ボーダーコリーは抜け毛が非常に多い!
ボーダーコリーといえば、フサフサで長い毛をイメージする方が多いのではないでしょうか?長毛は『ラフコート』といいますが、実は毛の短い『スムースコート』のボーダーコリーも存在します。
そして、長毛と短毛どちらの被毛も『ダブルコート』といって、表面を覆う硬いオーバーコートとその下に柔らかい『アンダーコート』の二層構造になっています。
オーバーコートは、毛周期によって一年中生え変わります。そのため、ボーダーコリーは一年中抜け毛の多い犬種です。
また、アンダーコートは、暑い夏を乗り越えるために春先に一気に抜け落ち、秋には寒い冬を乗り越えるために、再び生え変わります。この時期は、一年の中でも最も抜け毛の量が多くなります。
ちなみに、ボーダーコリーといえば、ブラックとホワイトのカラーを見かけることが多いですが、明るい茶色のレッドや独特のまだら模様が美しいマールカラー、日本では珍しいセーブルといった毛色を持つ個体もいます。毛色によって、抜け毛の量に差が出ることはありません。
ボーダーコリーの抜け毛対策
- 日頃のブラッシング
- 定期的なシャンプー
- 愛犬に服を着せる
- 室内飼いなら掃除は必須
日頃のブラッシング
抜け毛対策で最も効果的なのはブラッシングです。一年中抜け毛が多いので、ボーダーコリーのブラッシングは基本毎日行うのが理想です。最も抜け毛の多い春と秋の換毛期は、ブラッシングを1日に2〜3回行っても良いでしょう。
しっかりと抜け毛を除去しないと、すぐに毛玉が出来て皮膚トラブルの原因になりますし、部屋に抜け毛が落ちて掃除も大変になります。毎日のブラッシングには、スリッカーブラシがおすすめです。
スリッカーブラシは、細く密集したピンが抜け毛をしっかりと絡め取り、毛玉をほぐすことも出来ます。ただし、ピンの先が尖っているため、皮膚を傷付けないように扱いには注意が必要です。
毛の短いスムースコートには、ラバーブラシや獣毛ブラシがおすすめです。スリッカーブラシはピンが皮膚に到達しやすく、皮膚を傷付けることもあるので使うのはやめましょう。
また、ボーダーコリーは全ての犬種の中で最も頭の良い犬種といわれ、とても知性の高い犬です。かつては『牧羊犬』として人間と共に働いてきた犬種のため、飼い主さんとコミュニケーションを取ることを本能的に強く望んでいます。
日頃からしっかりとコミュニケーションを取ることも、ボーダーコリーとの暮らしには欠かせません。ブラッシングをしながら、愛犬の体に触れ、声をかけながらお手入れをすることは、愛犬とのコミュニケーションにも繋がります。
定期的なシャンプー
定期的にシャンプーをすることで、抜け毛を一気に洗い流すことが出来ます。シャンプーをして全身を清潔に保てば、健康的な毛が生え揃います。結果的に余計な抜け毛を防ぐことにも繋がります。
ただし、シャンプーのしすぎは皮膚が乾燥してフケや抜け毛の原因になるので、月に1〜2度程度にしましょう。
愛犬に服を着せる
犬に服を着せることで、抜け毛が下に落ちるのを防ぐことができます。最近では、ドッグカフェやドッグランなどで抜け毛をなるべく落とさないようにするというマナーから服を着せる方もいます。
抜け毛の飛び散りを防止するための服も売られています。換毛期だけでも、服を着せると掃除がだいぶ楽になるため、日頃から服を着ることに慣らしておくのも良いでしょう。
室内飼いなら掃除は必須
ブラッシングやシャンプー、犬に服を着せるなど、どんなに対策をしても下に落ちる抜け毛を完全に防ぐことは出来ません。
ボーダーコリーと室内で一緒に暮らすのであれば、部屋の掃除は必須です。落ちた抜け毛にはフケや皮脂、汚れが付いているため、放置すればノミダニの餌になったり、臭いの原因にもなります。
犬の毛は軽いため人や犬が動くたびに、家具の下や部屋の隅に入り込んでしまいます。1日に1回は、部屋の隅々まで掃除機をかけるようにしましょう。
また、空中に舞っていた毛が下に落ちてくることもあるので、クイックルワイパーなどを使ってこまめに床を拭くのもおすすめです。
ボーダーコリの抜け毛を軽減させるお手入れ方法
ブラッシング方法
①全身を確認する
長毛のラフコートの場合、毛がもつれたり毛玉が出来ることがあります。そのままブラシをしてしまうと、毛が引っかかって犬が痛い思いをしてしまいます。
ブラシを通す前に、まずはもつれや毛玉がないか全身を確認して、もし出来ていた場合は先にしっかりとほぐしましょう。
②部位ごとにブラシをかける
スリッカーブラシやピンブラシで全身を一気にササーとブラッシングするのではなく、背中、腰、お尻というように、部位ごとに細かくブラッシングをしましょう。抜け毛が多いので、一気にブラシをかけてしまうと抜け毛が取りきれない部分が出てきてしまいます。
細かく部位ごとにブラッシングをしながら、ブラシに付いた抜け毛も都度取り除いて、抜け毛をしっかりと取るようにしましょう。毛の根本には、ブラシのピンが届かないこともあるので、長い毛をめくって下の毛もしっかり梳かすようにすると良いです。
③お腹側のブラッシング
犬を仰向けに出来る場合は仰向けにして、嫌がる場合は背中側から前足を持ち上げて抱きかかえるようにして、お腹もしっかりとブラッシングしましょう。
