犬の保護活動 〜動物愛護のボランティアについて考えてみよう

犬の保護活動 〜動物愛護のボランティアについて考えてみよう

あなたは、犬の保護活動に興味はありますか?動物愛護団体の一員としての活動や、個人的な迷い犬の保護など、これまで様々な活動をしてきました。その経験を通して私なりの今後の動物愛護・保護活動のあり方を考えていきたいと思います。みなさんとこの考え方を共有出来たら幸いです。

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犬の保護活動を行う様々な愛護団体

犬の横顔

日本でも様々な動物愛護団体があります。

犬を保護し里親を探す活動をしている保護団体や、芸能人の方など“知名度”を強みにして動物愛護を考えてもらうきっかけをつくっている保護団体。
無意味な動物実験や毛皮の製作の実態を人々に知ってもらおうと、パネル展示や講演会などの活動を行う保護団体。

犬を保護し、シェルターとして犬が生きることを援助している団体や、保健所などから連れて帰り、家庭犬にふさわしいマナーを教えて里親を探す団体。
などなど。犬を保護しようと活動している団体はたくさんあるんですね。

私も動物愛護活動に力を入れ、様々な団体に貢献していた時期もありました。

愛する飼い主に見放されて捨てられて、最後には殺処分されていく犬たちがかわいそうでかわいそで・・・。たくさんの保護活動をしてきたのです。

これはわたくし事ですが、

私の母親も私が高校生の頃から家にあまり帰って来なくなり、いつしか両親は離婚し、母親は他の男のもとへ逃げ、私とは音信不通となってしまった経験があるので、若かった私は余計に「捨てられた犬」や「頼るべき飼い主がいない犬」に対して自分を投影させ、そんな犬たちの為の活動に精力的になっていたのかもしれません。

その執着した行動力はハワイの動物保護施設「ヒューマンソサイエティ」にまで足を運ばせました。

正義感と犬への同情心だけで動物愛護活動していた高校生時代

高校生だった私は、平日は学校へ通って、週末は新聞の募集欄で見つけた犬のボランティア団体へコンタクトをとり、保護犬の食事や散歩などの世話をしていました。

学校などの帰宅途中では、ずさんに管理されている外飼いの犬をみつけては玄関のピンポンを押して、「かわいそうだから水を入れてあげて下さい!」なんて、その世間知らずの正義感から、そのお宅に物申しに行って、案の定怒られて帰って来たこと何度もあります(笑)

この頃は東京などで行われる大型の動物愛護フェスティバルにも出向いて、elfの田中美奈子さんに会った時には感動してアワアワしました。

迷わず通った動物の専門学校

高校卒業後は迷わず動物看護とトリマーの道に進みました。
この時も強い正義感により動物愛護活動に参加していました。
平日は学校、週末はペットサロンのバイト、そして犬のボランティア。

この時、欲張りな私には不可能の文字がなく、2つの団体を掛け持ちしていました。

一つは里親を探す活動、一つはシェルターとして犬たちの生活を助ける活動です。
学生仲間にも話を広め、活動を呼び掛けました。
しかし60人いた同期に声をかけ、集まったのは2人。

まだ考え方の狭かった私は「動物愛護の活動しないなんて、みんな本当に犬が好きで専門学校入学したの?」と怒りを露にしていたこともありました。

専門学校の授業の一つに「互」の山崎恵子先生の講演会があり、涙したのを覚えています。

だんだんと現実が見えてきて、理想と現実に心病んだ社会人生活

高校生の頃からの偏った正義感もこの頃になると、
人にはそれぞれ生活があり、それぞれの愛し方があり、それぞれの人と犬との関係がある、と理解できるようになってきました。

専門学校卒業後は迷わずトリマーになりました。

それと同時に社会人としての責任の重さ、技術職さながらの先輩からの厳しい叱咤激励、技術のなさから、言うことを聞いてくれない犬たちへの思い、体力的にも精神的にも仕事とボランティアの両立が難しいこと、ボランティアに行けない自分を責めていました。

