柴犬の耳掃除の仕方!嫌がる場合の対処法も解説

柴犬の耳掃除の仕方!嫌がる場合の対処法も解説

皆さんは、柴犬の耳掃除を経験したことはありますか?「立ち耳だし、かゆがらないからやったことないな…」という方も少なくないかもしれません。けれど、皮膚疾患になりやすいと言われる柴犬は、時として外耳炎になってしまうことも。そこで今回は、柴犬の耳の構造や耳掃除の仕方、嫌がる時の対処法についてご紹介します。

柴犬に耳掃除は必要?

横顔の柴犬

犬の耳は耳介、外耳道、中耳、内耳に分けることが出来、耳介とは普段私たちも目にすることが可能な張り出している部分のことを言います。犬の耳はそれぞれ立ち耳、半立ち耳、垂れ耳と言った種類が存在しますが、その支えとなっているのが耳介軟骨と呼ばれるもので、犬はこの軟骨が弱いと垂れ耳になります。

垂れ耳の犬や耳毛の長い犬は、見た目からしても特に耳の病気になりやすい印象を受けますが、では、立ち耳の柴犬の場合はどうなのでしょうか?今回は、そんな柴犬の耳掃除の必要性や頻度、病気などについてご紹介します。

柴犬の耳掃除は状態次第

そもそも犬に耳掃除は必要かという点についてですが、基本的に犬の耳は外耳炎などの異常が無ければ、あまり必要ありません。これは、耳の構造に関係があり、耳垢などが出来た際に『自浄作用』という汚れを減少させる作用が働くことによって洗浄されるからです。

逆に間違った耳掃除を行うと、予期せぬ病気を発症するなどデメリットが生じてしまう場合があります。ですから、柴犬に限らず、犬の耳を掃除する時には耳の状態を確認した上で行うように心掛けてあげましょう。

耳掃除の頻度

上記でもお伝えしたように、基本的に問題がなければ犬の耳掃除は必要ありません。しかし、犬の耳の外耳道は人の外耳道と違ってL字型になっており、汚れが溜まりやすい構造にもなっています。

なので、日本で飼われている柴犬は、特に湿度や個体差によって違いのある耳毛の量に注意し、耳掃除をする際には柴犬の耳の状態を確認すると同時に、大体月に1回の頻度で耳掃除が出来れば理想的と言えます。

耳に赤黒い汚れがある時は?

もしもご自身の柴犬の耳に赤黒い耳垢を見つけたら、まずは獣医さんに診てもらうようにしてください。立ち耳の柴犬は、基本的に耳の通気性が良いので、清潔さという点では比較的保たれる犬種だと思います。

しかし、一方で柴犬が発症しやすい犬アトピー性皮膚炎やアレルギー性皮膚炎といった皮膚病を発症してしまうと、外耳炎になることもしばしばあるため、油断は禁物です。気になる耳垢を見つけた際には、原因を突き止めた上で適切な耳掃除の処置をしてあげてください。

柴犬の耳掃除のやり方

ウィンクする柴犬

必要な道具

それでは、柴犬の耳掃除をする際に必要な道具をご紹介します。柴犬の個体にあった道具や、耳垢の状態によって使う道具を確認しましょう。

  • カンシ(耳毛抜き)
  • コットン(綿)
  • イヤークリーナー

カンシ(耳毛抜き)

カンシとは、主に病院で使われることの多いはさみの形状によく似た金属製の医療器具です。手術や治療の際に器官や組織を挟んで牽引したり、圧迫したりするものです。また、耳の毛を抜く際にも使われます。耳毛が比較的多く、耳介を覆うように毛が生えている柴犬の場合、必要になることが多いと思います。

コットン(綿)

コットン(綿)とは、木綿の種から採れる種子毛が繊維となり糸や生地の原料となったもののことを言います。コットン生地は吸水性や通気性に優れており、柔らかい肌触りが特徴です。耳垢の量が少なく、耳介や外耳道に赤みやかゆみが生じていない場合は、コットンだけで対処出来る場合があります。

イヤークリーナー

イヤークリーナーとは、その名の通り、耳の洗浄をする際に使用する洗浄液です。犬で使われるタイプは、主に液体タイプが多いですが、シートタイプやパウダータイプといった種類もあります。

