犬のハーブパックとは?
ハーブには数多くの種類があり、それぞれ特有の香りや効能を持ちます。ハーブの利用法は多岐にわたり、生のまま食用に用いたり、乾燥させて薬品やポプリに利用されるなど、様々な用途で人間の役に立っています。
人間にとって有用植物であるハーブの中から、ペットの健康や美容に役立つものを厳選し、研究されたのが今話題になっている犬のハーブパックです。
アーユルヴェーダから生まれたケア用品
アーユルヴェーダとは、5000年以上の長い歴史を持つインドの伝統医学で、ハーブ療法を中心に、人間の持つ自然治癒力を高め、病気を治すだけでなく予防するために、肉体や精神などあらゆる面から人間の健康維持を考えたホリスティック医学。
アーユルヴェーダでは、約600種類の薬草から作られた医薬品や健康食品が使われています。
犬のハーブパックは、アーユルヴェーダで使われている数ある薬草の中から、日本で暮らす犬の生活に合わせて、最適なものを組み合わせて作られた犬用のパックです。
市販されているシャンプーやコンディショナーとは違い、汚れを落とすだけでなく、ハーブの持つ良い効果や効能を犬の被毛や皮膚にもたらしてくれます。
最近では、犬のために開発されたハーブパックが市販されていますが、アーユルヴェーダに詳しい方やハーブを使い慣れている方の中には、ご自身でハーブパックを手作りされるほど人気です。
犬用ハーブパックに含まれる成分
ハーブパックの原材料は、被毛を美しく保つ働きがある「カシア」、強力な浄化作用や虫除け作用がある「ニーム」、傷を癒やす効果がある「アロエベラ」など。これらのハーブにはその他にも様々な効果、効能があると言われています。
ハーブパックに使われているハーブは、化学合成農薬や化学肥料に頼らず100%有機栽培されたものから抽出されています。
農地から生産、加工、出荷まで厳しく品質管理している商品も多く、万が一犬の口に入っても問題は少ないとされています。また、副作用や体に負担をかける心配も少なく安全性が高いといわれていますが、植物アレルギーを持つ犬には注意が必要です。
犬用ハーブパックの種類
犬用のハーブパックには、被毛を美しく保つもの、皮膚トラブルに特化したもの、犬の臭い軽減に役立つものなど様々な種類のものが用意されています。それぞれの愛犬のニーズに合わせて選ぶことができます。
犬にハーブパックを行うことで得られる効果
皮膚や被毛の状態はそれぞれの犬によって様々ですし、同じ犬でも季節によってその状態は変わります。そのため、その時々に合わせて、お手入れの方法を考える必要があります。
犬のハーブパックは、様々な状態の犬に対応できるように考えて作られていますので、利用するパック剤の種類によって、違った効果や効能が得られるというメリットがあります。
ここからは、犬のハーブパックを利用することで得られる効果を挙げてみました。
皮膚や被毛の汚れを浮かせてキレイにする
ハーブの粒子は非常に細かく毛穴の奥にまで入り込むことで、普段のシャンプーでは落としきれない角質や汚を落とすことにより、皮膚や被毛を美しく保つことができます。
被毛のツヤとボリュームをアップさせる
ハーブの高い保湿効果によって、被毛の質を改善しボリュームアップしてくれます。さらに、ハーブの抗酸化作用により犬の抜け毛予防にも効果が期待できます。
毛玉やもつれを防いで日頃のお手入れを簡単にする
ハーブのうるおい成分が犬の被毛をコーティングし、静電気を防ぎ、汚れがつきにくくなります。毛玉もできにくくなるのでブラッシングがスムーズになり、日頃のお手入れも楽にしてくれます。
虫除けの効果がある
ハーブパックに含まれる「ニーム」には、虫が嫌う成分が含まれており、お散歩時の害虫対策や、犬につくダニやノミ対策にも効果が期待できるので、安心してお散歩やお外遊びが楽しめます。
細菌の生成を抑え犬特有の臭いを防ぐ
ハーブの効果で細菌の繁殖を抑え、犬が持つ特有の臭いの軽減が期待できます。また、細菌が繁殖しないことで、皮膚が衛生的に保たれ、フケや湿疹、かゆみなどの皮膚トラブルにも効果があるといわれています。
ハーブの香りでリラックス効果がある
人間のアロマテラピーにも使用されるように、ハーブにはそれぞれ独特の香りがあります。その香りによるリラックス効果は犬にも期待することができます。
自宅で犬にハーブパックを行う時のやり方
一般的に犬のハーブパックは、サロンで行うことが多いですが、ご自宅で飼い主さんがパックしてあげることができれば、わざわざサロンに出向く手間も省けて便利です。慣れている場所でパックすることで愛犬も安心できますし、経済的でもあります。
ここでは、ご自宅で愛犬にハーブパックをしてあげたいという方のために、準備するものや作り方、パックのやり方などをご紹介します。
ハーブパックに必要なものを準備する
ハーブパックを行うには、以下のものを準備しましょう。
- ハーブパック
- フタがしまる容器
- スリッカーブラシまたはコーム
- 犬用シャンプー、トリートメント
- 吸水性の高いタオル、犬用ドライヤー
洗い流す時に、全身が入る容器があるとさらに便利になります。
1. ハーブパック用のペーストを作る
