかと思います。
ペット終活を始めるのに「遅い」はない
犬を飼い始めたらすぐにでもペット終活を意識してほしいとお話してきましたが、この記事を読んでいる飼い主さんの中には「飼い始めてからもう何年も経ってしまった」と思っている人も多いでしょう。
でも大丈夫です。ペット終活を始めるのに「遅い」なんてことはありません。思い立った時こそがペット終活を始める時期です。
「今」からできることを考えましょう
今、みなさんの愛犬はどのような状態ですか?
元気にお散歩に行ける、弱っていて歩くことは難しい……など、ワンちゃんによってそれぞれかと思います。
だけど、どのワンちゃんも「今を生きている」というのはみんな同じですよね。
ペット終活を始めるのに「早い」と言うことがないように「遅い」なんていうこともないのです。「今」から大切な愛犬のためにできることを考えてみましょう。
きっとまだまだできることは残っているはずですよ。
「特別」なことは考えずに「いつも通り」でいい
「ペット終活を始める」と言うと意気込んでしまう飼い主さんもいるかもしれませんね。
もちろん、愛犬のために何かをしてあげようという気持ちは大切ですし素晴らしいと思います。
でも、ペット終活はそんなに気張らなくてもいいのです。と言うのも、犬はいつもと変わらない飼い主さんとの日常を好む子が多いですから、「いつも通りに飼い主さんが近くにいてくれること」だけでも十分幸せだったりするのです。
愛犬が元気なうちに旅行に連れて行ったり、お気に入りの公園でたくさん遊んだり、思い出がつくれるのならばそれもいいでしょう。
でも、もし寝たきりだとしても「何もしてあげられなかった」と落ち込む必要はありません。
そんな時にはたくさん声をかけながら撫でて、近くにいてあげてくださいね。「いつも通り」の日常でも、ワンちゃんにとっては忘れられない大切な日々です。
愛犬が幸せな気持ちで旅立てるように
ペット終活は犬を飼い始めたらすぐに意識してほしいということをお話してきました。
具体的に何かをすぐに始めるわけではなくても、いつお別れの日が来ても悔いが少なく済むように、飼い主のみなさんには愛犬との時間を大切に過ごしてほしいのです。
筆者がペットロスカウンセラーとして活動していると、みなさんどうしても「後悔」を抱えてしまっているように感じますし、私自身も愛犬を亡くしてしばらくは後悔や自責の念に押し潰されそうでした。
「仕事が忙しくて留守番ばかりさせていた」「ストレスが多い生活で犬にひどい言葉をかけていた」など、みなさんそれぞれに何かしら悔いていることがあるのです。
どんなに愛犬を大切に思って過ごしてきても、ほとんどの方が「生きているうちにもっとああしてあげたかった」と後悔を抱いてしまいます。
きっと大切に思っているからこそ「後悔」をゼロにすることは難しいことなのでしょうね。
ですが、その後悔を少なくしていくことはできると個人的には思っていて、それが「ペット終活」最大の目的とも言えます。
いつか必ずやってくるお別れの日に「ありがとう、いってらっしゃい」と優しく声をかけてあげられるように、どんなに些細なことでもいいので今この瞬間から愛犬のためにできることをぜひ考えてみてくださいね。