フレンチブルドッグが臭い!気になる原因と今日からできる対策を解説

フレンチブルドッグが臭い!気になる原因と今日からできる対策を解説

フレンチブルドッグの気になる臭い、諦めていませんか?特有の「ブルドッグ臭」や皮膚、耳、口からのニオイの原因を徹底解説。シャンプー等の正しいケア方法から、部屋の環境対策、おすすめグッズまで具体的に紹介します。

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記事の監修

大阪府立大学生命環境科学部獣医学科卒業。その後、約10年に渡り臨床獣医師として動物病院に勤務。予防医療、行動学、老犬の介護問題に興味を持っています。正しい知識と情報を多くの方に伝えたいという思いからWEBライターとして動物関係の記事を執筆しています。

フレンチブルドッグが臭くなる理由

向かい合ってニオイを嗅ぐ2頭の子犬

フレンチブルドッグとの暮らしの中で、その独特の「ニオイ」に悩む飼い主さんは少なくありません。フレンチブルドッグ特有の体臭の原因を知り、 愛犬との毎日をより快適にするための足がかりにしましょう。

フレンチブルドッグの顔や体の「しわ・皮脂分泌」が独特のニオイの原因

フレンチブルドッグの愛らしい特徴が、実はニオイの原因と深く関わっています。まず、顔のしわは汚れや皮脂が溜まりやすく、細菌繁殖の温床となりがちです。 これが独特のニオイの一因となります。

また、フレンチブルドッグは皮脂の分泌が比較的多い犬種とされ、この皮脂が酸化したり、皮膚常在菌によって分解されたりすることで、いわゆる「ブルドッグ臭」と呼ばれる特有の体臭が生じやすいのです。

これはパグやシーズーなど、他の短頭種や皮膚にしわが多い犬種にも見られる傾向です。

皮膚疾患が原因となるケースも多い

皮膚疾患もニオイの原因の1つです。フレンチブルドッグはデリケートな皮膚を持つ個体が多く、アレルギー性皮膚炎や脂漏症(※)にかかりやすいとされます。これらの皮膚トラブルは、皮膚バリア機能の低下を招き、細菌やマラセチア菌(皮膚常在菌の一種)の異常繁殖を引き起こし、強いニオイを発生させることがあります。

※脂漏症(しろうしょう)皮膚の新陳代謝異常で皮脂が過剰になったりフケが増えたりする皮膚病

耳の病気が原因の場合も…

フレンチブルドッグの耳は、通気性が悪くなりがちで外耳炎を発症しやすく、耳垢の蓄積や細菌・真菌の繁殖により、ツンとした酸っぱいニオイや悪臭を放つことがあります。

また、口腔ケアを怠ると歯周病が進行し、これもまた強い口臭の原因となります。短頭種特有の歯並びの複雑さから、フレンチブルドッグは歯周病リスクが高いと言えます。

そして、お尻の左右にある肛門腺(こうもんせん)に溜まる分泌物も、排出がうまくいかないと漏れ出たり炎症を起こしたりして、非常に強い特有のニオイを放ちます。食事内容が体臭に影響を与えることも覚えておきましょう。

フレンチブルドッグの臭い対策

お風呂に入っているフレブル

気になるニオイを軽減するには、日々の適切なボディケアが不可欠です。

全身を清潔に保つシャンプーケアと顔周りのデイリーケア

フレンチブルドッグのシャンプーは、皮膚状態を見ながら月に1~2回程度を目安に、低刺激性で保湿成分配合のシャンプー剤を選びましょう。 シャンプー前にはブラッシングで抜け毛を取り、ぬるま湯で予洗い後、よく泡立てたシャンプーでマッサージするように優しく洗います。

特に顔のしわの間は指や柔らかいガーゼで丁寧に洗い、すすぎ残しがないよう十分に洗い流してください。 シャンプー後はタオルドライし、ドライヤーで根本から、特にしわの間をしっかり乾かします。生乾きは細菌繁殖とニオイの元です。

顔のしわは、食事後や散歩後などに、湿らせたコットンやペット用ウェットティッシュで汚れを優しく拭き取り、その後しっかり乾燥させることが重要です。 これにより、細菌の繁殖を抑え、ニオイや皮膚炎を予防します。

