重い、でも大切なテーマ。犬たちのために
狭いケージから「普通の世界」へ開放された犬
これは、「ボーディ」が生まれて初めて海を見て、初めて海水に浸かった瞬間です。
「水が、たくさん。不思議。気持ちいい…」と感じているかのように、ボーディは、ゆっくりと水に体を浸しました。動画のしょっぱなです。どうか、動画を見てください。
ボーディの物語はこれから展開しますが、この美しいシーンだけで、グッと来ます。
ここから、ボーディの過去のお話です。
ボーディは約3年間、ある犬の血液バンク施設で、他の200頭ほどの犬たちと隣合わせて、小さなケージに入れられていました。
200頭の犬の大半は、ドッグレースから「廃棄」となった犬たち。
頭を上げて立ち上がることや体の向きを変えることも難しい小さなケージや、がらんとした檻などに押し込められているのです。
1年半またはそれ以上の期間、10日から2週間ごとに採血されるといいます。
人の献血頻度は、日本では、負担が一番軽い場合の1週間から一番重い場合の16週間という間隔をあけると決められていることを考えると、この頻度で犬の負担はかなり大きいと言えるのではないでしょうか。
ボーディはそこから動物愛護団体PETAが引き取り、レースのためでも、強制的な採血のためでもない、普通の家庭犬としての暮らしを始めることができました。
過酷な過去を背負ったボーディですが、今はこんなに安らかな時を過ごしています。
最後に
人の血液と同様、輸血などのために、犬の血液のストックは必要です。ただ、犬が人道的に扱われているか、犬の闇売買や虐待に関係していないか、といったところまでは、なかなか考えが及びません。
自分の家族としての犬の健康のために、他の犬が犠牲になっているとしたら…。
幸い日本にはグレイハウンドのドッグレースは公にはありません。では、犬の血液はどのように供給されるのでしょう?各医院が独自に「供血犬」をきちんと世話をして飼っていたり、ボランティア登録制度などがあるようですが、不足しているといいます。
重いテーマではありますが、愛犬家としては、よく考えてみる、調べてみる、聞いてみる、必要がありそうですね。
2分の動画は、グッとくるボーディの海のシーンに始まり、海のシーンで終わります。
※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
掲載YouTubeチャンネル:PETA (People for the Ethical Treatment of Animals)