攻撃なんてとんでもない!ひたすら逃げるピットブル。
通報・発見
ケガをし、人を恐れるピットブルの保護依頼に、ロスアンジェルスの保護団体保護団体HOPE FOR PAWSがかけつけました。
住宅地をうろつく犬を発見。ケガをしていても逃げ足が速く、3日間たってもまだつかまえることができません。
下の静止画では、後足を不自然に持ち上げているのがわかります。
右後足をケガしているのでしょう。跳ねるように小走りします。
麻酔銃の名手登場
あらゆる方法で失敗し、最後の手段として麻酔銃を使用することになりました。
麻酔銃の使用に慣れた獣医師が助っ人で登場。
わんちゃんホンポでもご紹介しましたが、この方、以前に砂漠地帯で白いシェパードの「ヴィーナス」を保護した時も見事に麻酔弾を命中させた医師です。
今回は住宅街での麻酔銃の使用、細心の注意が必要です。
歩道を小走りする犬と車で並走しながらチャンスをうかがいます。犬はチラチラとこちらを見ています。
オシッコでもしたのか、犬が住宅の前庭で少し立ち止まった瞬間に、すかさず麻酔銃を撃ちました。
「バーン!」という破裂音ではなく、「シュッ」と静かに放たれます。
命中の瞬間。犬の腰のあたりに、赤い目印が見えますか?シリンジが刺さっているのも確認できます。
犬はその刺激ですぐに走り出し、カラになったシリンジは地面にポロッと落ちます。
これ、後で回収しないとね。知らずに注射針を発見したら…非常に怪しいです。
それでも逃げる
犬はしばらく歩道を走って逃げ、ついには住宅地を抜けて丘陵に登って行きました。
麻酔が回って徐々にだるくなっているはずですが、頑張ります。
犬を見失わないように、丘に登って追いかけました。
動きが鈍くなってきますが、まだ逃げようとする犬。斜面で倒れると危険ですね。
…と思っていたら、住宅の裏の斜面を下りた犬を追って行ったカメラの人がすべって盛大に斜面を転げ落ちた!
天をあおいだビデオカメラがぐるぐる回転する空をむなしく記録しています…。
大丈夫だったようですが、お気をつけて…。
捕獲
体勢を立て直して、さらに犬を追う人に、住宅の裏から犬がうなりながら向かってきました!
ちょっと緊迫!「NO!」と大声を上げて制止しますが、犬はまた丘陵に逃げます。こりゃ大変だ…。
数分後、犬はついに丘の上でバッタリ倒れました。慎重に近づき、ワイヤの輪を頭から通します。
もうすっかり眠ってしまったと思いきや、犬は最後の力を振りしぼって起き上がり抵抗します。
おぉー、りりしい胸板。攻撃してこない大人しそうな子ですが、この子が住宅街を歩いていたら怖がる人もいるでしょうね。
「危険」というイメージ先行で、嫌われるんですよね、ピットブル…。
ついに、ついにケージに入れることができました。麻酔剤を使わなかったら、たぶん無理でしたね。
ケア
病院に連れてきました。ほら、あごの下をなでていますよ。こんなに大人しい子なんです。瞳や灰色の毛並みがきれいです。
逃げたのも、うなったのも、ただただ人が怖かったから。立派な体格でも、心は小さい子どものように震えていたんです。
この穏やかな表情…やっと安心できたようで、ほんとによかった。
足のケガは、軽度の感染症だったよう。すぐに治りそうです。
それから
一時預かり家庭に引き取られた「ウォレス」。
仲間たちと仲良く遊び、人にとてもよくなついて、甘えたり、指示をあおごうという姿勢も見えます。
ウォレスには完璧な家庭犬の資質がありそうです。女性になでてもらうため犬たちが列になって順番待ちのシーン、かわいいです!
そして1ヵ月後、やっぱりね。ウォレスに里親さんが見つかりました。
ソファで里親さんカップルにはさまれ、先住犬のフレンチブルさんとも仲良く、とても落ち着いた様子のウォレス。
あの必死の逃避行から、この落ち着いた暮らしを手に入れることができて、本当によかった!ピットブルの鏡、ウォレス。
※こちらの記事は動画配信をしているYouTubeチャンネルより許可を得て掲載しております。
掲載YouTubeチャンネル:Hope For Paws - Official Rescue Channel
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