アメリカンコッカースパニエルは抜け毛が多い！
アメリカンコッカースパニエルは、最も抜け毛の多い犬種の一つとは言わないまでも、普段から抜け毛の多い犬種です。被毛のタイプは長毛のダブルコートで、ストレートな毛と巻き毛の両方が見られます。胴体部分にはストレートに近い毛が生え、頭部や四肢には巻き毛や波打った毛が生えることが多いようですが、巻き毛のカールの強さは犬によって色々のようです。
アメリカンコッカースパニエルの被毛は、シルクのように柔らかく細いので毎日のお手入れが必要になってきますが、正しくお手入れされたアメリカンコッカースパニエルはとても美しい毛並みを持ちます。
アメリカンコッカースパニエルが持つ「ダブルコート」の被毛とは、外部などの刺激から皮膚を守るための「オーバーコート」と、皮膚を保湿、保温するための「アンダーコート」の２層構造になっている被毛のことです。
アメリカンコッカースパニエルだけでなく、ダブルコートの犬種は抜け毛が多いのが特徴です。
普段からも抜け毛がありますが、換毛期になると「アンダーコート」がまとめて生え変わるので特に抜け毛が多く、気持ちの良いくらいゴソッと毛が抜けます。換毛期にダブルコートの犬をブラッシングすると細いフワフワした毛が塊のようになって抜けます。毎日のブラッシングでこの不要な毛を取り除いてあげることは、健康な皮膚と美しい毛並みを保つために重要ですし、こまめなブラッシングは部屋に落ちる抜け毛を減らすことにも効果があります。
アメリカンコッカースパニエルの抜け毛を放置するのはNG！
抜け毛の多いアメリカンコッカースパニエルですが、抜け毛を除去しないまま放置してしまうと、部屋にたくさんの抜け毛が落ちることになってしまったり、何よりも抜け毛が絡んで毛玉になってしまいます。
一度毛玉になると、細い柔らかな被毛はブラッシングだけではほどけにくくなってしまい、その後のお手入れが大変になったり犬に痛い思いをさせてしまいます。
毛玉が出来たり、出来てしまった毛玉を放置してしまうことで、その部位の皮膚が蒸れて皮膚炎になってしまったり、皮膚がひきつれて犬が動く時に痛い思いをすることにもなります。また、ノミやダニが生活・繁殖しやすい状態にもなってしまいます（ノミやダニの駆除と予防は一年を通じて定期的に行いましょう）。そのため、抜け毛はこまめに除去するようにして下さい。
抜けた毛が他の毛に絡みついている時に濡らしてしまうと、十分に洗えませんし、被毛が乾いた際に固まってしまい解くことがより難しくなります。シャンプーをする前には必ずブラッシングをし、毛玉や絡まった毛がない状態で行って下さい。
ブラッシングの際に無理してひっぱると、細くて柔らかい毛が切れたり、皮膚を引っ張ってしまって犬に痛い思いをさせてしまう事があります。毛玉をほぐした後、毛玉のあった場所の被毛が縮れたようになってまた絡まりやすくなってしまうこともあります。毛玉ができないように普段からこまめにブラッシングする以外にも、毛を滑らかに保つ作用のあるシャンプーやコンディショナーを選んだり、トリートメント効果のある長毛種用のブラッシングスプレーを利用するのも良いでしょう。
アメリカンコッカースパニエルの抜け毛対策
抜け毛が多いアメリカンコッカースパニエルですが、出来るだけの抜け毛対策をして、犬も人も快適に生活しましょう。
毎日のお手入れは少し手間に感じるかもしれませんが、その時間を費やすことでとても美しい被毛を保つことができ、愛犬との絆を深める時間にもできます。
ここでは家でできる抜け毛対策をご紹介します。
（監修者が個々の商品を推薦するものではありません）
毎日のブラッシング
アメリカンコッカースパニエルの被毛はダブルコートで柔らかい長毛なので、抜け毛が多く毛が絡まりやすいです。毛量も多く、毎日のブラッシングは欠かせません。
ブラッシングは少しずつ毛をかき分けるようにし、毛の流れに沿って細やかにブラッシングしていきます。
ブラシを持っていない方の手でしっかりとかき分けながら抜け毛を除去していきます。アメリカンコッカースパニエルのお手入れには、ブラシだけではなくコームも必要です。この時、絡まっている個所があれば小さく軽くコームやブラシをかけながら絡まりを解いていきます。
注意することは、ブラッシングをする時に力を入れないことです。力を入れてブラッシングしてしまうと皮膚を傷つけてしまう恐れがあります。ブラッシングは優しく軽やかに行ってください。特に、長い飾り毛がついている耳は要注意です。どこまで皮膚があるのか、どこからは毛だけなのかを見ながらブラッシングをする必要があります。耳の先端ほど皮膚が薄いので、飾り毛をブラッシングする時は皮膚を傷つけないように特に注意しましょう。
換毛期のブラッシングは一日一回では追いつかないこともあるでしょう。そんな時は一日に数回のブラッシングをしたり、シャンプーの回数を増やしたりすることが必要になってきます。もちろん、シャンプーの前には必ずブラッシングをします。ブラッシングやシャンプーをしているとビックリするくらいゴソッと毛が抜けますが、換毛期の抜け毛は必要なくなったアンダーコートが抜けているからなので心配はありません。
