供血犬は心身ともに健康で幸せな犬でないと!
献血を依頼されたある日
走行する車の後部座席に、ゴールデン・レトリーヴァーの「ペイズリー」がのんびりしています。どこへ行くのでしょう?
運転手:「今、救急病院に向かっています。今週、病院からの電話で、ペイズリーの血液を採取させてもらえるかと打診がありました。(うちに連絡が来るということは)輸血用の血液が不足しているということです」
病院に到着し、ペイズリーの体調確認や針をさす部分の毛刈りなど、採血の準備が進められました。
おやつをもらって、ペイズリーの心も体もうれしい。採血開始前には、しっかり水も飲みました。
いよいよ採血です。ペイズリーは診察台にゆったりと横になっています。
飼い主の女性が手で頭を支えてくれるから安心できるのでしょう。
袋が一杯になって、採血終了。お疲れ様でした。針を抜いた後にしっかりテーピングします。
ペイズリー、ありがとう!この後、おやつをたくさんもらってね。
献血について
こうした有償、無償(ボランティア)の供血犬のおかげで、輸血が必要な犬たちの命が救われています。ではどのような犬たちが献血してくれるのでしょうか?
ペイズリーのように登録された外部の供血犬は、ごく一般的な飼い犬で、家族に愛されて暮らしています。
病院で独自に供血犬を飼育している場合もあるそうです。その場合も、病院ですから採血の適切な頻度が守られ、病院スタッフに愛されて運動し、心身はともに健康で家庭犬に近い状態と言えるでしょう。
実は、賭け事としてのドッグレースを引退した犬などが、数年間にわたり劣悪な管理状態におかれ、過重といえる採血が行われている事実が海外では見つかっています。
まさしく、犬のために犬が犠牲になっているのです!
ペイズリーのように飼い主さんの理解を得て、負担にならない程度の献血に協力してくれる犬たちが増えれば、1匹ずつの負担はどんどん軽くなります。そうすれば犠牲となる犬たちを減らしていけるでしょう。
全ての犬が献血できるわけではありません。かかりつけの獣医師に気軽に質問してみてはいかがでしょうか。
犠牲になる犬たちを忘れないで
※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
掲載YouTubeチャンネル:Animal Emergency Service