私がボランティアへ行けないことにより、誰かが私の分まで犬たちの世話をしなければならない状況がさらに私を苦しめました。

そして動物愛護活動をすべて辞めました。

毎日のようにしていた動物愛護の情報収集も、里親募集の活動も、シェルターの犬たちの世話も、なにもかも辞めました。

「私はなんて悪い人間だろう。シェルターの犬たちを見捨てた。ボランティアの仲間を裏切った。」

こんな思いからTVでやってる動物愛護の番組が観れなくなりました。
ボランティア仲間からの連絡に、応える事ができなくなりました。

生きることにいっぱいいっぱいになってしまったのです。

仕事を変えて気付いたこと

子犬

いっぱいいっぱいになりながらもトリマーは続けていましたが、母親がいなくなるなど家庭の事情もあり、トリマーの給料では生活ができなくなりました。
そんな時に、動物の専門学校が新しく設立されるのでそのスタッフにならないか?と声をかけてくれた方がいました。
『給料も今よりは良くなるし、勤務時間もまだ設立したばかりで好きなように出来る』との、ありがたい話を頂き、私はトリマーからトリマー講師のアシスタントになりました。

そこで私が通ってきたような生徒たちの動物への思い、 動物愛護精神にふれ、私と同じように身を苦しめながら動物愛護に全力投球している生徒と会った時に初めて、

「ボランティアは身を苦しめながらするものじゃない」
「動物たちを助けたり、捨て犬の実態を知ってもらう方法は、ボランティアに参加することだけではない」

と気づきました。

自分には自分の生活があり、キャパシティがあり、そんな自分に出来る範囲のボランティアで十分なんだ。

と思いました。

それからは、生徒たちに授業としてトリマーや動物看護師に出来る動物愛護活動を考えてもらえるような機会をつくることを学校に提案したり、それを世間にアピールする方法をみんなで考えたりしました。

私はこうやって毎年毎年入学してくる生徒たちに、様々な動物愛護活動を知ってもらう機会をつくり、

それに対して「自分のできること、やりたいと思ったこと」を「自分の出来る範囲で行う」ということも動物愛護活動に繋がるんだと伝えていきました。

こういったように動物愛護活動を広められる環境が私にはあり、それを聞いて何かを感じてくれる人がいる。

時間に余裕がある人は、犬たちのお世話を。
金銭的余裕がある人は、寄付を。
犬を飼いたい人には、里親募集の存在を知ってもらう提案を。

自分に出来ることを自分で考えて、身を苦にせずに動物愛護活動に貢献する、これが理想なのかなぁと思うようになりました。

現在の私の犬たちの為の活動

犬と猫

まだ3流トリマーの私は、もしかしたら今後考えが変わるかもしれませんが、
現在は動物病院のトリマーをしています。来院されるオーナーさんと犬との意見交換のサポートをすることも動物愛護活動に貢献できてるのではないかなぁと思っています。

それから犬を飼うポストを一頭分あけておくこと。

うちは田舎なもので、車で道を走っていると半年に一度くらいは一人で散歩している犬に遭遇することがあります。
そんな時、飼い主が見つからなかったらうちの子に迎え入れるつもりで保護をします。
今まで保護した子たちは警察への届けによってみんな飼い主のもとに帰りました。

こんな行動も、動物愛護の活動になれているかな。と思っています。

写真の猫も保護した猫ですが、虚勢手術を行い今や家族の一員です。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    40代 女性 ちーちゃん

    動物の為に何かしたいけれど、なかなか行動出来ずにいました。
    現実に直面するのが怖いのと、中途半端になりたくないと思ったからです。
    でもコメントを読んで、少しでも自分が出来る事からスタートすれば良いんだと考えました
  • 投稿者

    男性 保健所犬猫応援団

    尊いご活動ですね。
    保護活動と告知啓蒙活動は、共に両軸である事が大切な事だと思っています。特に告知啓蒙活動は最大効果を見込める反面、中々、継続や専門分野として認知され難い事で、その効果を発展させる事が出来ないでいるのが現状では無いでしょうか?
    一日でも早く、共生を真に考える事が出来る日本になる為に私たちも頑張ります。陰ながら応援しております。
    また、保健所からの譲渡に関して、地域のトリマーさんのボランティアを心より感謝しております。
  • 投稿者