アンダーコートは、特に細くフワフワしているため、こまめに取り除かないとすぐに絡まってしまいます。しっかりと毛をかき分け、不要な抜け毛を取り除いて下さい。
ブラッシングの時、皮膚が赤くなっていたり、ジュクジュクしていたり、脱毛などの皮膚トラブルがある時は、動物病院を受診してください。
定期的なシャンプー
抜け毛対策に、定期的なシャンプーはとても効果的です。シャンプーをすることによってブラッシングだけでは取りきれない抜け毛を除去できるので、普段から定期的にシャンプーをする必要があります。シャンプーをすると、抜け毛や汚れを落とすだけではなく、毛を滑らかにして絡まりにくくしたり、皮膚を保湿することもできます。もちろん毛質や肌質に合った適切なシャンプーやコンディショナーを選ぶことが重要です。シャンプーの頻度は２、３週間に1回から４、６週間に1回程度で良いことが多いのではないでしょうか。肌質や時期によっても異なります。皮膚トラブルがあり動物病院からシャンプーを処方されている場合には、動物病院からの指示に従って下さい。
アメリカンコッカースパニエルは、長毛種になるためトリミングの必要な犬種です。月に一度程度、トリミングサロンに連れて行き、シャンプーとカットをしてもらうとその後のお手入れも楽になります。
自宅でシャンプーする時には、犬専用シャンプーを使うようにして下さい。人間用シャンプーは犬の肌には合わないので、皮膚トラブルの原因になってしまう事があるため使用は避けてください。
犬用の洋服を着せる
今は犬用の洋服は種類も多く、デザインや用途に合わせて選ぶことができます。ペットショップやネット等で購入できるようになりましたが、服のサイズやどんな体形の犬用の服なのかをしっかり確認してから購入して下さい。
わからない時は、メジャーで首回りと胴回りを図ってから服のサイズ表を見ると、その服が愛犬に合った物かどうか判断できることもあります。
抜け毛対策に洋服を着せるときはどんな物でもかまいませんが、静電気が起きないものであるか、愛犬が動きやすいものであるかなどを考えてあげましょう。また、ずっと着せっぱなしにはしないで、必要な時にだけ着せてあげましょう。抜け毛対策のために洋服を着せるのは、友人宅やカフェなどを訪れる際に出来るだけ抜け毛を落とさないようにしたい、というように抜けた毛が落ちるのを防ぐだけのものです。毎日のブラッシングで抜け毛を取り除いた上で着せてあげましょう。また洋服は、毎日または定期的に洗濯をしましょう。
脱いだ服には抜け毛がついているので、洗濯前に粘着テープなどを使って内側をキレイにしてから洗ってください。洋服を脱がせた後は、静電気などで絡まりやすくなっているため、必ずブラッシングをして余分な抜け毛を取り除き、毛の絡まりを解くようにして下さい。ブラッシングスプレーを使うのも良いと思います。
こまめな部屋の掃除や空気清浄機の設置
アメリカンコッカースパニエルは毛が細く柔らかいため、抜け毛が部屋に落ちると、遊んでいる時などに抜け毛が舞ってしまうこともあります。部屋の中はこまめに掃除機を掛け、ソファやベッドなどは粘着テープなどで掃除をして下さい。
抜け毛は乾いた状態の方が除去しやすいので、拭き掃除は掃除機や粘着テープが終わった後の方が理想的です。空気清浄機は、その周りの空間に舞っている毛も吸い込んでくれるので、常時設置しておくのが理想です。ただし、犬との生活では空気清浄機のお手入れがこまめに必要となるでしょう。
抜け毛を取り除く専用手袋を使う
なでるだけで抜け毛のお手入れができる便利アイテムがあります。手袋の内側にゴムやシリコンなどの突起がついている商品で、手にはめた状態で体を優しくなでるだけで無駄な抜け毛を取り除く事ができます。
毛に絡んでしまった抜け毛までは除去できないため、このグローブを使っていても毎日のブラッシングは必要ですが、普段のスキンシップの時にこのアイテムを使用すれば、抜け毛対策も大幅に楽になるかもしれません。手袋の形をしているため、怖がりな犬の場合、ブラシを使ったお手入れよりも警戒心を持たれずに済むかもしれません。
ネットなどで検索すると抜け毛対策用に便利アイテムがたくさん出ているので、飼い主さんにとって使用しやすいものを選ぶことも重要です。特に換毛期になると、抜け毛が多くなります。換毛期が来る前に抜け毛対策商品を購入し、普段から使うことで愛犬の不安も減るでしょう。
まとめ
アメリカンコッカースパニエルは普段から抜け毛の多い犬種です。ですが、とても賢く人懐こい性格で愛嬌があります。もともとは猟犬でしたので、飼い主に対しても忠誠心も強い犬種と言われています。
走っている姿は優雅で軽やかなため、とても人気があります。抜け毛が多い分手間はかかりますが、そのお手入れをしている時間は犬にとっても飼い主にとっても絆を深める大切な時間にもなります。
ブラッシングを普段から習慣とし、部屋の掃除なども普段からしっかりとしておけば、換毛期のお手入れも少しの時間をプラスするだけで済むでしょう。便利グッズを上手に使用したり、抜け毛が落ちるのを出来るだけ防ぎたい場面ではお気に入りの洋服を着せるなども抜け毛対策となります。