特に、ワキや足の付け根は毛玉が出来やすいです。ただし、お腹は皮膚が弱くデリケートなため、強い力でブラッシングをしてしまうと皮膚を傷付けてしまいます。
優しく丁寧にブラッシングをしましょう。そのまま、首周りもしっかりとブラッシングをすると良いです。ワキや足の付け根の細かいところは、スリッカーブラシやピンブラシではなくコームを使うと根元まで梳かすことが出来ます。
④コームで仕上げ
スリッカーブラシやピンブラシで全身を梳かしたら、仕上げにコームを使って毛並みを整えながら、再度抜け毛の除去とブラッシングのし忘れがないかを確認していきましょう。
スリッカーやピンブラシで部位ごとにブラッシングをした後に、都度コームをかけるのも良いです。また、嫌がらなければ、コームで顔まわりもブラッシングをしてあげると良いです。
【スムースコートの場合】
スムースの場合、毛玉が出来ることはありませんが、抜け毛が多いのは変わりません。ラバーブラシを使って、同じように部位ごとにブラッシングをして、しっかりと抜け毛を除去していきましょう。仕上げに獣毛ブラシを使うと、毛ヅヤがアップします。
シャンプーの方法
①全身を濡らす
犬の体を支えながら、比較的嫌がりにくいお尻や腰回りから徐々に濡らしていきます。お湯の温度は37〜38°が良いとされています。人間からすると、少しぬるいくらいがちょうど良いです。
嫌がる場合は、シャワーヘッドを犬の体に密着させたり、シャワーヘッドにタオルを巻いて、シャワーの水圧を抑えてあげることで、嫌がりにくくなります。
また、ボーダーコリーは毛が密集してるため、上からシャワーをかけただけでは、根元まで濡らすことが出来ません。毛をかき分けながらしっかりと、根元まで濡らすようにしましょう。
②シャンプー液をつけて予洗い
全身をしっかり濡らしたら、シャンプー液をつけて体を洗います。ただし、シャンプーは原液のままつけず、水で希釈したり、泡立てネットで泡立ててから犬の体につけるようにしましょ。原液のままでは濃度が濃いため、皮膚トラブルの原因になったりします。
また、希釈したり、泡立ててから使った方が、犬の体にも馴染みやすく洗いやすくなります。シャンプー液が全体に馴染んだら、ここでさっと流します。最初は表面の汚れを洗い流すイメージです。
③2度洗い
予洗いが終わったら、もう一度シャンプー液をつけて、今度は全身をマッサージするように地肌までしっかりと洗います。爪は決して立てずに、泡を使って指の腹で撫でるように洗いましょう。
④すすぎ
全身を洗い終わったら、しっかりとすすぎます。毛が密集してるため、毛の根本やワキや足の付け根は、シャンプー剤が残りやすいです。毛をかき分けながら、すすぎ残しのないようにしっかりと洗い流しましょう。すすぎ残しは肌トラブルに繋がります。
⑤しっかり乾かす
シャンプーが終わったら、タオルドライをして、ドライヤーでしっかり乾かしましょう。濡れたままにすると、雑菌が繁殖したり、毛玉の原因になります。お尻周りや、足先、顔まわりの細かい部分もしっかりと乾かすようにしましょう。
⑥仕上げにブラッシング
乾かし終わったら、全身を軽くブラッシングして、残った抜け毛を取り除きながら、毛並みを整えます。ボーダーコリーは、中型犬で毛量も多いため、自宅でのシャンプーは一苦労です。もし、難しいと思った場合は、トリミングサロンにお願いするのも良いでしょう。
トリミングすると抜け毛のお手入れが楽になる
毛の長いラフコートであっても、毛が伸び続けるわけではなく、ある程度の長さまで伸びると、それ以上は伸びません。そのため、ボーダーコリーは頻繁にトリミングが必要な犬種ではありません。
しかし、夏場の暑い時期には、被毛に熱がこもって暑くなりやすいです。そのため、夏場だけ短くサマーカットをする飼い主さんもいます。
夏場のサマーカットは、毛の密度を下げて通気性を良くすることで、暑さを緩和したり、もつれや毛玉が出来にくくなったり、短くすることで抜け毛の処理が楽になる、といったメリットもあります。
ボーダーコリーは、とても活動的な犬種のため、夏の暑い時期にも運動は欠かせません。快適に過ごすために、夏場だけ短くトリミングをするのも良いでしょう。
ただし、短くしすぎると地肌に直射日光が当たって、かえって暑くなってしまったり、日焼けや虫刺されといった、肌トラブルの原因にもなります。
トリミングをする際は、地肌が見えるほど短くしすぎないようにしましょう。トリミングサロンでトリマーさんと相談してから長さを決めるのも良いです。
まとめ
あらゆる犬種の中で最も賢く、知性的で活動的なボーダーコリー。アジリティやドッグスポーツを楽しんだり、深いコミニュケーションをとることで、人生最高のパートナーになります。
しかし、その反面抜け毛がとっても多いため、お手入れは決して楽ではありません。お手入れを怠れば、抜け毛が部屋中に散らばって不衛生になったり臭いの原因にもなります。犬にとっても、もつれや毛玉、肌トラブルの原因になってしまいます。
日頃のお手入れも、ボーダーコリーにとっては飼い主さんとの幸せなコミュニケーションの一つです。こまめに抜け毛対策をして、ボーダーコリーとの幸せな暮らしを楽しんでくださいね。