    50代以上 女性 ぽのこ

    よくわかります。
    私も元トリマー。学校でトリマーのモデル犬になるワンちゃんたち、ペットショップ経営もしていたトリマーの
    学校、トリマーとして仕事した先は、ペットショップが母体、ワンちゃんや猫ちゃんが好きでこの仕事をしてい
    て、やるせない気持ちになることもしばしば。里親探しのボランティアも、捨てられたワンちゃんがいるから
    で、その現実が辛すぎて、人間はなんて勝手でエゴイストで、ほんとに人間がきらいになり、同じように動物愛
    護から目をそむけた時期がありました。長い時を経て、今はまた何か ほんとに自分の生活、精神を病まない程
    度で自分に何ができるかを考えられるようになりました。少しづつ探していきます。
  • 投稿者

    女性 匿名

    トリマーの技術は保護犬にとっても貴重だと思います。
    捨てられた時のまま汚れてボロボロの姿で里親を探すより、トリミングして本来の可愛い姿で募集をした方が、はるかに引き取り手が増えます。
  • 投稿者

    女性 だるま

    私も動物が大好きで、愛護センターへボランティアに行く事を考えましたが、実際行くと、捨てられた犬や猫が皆、助かればいいですが、助からない犬や猫達も見てしまうかもしれないと思うと、可哀想で、怖くて、でも助けたい、けど助けられない自分の未熟さや、身勝手な人間がいるせいで、こういうセンターができたり、人間の判断で動物の命が奪われる日本とか、色々な葛藤や思いが溢れでて、私に果たしてボランティアが務まるだろうかと思っています。
    でも、少しでも力になりたい!
  • 投稿者

    50代以上 女性 あきママ

    我が家に『あき』を迎えて丸2年になります。
    私も「犬を飼うなら、保護犬から」と思って団体に問い合わせたり、一度は『では、具体的な引き渡し方法を連絡しましょう』と言うところまで話が進んだ時もありました。
    しかし、大きな壁だったのは「完全室内」です。
    日本の家は、和室、木造と動物で暮らすには工夫以上のことをしなければ、迎えられない場合があります。
    我が家もそうでした。庭が広いので日中は誰かが一緒にいれば、外でも構わないーと言うことでしたが『夜は必ず家の中で』と言われて とうとう断念してしまいました。
    年寄りは『犬を家に入れるなんて絶対ダメ!』と言い説得出来なかったからです。
    それさえクリア出来れば、我が家にも保護犬が来ていたはずです。

    私のような理由で保護犬を諦めた方はきっといるはずです。里親の条件をもう少し見直すことが出来れば、まだまだ幸せになれる犬達がたくさんいるはずです。
  • 投稿者

    40代 女性 匿名

    皆さんに知っていただきたいの、動物愛護団体にも金銭が目的の団体の存在です。
    それを見極めるのは、難しいとは思いますが。
    私の知人が日本の実態を知りイギリスまで、勉強に行きます。
    私は、里親に出てた子達を引取る事しか出来ませんが、増やし過ぎるのもいけないので、これ以上増やすつもりは、ないですが。
    これから、飼う人達に知っていただきたいのは、勝手な理由で里親に出さないで、欲しいだけです。
    自分達に子供が、出来たからとか、引越し先がペット禁止だからとか。
    子供が出来る子供は予測が出来る事、引越す時は、ペット可の所に引越して欲しいです。
  • 投稿者

    50代以上 女性 匿名

    ご近所に豆柴を玄関脇の狭い屋根もないスペースでプラスチックトレーの上で雨の日も、一日中外に出しっぱなしのお宅があります。真夏の炎天下でも同じ状況でした。毎日その前を通るたびに胸が張り裂けそうになります。
  • 投稿者

    50代以上 女性 匿名

    私は、犬大好きで何匹でも飼いたい‼️
    でも私の身体が悲鳴あげてます‼️
    どなたかたまに散歩に連れて行ってくれたり入院の間だけ預かってもらえないでしょうか?
    匿名の投稿画像
  • 投稿者

    40代 女性 ちーちゃん

    自分が犬を飼うようになって、今の日本のペットに対する意識の低さに気付き、怒りと悲しみがわいてきます。今の自分に何ができるのか、いつも頭の片隅にあります。
    思いだけが先走ってしまい、なかなか行動に移すことができませんが、今一番大事なことは、縁あってわが家にいる犬を最後までしっかり飼うことだと思いました。
    この先少しずつ、小さな事でも支援していきたいと思います。
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