犬の抜け毛対策や部屋のお掃除は大変?
昨日掃除をしたばかりなのに、気が付くとすぐにカーペットやソファー、部屋の隅に愛犬の抜け毛がある。掃除しても切りが無いので、こまめな掃除は諦めている。そんな飼い主さんはいませんか?
実は犬の抜け毛を室内に放置したままにすると、さまざまな悪影響があるのです。
犬の抜け毛を放置してはいけない理由
愛犬の抜け毛を放置してはいけない理由として、以下の2つが挙げられます。ぜひ、愛犬の抜け毛対策とお部屋のお掃除をしてください。
犬の抜け毛がダニの温床になる
犬の抜け毛を放置していると、室内の大量の抜け毛がダニの温床になりやすいです。
ダニの温床があるということは、ワンちゃんだけでなく飼い主さんもダニに刺されてしまい、激しい炎症によるかゆみに悩まされることになります。
そのため、犬の抜け毛を放置することはやめましょう。特に、免疫力や皮膚が弱い赤ちゃんがいるご家庭では、犬の抜け毛を放置することはご法度だといえます。
犬の抜け毛がハウスダストの原因になる
犬の抜け毛でも、特に線毛に似ているアンダーコートはハウスダストの原因となりやすいです。また、室内にハウスダストが増えると、人間の場合には咳やくしゃみ、目などのかゆみが伴います。
さらにワンちゃんでは、被毛にフケや臭いの発生、皮膚の赤みやひどいかゆみ、かさぶたといったアレルギー症状が発症することがあります。そのため、アレルギーを発症しないためにも、犬の抜け毛は放置しないようにしてください。
犬の抜け毛がひどくなる原因
犬の抜け毛がひどくなる原因には、以下のものが挙げられます。
換毛期のある犬種
愛犬の犬種によって、被毛が生え変わる「被毛期」があることで抜け毛が多くなります。また、被毛のタイプによっても抜け毛の量は異なるといわれています。
栄養不足
ワンちゃんの被毛の成長には、亜鉛やビタミン、アミノ酸などの栄養素が必要です。栄養素が不足することで、抜け毛が増えてしまうことがあります。
ストレス
ストレスで抜け毛が増えると聞くと、人間で多く起きやすいイメージがあると思います。しかしワンちゃんでも環境になじめない、緊張によるストレスなどで抜け毛が増えてしまい、脱毛症になることはあります。
特にワンちゃんがストレスを溜めてしまった場合には、体を必要以上に舐めてしまうことや被毛を搔きむしりやすく、抜け毛が増えて脱毛になりやすいです。
病気
病気が原因で抜け毛の量が増え、抜けたままになってしまう脱毛症を発症することがあります。
抜け毛が増える病気の代表例としては、淡色や黒色のワンちゃんでおこりやすい遺伝的な病気や高齢で内分泌の異常によるホルモンの病気があります。
また、体の免疫が関係する場合があるアトピー性皮膚炎、季節性で免疫が関係するアレルギー性皮膚病などが挙げられます。どの病気でも素人では識別がしにくく、一度獣医師の診察を受けることが最適です。
特にホルモンの病気は、抜け毛がひどくなることに加えて、明らかに体調不良を伴います。愛犬の抜け毛がひどくなって様子がいつもと違う場合には、速やかに動物病院を受診するようにしましょう。
寄生虫による感染症
寄生虫により感染症にかかってしまうと、抜け毛がひどくなることがあります。
例えば、ノミはノミアレルギー性皮膚炎を引き起こし、イヌヒゼンダニでは犬疥癬、常在菌であるニキビダニでは毛包症など寄生虫による感染症への罹患が原因で抜け毛がひどくなることはあります。
また寄生虫による感染症により抜け毛がひどい場合にも、速やかに動物病院を受診してください。
犬の抜け毛が多くなる時期と犬種による違い
被毛期は抜け毛が多くなる
犬の抜け毛が多くなる時期に「換毛期」が挙げられます。犬の換毛期は春から夏にかけて、秋から冬にかけての年中に2回あります。それぞれ換毛期で生えてくる被毛が異なり、季節ごとに対応できるようになっています。