フタが閉まる容器にお湯(40℃前後)とハーブパウダーを入れて、容器を10~20回程度振り、5分程放置(ハーブとお湯をなじませるため)するとペーストができあがります。
被毛のボリュームを抑えたい、皮膚や被毛が乾燥している、静電気が気になる場合は、パックと合わせてビューティオイルを使うと高い保湿効果が得られます。
2. 犬を予洗いして皮脂汚れを落とす
ペーストを作っている待ち時間に、ブラッシングで毛のもつれをほぐし、シャンプーで皮脂汚れを落としましょう。耳まわりや脇、足先など脂汚れが多い部分は念入りに洗っておくのがポイント。
3. ハーブパックを犬に塗って皮膚に馴染ませる
ペーストは、手から垂らしてすぐに落ちるくらいの固さ(クレープの生地くらい)になっているかチェックしたら、犬の皮膚に密着させるように塗り、被毛の方にも塗り広げましょう。
犬の全身に塗布したら、1、2分程度ハーブを馴染ませます。
4. ペーストをお湯で洗い流し仕上げをする
全身が入る容器に犬を入れて、シャワーで洗い流しながら、溜まったお湯の中で揉み洗いをし、パック剤が残らないようによく洗い流します。シャワーを嫌がらなければ強めの湯量で流すのがおすすめですが、苦手な犬の場合は優しく洗い残しがないように仕上げてあげましょう。
パック剤の色残りが気になる場合は、お湯を交換して2回繰り返して洗い流した後、シャンプーで残ったパック剤を洗い流し、仕上げにトリートメントをして流します。
洗い残しがないか確認したら、吸水性の高いタオルでよく拭いてから、犬用ドライヤーで皮膚と被毛をしっかりと乾かしながら、ブラッシングしましょう。
犬にハーブパックを行う時の注意点
自宅でハーブパックを行なう場合には、いくつか注意しなければならないことがあります。
植物アレルギーや皮膚病を抱える犬は獣医師に相談してから行う
ハーブパックは自然由来の原材料を使っているため、アレルギーなどが起きにくいと言われていますが、植物アレルギーのある犬には注意が必要です。
また、皮膚に良い効果があるハーブも、すでに膿皮症などの皮膚病を抱えている場合、原因や状態によっては控えることが重要です。
植物アレルギーや皮膚病を抱えている犬の場合は、事前に獣医師に相談しておきましょう。
自宅で行うのが大変な時は無理せずサロンに依頼する
自宅で飼い主さんが愛犬のためのハーブパックを行なう場合、慣れていないと意外に手間取って「飼い主さんも愛犬も疲れてしまう」ということも少なくありません。
そのような場合には、無理をしないでトリミングサロンなどの専門家にお願いしましょう。
サロンでの施術料金はお店によって様々。事前に確かめておくことをおすすめします。
犬用ハーブパックのおすすめ商品
ハーブパックには、効果や効能によって様々な商品が用意されています。その中から、おすすめの商品をご紹介します。
ビューティ&ヘルスハーブパック – 毛玉を防いでふわふわ長持ち
被毛や皮膚に特別なケアをしたい、臭いケアと仕上がりの美しさを両立させたい、という時には、皮膚と被毛をバランスよくメンテナンスしてくれるこちらのパックがおすすめ。
コーティング力が強く、毛玉防止、被毛のボリュームアップに効果があります。また、カット後のスタイルをキープして、ふわふわ感が長持ちします。犬特有の臭いやフケ、被毛の艶など、幅広く対応してくれます。
ドクターズヘルスハーブパック – 気になる臭いに
皮膚のメンテナンスを重視したい時におすすめのパック。殺菌、消臭作用がとても高いパックで、犬特有の臭いやべたつきを防ぎます。
かゆみが気になる時、健康な皮膚を目指したい時、特に臭いが気になる夏場にぴったりです。洗ってもすぐにべたついたり、臭いが戻ってしまう場合にも最適。
アニマル アーユルベーダ モイスチャーヘルス ハーブパック– お肌の乾燥やフケ・かゆみに
空気の乾燥や加齢によって乾燥した皮膚は、かゆみに敏感になります。皮膚や被毛の乾燥が気になる時や、日差しを浴びた皮膚のクールダウン、ごわつく被毛を柔らかく仕上げたい時などにおすすめのパックです。
保湿成分のアロエベラゲルを配合し、潤い補給を重視。気になるフケや臭い、皮膚のケアに最適です。
アニマルアーユルヴェーダ ビューティー オイル 20cc
ハーブパックに混ぜて使用するタイプのオイル。ハーブの10分の1くらいの量を目安として、ハーブペーストに混ぜて使用することで、被毛の潤いと輝きをより高め、広がりを抑えたまとまった仕上がりになります。
また、保湿力を高めてくれることで毛玉や静電気、フケを防止する効果もアップして毛のもつれを防いでふわふわの仕上がりを実現します。
まとめ
愛犬の健康を守るために、食事や運動に気を配るのはもちろんのこと、ブラッシングやシャンプーで皮膚や被毛の清潔さを保つなど外側からのケアも、犬にとってはとても大切なことです。
犬のハーブパックは、自然の恵みから生まれた犬に優しいケア用品ですので、犬に負担をかけることも少なく、皮膚や被毛のお手入れをすることができます。ただし、アレルギーなどがある犬の場合には、事前に獣医さんに相談することも忘れずに。
自然の力を借りたハーブパックを愛犬のお手入れにプラスすることは、飼い主さんの日々のお手入れの大きな助けとなることでしょう。
今まで使ったことがないという方も、一度、ハーブパックを試してみてはいかがでしょうか。