犬のブラッシングスプレーを手作りする方法!使い方や注意点も解説

犬のブラッシングスプレーを手作りする方法!使い方や注意点も解説

愛犬の健康のために日々欠かせないケアのひとつであるブラッシング。ですが、毛玉や静電気などに悩まされ、愛犬のブラッシングに何かと苦労されている方も多いのではないでしょうか。ここでは、そんな悩みを解消してくれるブラッシングスプレーの手作り方法を紹介します。

犬のブラッシングスプレーを手作りする方法

おしゃれなトイプードル

犬の被毛の手入れには日々のブラッシングが欠かせませんが、毛玉や毛の絡まりを無理に取ろうとしたり、ブラシを犬の皮膚に強く当てすぎてしまったりして愛犬に負担をかけてしまうことも少なくありません。

こうしたブラッシングの際の悩みを解消するのに非常におすすめなのが「ブラッシングスプレー」です。ブラッシングスプレーはグルーミングスプレーとも呼ばれ、ブラッシングの前に犬の毛に吹きかけることで毛玉や毛のもつれを解しやすくしたり、静電気を防いだりすることができます。

市販でも入手できるブラッシングスプレーですが、あまりコストをかけずに手作りする方法を知っていれば何かと便利でしょう。では、ブラッシングスプレーを手作りする方法をご紹介します。

用意するもの(約150mL作る場合)

  • 水(または精製水):150mL
  • 精油:10滴(1滴=0.05mLとして計算)
  • スプレーボトル

水(または精製水150mL)

普通の水道水でも使用可能です。ただし、精製水は健康に悪影響を与えるとされる塩素系の消毒剤などの不純物が完全に除去されているため、ブラッシングスプレーを作る際にはより適していると言えます。精製水はドラッグストアなどで入手可能です。

精油(10滴、1滴=0.05mLとして計算)

犬に使用する場合は界面活性剤やアルコール、防腐剤、シリコンが含まれていないものを使用します。様々な添加物が含まれた安価な精油もありますが、できる限り純度100%のものを使用する方が犬にとって安全です。

また、ルームフレグランス用の精油は皮膚に直接付けることを意図して作られたものではないためおすすめできません。ブラッシングスプレーを作る際は「アロママッサージ用の精油」を使用しましょう。

さらに、様々な香りの精油がありますが、中には犬に有害と言われている香りも少なからずあるため、犬に安全なものを確認して使用する必要があります。犬にも比較的安全である言われており、精油をあまり使い慣れていない方でも扱いやすいものとしてはラベンダーなどがおすすめです。

スプレーボトル

無水エタノールを使用しない場合は、100均ショップなどで売られているプラスチック製のスプレーボトルでよいでしょう。

一方、無水エタノールを使用する場合、無水エタノールはアルコールの一種のためアルコールが接しても変質しないポリエチレン製またはポリプロピレン製の容器を使用する必要があります。

容器を購入する際は「PE」と表示されたポリエチレン製容器、または「PP」と表示されたポリプロピレン製容器を購入するようにしましょう。これらの容器も一部の100均ショップで販売されているようです。

さらに、以下のものは必ずしも必須ではありませんが、場合によってはあると便利です。

  • 無水エタノール:15mL
  • グリセリン  :7.5mL
  • リンゴ酢   :9mL

無水エタノール(15mL)

水と精油は混じりにくいためそのままでは分離しやすいですが、水と精油のどちらにも溶けやすい無水エタノールを少量混ぜることによって、水と精油が混ざりやすくなります。無水エタノールもドラッグストアなどで購入可能です。

グリセリン(7.5mL)

グリセリンは吸湿性が非常に高いため、ブラッシングスプレーに入れると静電気防止の効果が得られます。グリセリンを使用する場合は、精油と無水エタノールは入れても入れなくても問題ありません。

リンゴ酢(9mL)

リンゴ酢には毛のキューティクルを引き締める効果があることから、毛の保湿効果を得られるとともに静電気を防止することもできます。リンゴ酢を使用する場合も精油と無水エタノールは入れても入れなくても問題ありませんが、グリセリンを少量混ぜるとさらに静電気の防止効果が高まるでしょう。

犬用ブラッシングスプレーの作り方

  1. ビーカーなどに水150mLを入れ、精油を10滴加えます。
    無水エタノールを使用する場合は、先に無水エタノール(15mL)を水と混ぜ合わせてから精油を加えましょう。
  2. できたスプレー液をスプレー容器に移して出来上がりです。

グリセリンやリンゴ酢を使う場合は無水エタノールを使わず、精油の代わりにグリセリン(7.5mL)またはリンゴ酢(9mL)を水に加えるか、好みで精油と無水エタノールを使用してもよいでしょう。

手作りした犬用ブラッシングスプレーの使い方

いいにおいがしているフレンチブルドッグ

ブラッシングをする前にまず、ブラッシングスプレーの容器を振ってしっかりと成分を混ぜ合わせてから、ブラシをかける部分に数回スプレー液を吹きかけます。この時あまり近くからスプレーすると犬が驚いてしまうこともあるため、適度に離してスプレーしましょう。