具体的には、春の換毛期で冬毛が抜け落ち、夏の暑さにも耐えうる夏毛に生え変わります。さらに、秋の換毛期では夏毛が抜けて、保温性の高い冬毛に生え変わります。そのため、換毛期には必ず抜け毛が多くなるといえます。
被毛のタイプで抜け毛の量は異なる
被毛の構造や長さにより、抜け毛の量は異なります。そのため、犬種によっては毎日の抜け毛対策が必要です。
被毛の構造が違うと、抜け毛の量も異なる
犬の被毛の構造には、トップコートとアンダーコートを両方をもつ「ダブルコート」の犬種と、トップコート(オーバーコート)のみの「シングルコート」にあたる犬種の2種類があります。
そのうち、ダブルコートの犬種のみに換毛期があり、抜け毛が多くなる特徴があります。また、ダブルコートをもつ犬種の代表例としては、柴犬や秋田犬などの日本犬やラブラドールレトリバー、ダックスフンドなどが挙げられます。
一方でシングルコートの代表例としては、プードルやマルチーズ、ヨークシャーテリアなどが該当します。
被毛の長さが違うと、抜け毛の量も異なる
犬の被毛は日本犬やラブラドールレトリバーといった「短毛種」と、プードルやマルチーズ、ヨークシャーテリアなどの「長毛種」に分けられます。
被毛の長さによる抜け毛の量の違いとしては、短毛種は長毛種と比べると、毛が短く生え変わりの周期が短いことで、抜け毛が多くなりやすいです。
犬の抜け毛がひどい時期におすすめの対策
愛犬の抜け毛がひどい場合には、以下のお手入れを行うなどの対策が必要です。
こまめなブラッシング
ブラッシングは、抜け毛対策で一番有効なケア方法の一つになります。特に換毛期には、こまめなブラッシングは抜け毛対策に効果的です。
一般的にブラッシングは、スリッカーブラシとコームを使うことが多いと思います。しかし、換毛期の抜け毛対策でのブラッシングには、ファーミネーターやラバーブラシといった抜けやすい毛をより多く取り除くことができる道具もおすすめになります。
また一方で、普段ブラッシングの習慣がないワンちゃんの場合には、スリッカーブラシやファーミネーター、ラバーブラシでのこまめなブラッシングが難しいことがあります。そんな時には、手のひらで撫でながらブラッシングが出来る「手袋型ブラシ」の購入を検討しても良いかと思います。
トリミングサロンでプロに任せる
サロンで行うトリミングでは、ブラッシングやシャンプーなどのお風呂、カットまで抜け毛対策に必要なことが一度で済ませられるためおすすめです。
またトリミングサロンでは、春から夏の換毛期で熱がこもり夏バテや皮膚炎を起こしやすい柴犬などの全身の毛をバリカンで短くする「サマーカット」を同時に行うことも可能です。
服を着せる
毛の抜けやすい犬種の場合には、服をきせることも抜け毛対策には有効です。服を着ることで、抜け毛が舞い落ちることを予防できます。
また、服を着用することで冬は防寒になります。さらに夏は接触冷感などの作用のある夏服もあり、暑さ対策もできて一石二鳥です。
不足した栄養素を補うサプリメント
ワンちゃんの被毛の成長には、亜鉛やビタミン、アミノ酸などの栄養素が必要になります。しかし、食事でもドッグフードの種類によっては、栄養素が偏ることで抜け毛が増えてしまうことがあります。その場合には、犬用の栄養素を補うサプリメントを与えることを検討しても良いと思います。
犬の抜け毛を掃除する時のコツや注意点
愛犬の抜け毛で困っている飼い主さんへ向けて、お掃除のコツや注意点を場所や物、おすすめのお掃除グッズまでをご紹介します。
フローリングの掃除
現代の家の構造は、リビングなど部屋がフローリング張りで広いことが多いと思います。フローリングは抜け毛が発見しやすく、掃除がしやすい特徴があります。
しかし物を沢山配置してしまうと、物と物の隙間や隅に抜け毛が溜まりやすいです。特に愛犬がケージを使っている場合には、壁とゲージの間の隙間に抜け毛が溜まりやすいと思います。
