犬の眉毛やヒゲは切っても大丈夫?どういう役割があるの?

犬の眉毛やヒゲは切っても大丈夫?どういう役割があるの?

犬の眉毛やヒゲが伸びていると「切った方がいいかな?」と気になりますよね。でも、犬の眉毛やヒゲは切っても大丈夫なのか心配している人も多いはず。眉毛やヒゲにはどのような意味があるのか、カットに問題はないのか解説していきたいと思います。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

犬の眉毛やヒゲの役割って?

犬の鼻アップ

犬の眉毛やヒゲを切っても大丈夫か気になっている人も多いと思いますが、まずはそもそも犬の眉毛やヒゲが何のためにあるのかということを説明しておきましょう。

犬の眉毛やヒゲは哺乳類が持つ毛状の感覚器官である「洞毛」のひとつで、眉毛の正式名称は「眼窩上毛」で、口まわりの洞毛は「頬骨毛」「口角毛」「上唇毛」「下唇毛」などはあります。

感覚を助ける

眉毛やヒゲはまわりの体毛に比べて太く硬くできており、ピンと張っています。根元には神経があって、温度や風向きを感じたり平衡感覚を助けたりする役割を持っています。

ただし、犬の場合は聴覚や視覚、嗅覚などがしっかりと発達しており、眉毛やヒゲの触手としての感覚は退化してきているため、その感覚に頼りきっていることはほとんどありません。そのため、眉毛やヒゲがなくても問題なく生活できると考えられています。

感情表現

また、眉毛やヒゲは感情表現をする手段のひとつでもあります。目や口の動きにあわせて眉毛やヒゲも動くので、毛が長い分それらを見ることで感情が読み取りやすいというメリットもあります。言葉を発することができない犬とのコミュニケーションツールとしても役立ってくれるでしょう。

犬の眉毛やヒゲを切っても大丈夫?

犬の目のアップ

犬の眉毛やヒゲには、感覚器や感情表現の手段としての役割があります。

眉毛は犬の目の上に2~3本生えており、ヒゲは頬や口角・顎など口まわりのさまざまな場所に生えています。体毛に比べて長く目立ちやすいので、特に体毛の短い犬の場合はすぐに見つかるでしょう。体毛の長い犬は紛れてしまいやすいですが、他の毛に比べて硬くピンと張っているので触るとわかりやすいと思います。

眉毛やヒゲが長くなってくると邪魔かな?と思ってカットするか悩む飼い主さんも少なくありません。しかし、眉毛やヒゲには役割があるため、切ると健康や生活に問題があるのでは?と心配になる人も多いはず。

結論から言うと犬の眉毛やヒゲは短く切りそろえても特に問題はありません。感覚器としても感情表現の手段としても、あくまでサポート的な役割でありなくなっても支障は出ないと考えられています。

ただし、視覚障害がある犬の場合は眉毛やヒゲのカットはあまり行わない方がいいでしょう。本来視覚によって得られるさまざまな情報がない分、眉毛やヒゲによる感覚が研ぎ澄まされてそれを補うとされています。眉毛やヒゲがなくなることで周囲の状況を察知しにくく、うまく動けなくなってしまうことがあるのです。

犬の眉毛やヒゲの安全なカット方法

トリミング中のトイプードル

犬の眉毛やヒゲはトリミングに出して切り揃えてもらうこともできますが、基本的には自宅でのセルフカットで問題ないと思います。眉毛やヒゲをカットするときにはバリカンではなくハサミを使い、根元の毛根部分のふくらみを傷つけないようにしましょう。

眉毛やヒゲのカットに使うハサミは小ぶりで扱いやすいものがおすすめ。人の鼻毛切り用として売られている先が丸くなった小さなハサミなどを選ぶと安全にカットができると思います。

眉毛やヒゲをカットをするときは顔を傷つけてしまわないように細心の注意を払いましょう。犬が顔を動かしてしまわないように、マズル部分を固定して行うようにします。ハサミの刃は毛が入る程度に小さく開き、皮膚などを切ってしまわないようにしてください。

また、毛抜きなどで抜くと非常に痛みが強いので決してしないようにしてください。

まとめ

黒い犬の顔アップ

犬の眉毛やヒゲには元々感覚器としての役割や感情表現・ボディランゲージの手助けをする働きがありました。しかし、基本的に視覚などその他の感覚を主として使用しているため、眉毛やヒゲがなくなっても生活に支障はないとされています。

そのため、眉毛やヒゲを切っても問題ありませんので、見た目の好みなどにあわせてカットしていいでしょう。

ただし、視覚障害のある犬の場合は感覚機能としての役割を補助するために必要だとされているため、切らないようにしましょう。また、顔まわりのカットを嫌がる犬の場合は押さえつけて切ろうとすると目などを傷つけてしまう恐れがあるので、無理に切ることにこだわらなくていいと思います。

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