見逃せない耳のケアと口臭予防のデンタルケア

耳は汚れが溜まりやすく外耳炎になりやすいので、1~2週間に1回程度、犬用のイヤークリーナーを使い、見える範囲の汚れを優しく拭き取ります。 綿棒を耳の奥に入れるのは避け、異常があれば動物病院を受診しましょう。

口臭予防には毎日の歯磨きが基本です。子犬の頃から慣れさせ、犬用の歯ブラシと歯磨きペーストで歯垢をしっかり落としましょう。歯垢は約3日で歯石に変わるため、毎日のケアが理想です。

肛門腺絞りと足先のケア

肛門腺に分泌物が溜まりやすいフレンチブルドッグは、定期的な肛門腺絞りが必要な場合があります。お尻を床にこすりつけるなどのサインが見られたら要注意です。絞り方は動物病院やトリミングサロンで教えてもらい、自信がなければプロに任せましょう。

散歩後の足先は、泥や細菌が付着しているため、濡れタオルで拭くか、ぬるま湯で洗い流し、しっかりと乾燥させます。 特に指の間は蒸れやすく、指間炎(しかんえん)に注意が必要です。

フレンチブルドッグの臭い対策

清潔な室内で伏せるフレブル

愛犬の体のケアに加え、生活空間の環境整備もニオイ対策には不可欠です。

換気や掃除をこまめに行う

室内のニオイを防ぐ基本はこまめな換気です。1日数回、窓を開けて空気を入れ替えましょう。また、抜け毛やフケ、皮脂はニオイの原因となるため、掃除機がけや拭き掃除をこまめに行い、特に愛犬がよく過ごす場所は念入りに清掃します。

ソファーカバーやベッドなどの布製品は定期的に洗濯するか、消臭スプレーでケアしましょう。

湿度を一定に保つ

湿度が高いと細菌やカビが繁殖しやすく、ニオイが悪化します。

エアコンの除湿機能や除湿機で、室内の湿度を40~60%程度に保つことを心がけてください。

ペット用消臭グッズや家電を活用する

  • ペット用消臭剤(ニオイを分解中和するタイプ)
  • 空気清浄機
  • 布団乾燥機

ペット用の消臭グッズを上手に使いましょう。香りでごまかすタイプより、ニオイの元を分解・中和するタイプで、ペットが舐めても安全な天然成分由来や無香料のものを選ぶのがおすすめです。

家電では、ペットのニオイに特化したフィルター付きの空気清浄機が、室内の毛やフケ、ニオイ物質の除去に役立ちます。

また、愛犬のベッドやマットなど洗濯しにくい布製品には、布団乾燥機で湿気を取り除き、雑菌の繁殖を抑えるのも効果的です。

寝床やトイレ周りをこまめに掃除して清潔に保つ

愛犬が長時間過ごす寝床やケージ、トイレ周りは特にニオイが発生しやすい場所です。

寝床の敷物はこまめに洗濯・交換し、ケージ内も定期的に拭き掃除をしましょう。

トイレは排泄物をすぐに片付け、消臭効果のあるペットシーツの使用や、置き型消臭剤の設置も有効です。

まとめ

フレブルを抱き上げて顔を近づけるカップル

フレンチブルドッグの気になるニオイは、その特有の身体的特徴や体質に起因します。 しわのケア、適切なシャンプー、耳掃除、デンタルケア、肛門腺ケアといった日々のボディケアは、ニオイ対策の基本であり、愛犬の健康維持にも不可欠です。

加えて、室内の換気・清掃、適切な湿度管理、消臭グッズや家電の活用といった環境整備も、ニオイを軽減し快適な空間を保つために重要です。

フレンチブルドッグのニオイ対策は継続が力となります。正しい知識に基づき、愛情を持ってケアを続けることで、多くの場合、改善が期待できます。

強いニオイや皮膚の異常など、気になる点があれば、自己判断せず動物病院で専門家のアドバイスを受けましょう。この記事が、皆さんと愛するフレンチブルドッグとの生活を、より快適で笑顔あふれるものにするための一助となれば幸いです。

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