次に、手のひらを使ってスプレー液を揉みこむように毛になじませます。スプレー液が十分になじんだら丁寧にブラシをかけてください。

ブラッシングスプレーの効果

様々な精油やグリセリン、リンゴ酢など、使用する材料によって得られる効果は若干異なりますが、ブラッシングスプレーを使うと概ね以下の効果を得られます。

【ブラッシングのストレスを軽減】
毛玉や毛の絡まりをスムーズに解すことができるため、ブラッシングの際に愛犬にかかるストレスを最小限に抑えることができます。

【静電気防止】
静電気を防止することができることから、静電気により犬にハウスダストや花粉が引き寄せられて皮膚トラブルが生じたり、口や鼻から吸引されて呼吸器トラブルが起きたりするのを防ぐことができます。

【保湿・消臭】
皮膚の保湿効果や体臭の消臭効果があります。

【毛艶良くふんわりとした仕上がり】
仕上がりが非常にふんわりとしてきれいになり、皮膚もツヤが出て健康的になります。

様々な精油により期待できる効果

様々な香りの精油があり、得られる効果も以下のようにそれぞれ少しずつ異なるため、犬の好みや性格、体質などによって使い分けるとよいでしょう。

  • ラベンダー:鎮静、殺菌、虫よけ
  • オレンジスイート:リフレッシュ、リラックス、消臭
  • ローズ:気分を明るくする、リラックス、皮膚の強壮
  • レモングラス:筋肉疲労の緩和、虫よけ、ノミダニ退治
  • ジンジャー:血行促進、吐き気止め、消臭

ブラッシングスプレーを手作りする際の注意点

スプレーをされている犬

犬にとって有害な種類の精油は使用しない

ブラッシングスプレーに精油を使用する場合、犬にとって有害となる種類を使用しないよう十分に確認して選ぶ必要があります。

犬に使用すべきでないとされる精油は多数ありますが、特に有害であることが知られている精油として、腎臓や神経系に有毒なペニーロイヤルやジュニパーウッド、肝臓に有毒なクローブなどが挙げられます。

さらに、適切な方法で使用する場合は問題ありませんが、一定の条件下で毒性を示す精油もあります。たとえば、中毒性が高いと言われるティーツリーやワームウッド、持病にてんかんがある犬に有害とされるローズマリー、または日光に当たることで毒性物質に変化するオレンジ・スイートやベルガモットなどです。

一方、ラベンダー、ゼラニウム、レモングラス、シダーウッドなどは犬にも比較的安全と言われており、精油を扱い慣れていない初心者にはこれらの精油の方がおすすめです。あるいは、こうした精油の毒性が心配な場合は精油の代用としてグリセリンやリンゴ酢を使ってもよいでしょう。

かすかに香るくらいの濃度で作る

精油の濃度は作る際に自分である程度調整することができますが、犬の嗅覚は人間の100万から1億倍とも言われており、人間にとって適度に心地よい香りも犬にとっては刺激が強すぎる場合があります。

香りによる刺激が強すぎると、逆にストレスを感じたり体調を崩したりすることもあるので注意が必要です。したがって、精油を使ってブラッシングスプレーを手作りする際はかすかに香るくらいの濃度で作るとよいでしょう。

愛犬の好みの精油を使用する

精油を選ぶ際は、飼い主ではなく愛犬の好みを優先します。犬にもそれぞれ香りの好みがあるため、愛犬に余計なストレスを感じさせないためにも犬の反応を見て決めることが重要です。

愛犬が香りをかいだ時にくしゃみをしたり顔をそむけたりするなど嫌がっているそぶりを見せる場合は、無理にその精油を使用せず別の種類の精油を試してみましょう。

1~2週間を目安に使い切る

手作りのブラッシングスプレーは不要な添加物が入っておらず保存料も使用されていないため「1~2週間を目安に使い切る」ようにしましょう。

子犬(生後6カ月以下)には精油を使わない

生後6カ月以下の子犬の場合、まだ体が小さく低濃度の精油であっても敏感に反応する可能性があるため、精油の使用はあまりおすすめできません。また、犬同士の交流により社会性を身に付ける時期にあり、こうした精油の香りがその妨げとなる恐れもあります。

妊娠中の犬には精油を使わない

妊娠中は敏感な体質となっているため精油の使用はあまりおすすめできません。さらに、子宮に対し毒性を示す精油もあるため注意が必要です。

高齢犬には精油を使わない

高齢犬も年齢とともに敏感な体質となっている可能性があるため、ごく低濃度で様子を見ながら使用するようにします。場合によっては精油を使用せずにグリセリンやリンゴ酢と水のみで作ったスプレー液を使用してもよいでしょう。

まとめ

フレグランスを前にお澄まし顔をするヨークシャーテリア

ブラッシングスプレーを手作りする場合、精油の扱いにはやや注意が必要なものの、何かとかさむ犬の消耗品費を抑えることができる上に、虫よけや消臭の効果まで得られるなど、たくさんのメリットがあります。また、サロンへ行くことなくふんわりと毛並みを整えることができるのも嬉しいメリットのひとつです。

ブラッシングの時間は犬と飼い主との大切なコミュニケーションの時間と言われていますので、愛犬の好みや体質に合った最適なブラッシングスプレーを作ることでブラッシングが楽しくなり、愛犬との絆もより深まるかもしれません。

犬に余計なストレスをかけないよう適切な使用方法さえきちんと守って使えば、ブラッシングスプレーは愛犬とともに心地よく暮らしていくうえで心強い味方になってくれでしょう。

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