手順①:耳の状態を事前にチェックする

耳の状態を事前にチェックする

まずは、耳掃除の前に耳の状態を事前にチェックしておきましょう。耳垢の状態や色、かゆみの有無などがないか事前にチェックすることで、適切な耳掃除が可能です。

柴犬の耳は立っていて、ホコリやゴミが入りやすく、特に耳をかゆがっている場合は、気づかずに耳掃除を始めてしまうと悪化させてしまうこともあるので注意しましょう。もしも何かしら問題に気づいた際には、耳掃除を行う前にかかりつけの動物病院で診てもらうようにしてくださいね。

手順②:イヤークリーナーで洗浄する

イヤークリーナーで洗浄する

事前チェックして特に問題がなければ、耳掃除に移ります。やり方としては、柴犬を抱え込むように背後から優しく保定し、液体タイプのイヤークリーナーを耳に直接数滴垂らすか、コットンに浸して耳の表面からマッサージしながら洗浄液を馴染ませます。

柴犬自身が頭を勢いよく振ることで汚れが出てきたら、その時に優しく取り除いてあげましょう。注意点として、ご自身でやる場合にはコットンを外耳道の中まで入れての耳掃除はなるべく避けましょう。

というのも、粘り気のある焦げ茶の耳垢や黒い耳垢は、マラセチア菌や耳ダニの影響が考えられ、中までの耳垢洗浄をご家庭でやるには限界があるからです。そのため、もし外耳炎などの異常が生じた耳掃除の時には、できる限り動物病院で綺麗にしてもらうように心掛けてあげてください。

手順③:耳の中をしっかりと乾燥させる

耳掃除で丁寧に汚れを拭き取った後は、しっかりと耳の中を乾燥させてあげてください。柴犬の場合は元々立ち耳の子が多いため、自然と乾燥するものだとは思いますが、外耳炎の症状がある場合、例え耳掃除の仕方が間違っていなくても繰り返しかゆみや耳垢が出来やすい状態になってしまいます。

気になる時には乾いたコットンで再度優しく押さえるように耳を拭いてあげるなどして、乾かしてあげてください。

柴犬が耳掃除を嫌がる場合の対処法

嫌そうな顔をしている柴犬

  • 触られることに慣れさせる
  • 動物病院に行った時にやってもらう
  • 小さい頃から慣れさせる

対処法①:触られることに慣れさせる

柴犬が耳掃除を嫌がる時は、犬が耳を触られることに慣れる必要があります。柴犬は飼い主に従順である一方、警戒心も強い犬種で有名です。

そのため、普段耳に感じたことの無い違和感を感じ、恐怖心を抱いてしまうと、なかなか耳掃除をさせてくれなくなってしまいます。その場合には、初心に戻って日頃のスキンシップから始めましょう。

最初は耳全体を触れるように、徐々に耳介や外耳道といった部分を問題なく触れるようになったら、耳掃除を再開するようにしましょう。

対処法②:動物病院に行った時にやってもらう

6ヶ月~3歳の間は、皮膚疾患になる確率が高いと言われている柴犬。そのため、最初の頃は問題なく触れた耳も、「皮膚疾患が原因の外耳炎で触られるのを嫌がってしまうようになった」なんてことも。

外耳炎でできる耳垢の多くは粘着性や臭いの強いものが多く、量も多くなるため、その際には無理をせず、愛犬の耳掃除は動物病院に頼むのが良いでしょう。

対処法③:子犬の頃から慣れさせる

対処法の3つ目は、幼犬の頃から耳や口といったケアが必要になってくる部分に慣れさせることです。警戒心よりも好奇心の方が勝る子犬の頃から耳掃除や目薬などを慣れさせると、いざと言う時のために問題なくケアを行えます。

ただ、その際は使うものに注意し、最初はぬるま湯に浸したコットンで耳の周りを優しく拭いてあげる程度と段階を踏んで、慣れさせてあげましょう。

まとめ

とってもかわいい柴犬

柴犬のみならず、犬の耳は基本的に自浄作用が働いているため耳掃除をあまり必要とはしないかもしれません。しかし、立ち耳犬種だから耳掃除は必要ないということではなく、立ち耳犬種でも、その犬種の特徴やなりやすい病気などは様々です。

特に柴犬はアトピー性皮膚炎に悩まされることが多く、その原因が外耳炎の元となるマラセチアの場合、治ったり悪くなったりを繰り返し、とても厄介なものになってしまいます。

そのため、日々のスキンシップは愛犬との健康維持のためにも欠かさず行い、できる限り普段からのケアを心掛けてあげてください。そして、もしも耳の異常を感じた際には、なるべく早くかかりつけの獣医師さんに診てもらって、適切な処置を行ってもらってくださいね。

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