フローリング用ワイパー
物と物の隙間や隅といったこまかい場所も掃除しやすく、小回りが効く掃除グッズです。使用する場合のポイントは隅から中央へ向けて掃除することです。
【クイックルワイパー本体】
グルグル模様の立体クッション構造で、力を入れなくても汚れをしっかり絡めとって除去します。わずか3cmのすき間にも入り、小回りも効くフローリングワイパーです。
【クイックルワイパー 立体吸着ウエットシート】
本体へ取り付け、濡れているシートがほこりや犬の毛などの汚れを舞い上げずに取り除くことができます。
ロボット掃除機
airoboが発売して一躍有名になったルンバなどのロボット掃除機は、電源1つで広いフローリング張りの室内も隅々までお掃除してくれる最新版のお掃除術です。
価格は高めですが、自分でこまめにフローリング用ワイパーや掃除機をかける時間がないという忙しい方にはおすすめになります。
カーペットの掃除
カーペットは毛足が長いものや繊維がまばらなものなどがあり、犬の抜け毛が繊維の間に入り込み、完全には取り除こうとすると、苦労することの1つだと思います。ぜひ以下の2つの方法を試してみてください。
粘着性クリーナーとゴム手袋
一般的にコロコロと呼ばれる粘着性クリーナーで表面のある程度の汚れや抜け毛を取り除きます。さらに、ゴム手袋をつけカーペットをこする摩擦で、大量の抜け毛を除去する方法です。
- 表面にある汚れや毛を粘着性クリーナーである程度取り除く
- ゴム手袋を手にはめて、カーペットの表面をこする
- 摩擦でまとまった抜け毛や汚れを掃除機などで吸引除去する
塩と掃除機
カーペットの繊維の奥まで入り込んだ抜け毛には、塩と掃除機を使う方法がおすすめです。カーペットの表面に塩を撒くことで、繊維の奥のほこりと絡んでいる抜け毛に塩が吸着し、それを掃除機で吸い込むことで、取り除くことができます。ただし行う場合には。愛犬が塩を舐めないように注意してください。
【方法】- カーペットの表面にまんべんなく塩を撒きます
- 少し置いてから、掃除機で塩をすべて取り除きます
ソファーや車の座席シートの掃除
ソファーや車の座席シートは布製であることが多く、ワンちゃんの抜け毛が付きやすく、取り除きにくいと思います。また一緒に使うことが多いクッションも同様な特徴があり、困っている飼い主さんは多いのはないでしょうか。
その場合には、ソファや車の座席シート用のクリーナーを使ってみることをおすすめします。
【一網打尽 ソファ・カーシート用クリーナー】
ソファや車の座席シート、クッションに付いてしまった犬や猫などの抜け毛を目に見えない表面の突起で絡め取り、束状にまとめて除去します。
洋服
ワンちゃんを抱っこした後や洗濯して畳もうとしていた洗濯物にワンちゃんが座り込んでしまった場合には、洋服などに犬の抜け毛が付いてしまうことがあると思います。またその際には、粘着性クリーナーで取り除くことが一般的だと思います。
しかし、カーペットなどの汚れを取り除くシートは粘着性が強く、セーターなどの洋服は毛羽立ってしまい、後悔したという方はいませんか。ぜひ洋服を傷つけにくい、抜け毛取り専用クリーナーを使用してみることをおすすめします。
【洋服用の抜け毛取りクリーナー】 クリーナーを転がすだけで、洋服についたペットの毛を簡単に取り除けます。取り除いた毛はクリーナー内のダストボックスに溜まり、処理も簡単です。
まとめ
今回は犬の抜け毛の原因から対策、お掃除のコツまでをご紹介しました。犬の抜け毛は、換毛期などの生理現象により多い場合と病気など異常な場合で多い場合があります。
またそれぞれの対処方法は異なるため、今回紹介した原因や対策を参考にしてみてください。また愛犬の抜け毛でお困りの場合には、ぜひ紹介したお掃除グッズを試してみてくださいね。